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2010年10月23日 (土)

またしても北アルプスへ(蝶ヶ岳~霞沢岳)

前回まで更新していた「北アルプス・ソロ山行」から戻って5日後。
僕は再びひとりで北アルプスに向かいました。
目的はこの下の山、「霞沢岳」であります。
Img_2975_2
山頂は奥。手前は「K2ピーク」といわれる場所で、
この写真自体はさらに手前の「K1ピーク」から撮っています。
霞沢岳は上高地の象徴、「かっぱ橋」のすぐ南側にあるのですが、
あまりに標高差があるために、上高地からはぜんぜん見えない山。
標高は2645m。上高地は1500mくらいだったかと思います。

では、旅の始まりから。
Img_2921
仕事のスケジュールをなんとかこじ開けて
東京を昼に出たので、上高地に着いたのは夕方前。
日暮れ前になんとか徳澤でテントを張れました。

翌日は長塀尾根から蝶ヶ岳へ。
長塀山からは何も見えず、さらっと通過。
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天気はあいにく小雨。
しかしウェアが濡れるよりも乾くほうが早いという微妙なもので、
僕はTシャツのまま、この日は最後まで歩いてしまいました。

ガツガツ歩いていくと、蝶ヶ岳山頂。
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おお、雨は降っているけれど、ガスが切れた。
槍ヶ岳は見えないけれど、穂高連峰と大キレットの姿。

ここから大滝山方面へ南下。
北アルプスのなかでも、ものすごくマイナーな道です。
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夏のたった1ヵ月しか開いていない大滝小屋の前。
こいつは今回の旅の相棒、僕のバックパック。
グラナイトギアの「ニンバスアクセス」くんです。

大滝山の山頂も真っ白。
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ま、いいか。

大滝小屋から向かうは、徳本峠小屋。
この2つの小屋はオーナーが同じで、これらを結ぶために
「中村新道」というものが作られ、そこを歩いていくわけです。
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展望がきかないこんな道が延々と。
誰一人すれ違わず、誰一人追い抜かず。

徳本峠小屋の脇でテント設営。
今年初の出番となった、古のモス「スターレット」テント。
地に這うようなルックスで、入り口はかなり、かなり低いのです。
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正直なところ、使い勝手はとても悪いです。
それもこいつ、生地がなんだかビロビロに伸びていて、
あの「機能美」で知られたモステントとは思えない不恰好なものに。
かわいそうだけど、今後の登場機会はほとんどないでしょう。

突然、ナルゲンの水筒。
水がたっぷり入ってますね。
徳澤でくんだ水にまったく手をつけず、そのまま残っています。
Img_2925
じつはこの日、僕は自分の体を使って、ある「人体実験」をしました。
というのは、行動中、一切の水分をとらないで歩いてみるということ。
「もしも」の緊急時に備え、水分補給がないとどれくらいつらいか、試してみたのでした。
体調が悪くなるくらいなら、途中で飲んじゃってもいいし。
この日は8時間くらいの歩行で、最後は口の中に唾液が出てこなくなりましたが、
気温が低いのであまり汗をかかないこともあって、別に問題なし。
ただ、唾液が出ないので行動食がノドを通りにくく、その点がつらいところ。
しかし、夏にやるべき実験だったと思います。

僕は今後、なにかの役に立つ(雑誌原稿とか)のではないかとわざと試しましたが、
普通の方はこんなことする必要はありません。念のため。

3日目。徳本峠にテントを張りっぱなしにして、霞沢岳へ往復。
この山は縦走路になく、もともと徳本峠から山頂へピストンするしかないんです。
Img_2955
こんな斜面はあまりなく、わりあい歩きやすい道で、
僕の足で(荷物が少ないので、超高速)往復4時間ちょっと。

で、写真はここから先に述べた「K1ピーク」と「霞沢岳」からのものです。
Img_2962
K1ピークから。
奥は穂高連峰。正確に言うと、右が前穂高、中央が西穂高。
あいだに上高地があり、手前は六百山。
昔、この六百山から向こう側に巨大な堤防を渡し、
巨大なダムを作る計画がありました。
電力会社へ国の認可が下りず断念したのですが、もしも実現していたら
現在の黒部ダムよりももっと大きなダムが誕生し、上高地は水没していたことに。
そんなもの、実現しなくて本当によかったですね。

望遠で適当に西穂山荘を狙ってみたら、意外とちゃんと写っていました。
Img_2992
この小屋あたりからこちら側を見ると、
僕が今まさにいる霞沢岳がドカンとそびえているのが見えます。
そうすると、いつかは登ってみたくなるのが人情。
だから、西穂高岳のあとに、霞沢岳を狙う人は多いんです。

こちらは9月に登ったばかりの焼岳。
僕が下山に使った道が見えそうで、見えない。
Img_2978
でも、噴煙は確認できました。

8月に歩いた笠ヶ岳。
Img_2996
あの時は、山で知り合った友人(そういえば蝶ヶ岳だ)が、
山頂直下の小屋で働いているのを発見して、驚いたっけ。

霞沢岳山頂で、記念写真。
Img_2986
自分の分身として、背負ってきたサブザックを置いてみたりして。
ホグロフスの防水バッグ「ワタタイト」です。

戻り道は省略して、再び徳本峠小屋。
Img_3023
この小屋は今年改築されたばかりで、
手前にあるのは文化遺産的に残した以前の小屋。
徳本峠は大昔の上高地へのメインルートで、数々の逸話が残っています。
北アルプスを世界に紹介したウォルター・ウエストンが‥‥
武将の三木秀綱の奥方が‥‥
杣人(きこり)と恋人が、この場所で逢引して‥‥とか。
そういう話は書き始めるとキリがないので、いつか雑誌か何かで。
ちなみに、「徳本」の読みは「トクゴウ」であります。

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徳本峠から上高地へと下る道。
昔、上高地が牧場だったときは(徳澤キャンプ場なんか、まさに牧場の跡地)、
この道を牛や馬に歩かせ、徳本峠を越えて上高地入りさせていたのでした。

でも今回、上高地(明神近く)で見かけたのは、この動物。
ニホンカモシカです。
Img_3049
上高地では猿はいくらでも見ることができ、
僕は今年の夏にクマも発見しましたが、カモシカは今回が初めて。
あとは、バスターミナルへ歩くのみ。

という、2泊3日のソロ山行でした。

一回の更新にしては話が長いと反省。
それでも雑誌の記事の数分の1なんだけど、
ブログでこういうこと紹介するのって、難しいですね。
雑誌用の取材だったら、発売前に詳細を明かさないために
いつも内容はほとんど隠しておいているんですが、これはプライベート旅だし。
これでも、本当は書こうと思えば、あと数十倍の情報が書けるんだけど、
雑誌に原稿を書いて収入を得ているライターとしては、
ブログでどこまで書いちゃおうか、非常に悩むところです。
雑誌原稿に比べると、ものすごくラフに、かつ適当な文体で書いているので、
あっという間に書けてしまえるのですが、それにしても。
むむ~

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山(やま)」カテゴリの記事

コメント

はじめまして!!

いつも雑誌とブログで読ませてもらってます。

ブログのラフな文章もけっこう好きです(^_^)

すらすら読めちゃうので長いとは思いません!!

私は月に6日の休みなのですが、連休はないのでいつもで日帰り登山しかできません(・_・;
6日の休みのうち4回は登りに行くので、行くまでの時間や交通費がもったいない!!
なりよりいっぺんに縦走出来るところを帰って来なきゃならないのが悲しいんです…

5泊6日の縦走とかホントに羨ましいです(>_<)

投稿: キウイ | 2010年10月23日 (土) 21時52分

お疲れ様です!

5泊6日の山旅終わってまたまた北アルプスですかぁ〜。
とても羨ましいです☆

ブログで紹介するプライベートの山旅を
いつも楽しく拝見させて頂いてます☆

庄太郎さんの使ってるG600は望遠でも
キレイに撮れるんですね!
僕はGRですが、望遠が使えないんでコンパクトな一眼レフがほしいとこです。

あっ、ちなみに庄太郎はテントと地面の
間に何か敷きますか?フットプリント的なやつを??
それとも軽量化で持って行かないんですか??

投稿: カミナリおやじ | 2010年10月25日 (月) 15時29分

キウイさま

仕事のために日帰り登山しかできないとは、かわいそう。
それでも、夏休みなどは長めの休みが取れるでしょうから、
そんなときに縦走が楽しめるといいですね。

僕はできるだけいろいろな場所に
旅をしたいということもあり、
会社を辞めてまでフリーライターになりました。
特殊な仕事ですが、いつも思っていることは
「読者の方々の休日が有意義なものになるように、
おすすめのよい山やコースを紹介しよう」ということ。
そのために、仕事も遊びも関係なく、
ひたすら山に出かけています。
これから少しでも僕が雑誌などで書いた情報が
役に立つとうれしいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カミナリ親父さま

最近、僕が使っているカメラには新顔が加わり、
キャノン「パワーショットG11」も愛用しています。
望遠の機能を使っているのは、こちらですね。
これに完全防水のリコー「G600」を組み合わせて、
いつも2台持ち歩き、
好天のときと悪天のときに使い分けています。

以前は、G600と初代「GR digital」の組み合わせでした。

ほかに、もう少し本格的な写真が撮れるように、
キャノン「D40」も持っています。
真に美しい写真は、プロのカメラマンにお任せです。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月26日 (火) 16時43分

高橋さま
先日からの北アルプス記事、楽しく拝読させて頂きました
私は昨年より登山を始め、今のところ日帰り専門ですので、テント泊の長旅に憧れつつ読んでいます
今回の記事にて、テント泊と並び、北アルプスにも挑戦してみたいと思い立ち、常念岳に行ってきました(日帰りですが…)
その景色に圧倒され、はまりそうです‼
高橋さんの記事にて、私の休日が有意義なものになりました(笑)
これからも楽しみにしています

投稿: はるお | 2010年10月27日 (水) 17時53分

はるお様

初・北アルプスが常念岳ですか?
ということは、僕と同じですね。
あそこからの槍・穂高の景色に度肝を抜かれ、
僕は北アルプスに通うようになりました。
テント泊で行けば、感動が倍増すること、間違いなしです。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月30日 (土) 00時14分

高橋さま

コメントありがとうございます!!

そうなんです。
来年の夏休みはテントを担いで縦走したいと思ってます。

なので今は雑誌の記事を読んだり、このブログを読ませていただいてイメトレ中です!!

あ!でもちゃんテント泊想定して奥多摩の山でいっぱい水をバックパックに入れて登ってます♪

同世代の女の子の友達からは理解できないってよくいわれるんですけど(笑)
山が楽しくてしょうがないです(>_<)

明後日は沢登りに行ってきます!!

投稿: キウイ | 2010年11月 1日 (月) 02時34分

キウイ様

沢登りはいかがでしたか?
わざわざ荷物を重くして歩いているとは
なかなかやりますね。
僕も体がなまらないように、荷物が軽くできるときでも、
あえて余分なものをたくさん持って歩くことがあります。
それにしても、この数年、ソロ/テント山行の女性が増えていて、
みなさんの気合いを感じます。

投稿: 庄太郎 | 2010年11月 8日 (月) 00時33分

高橋さま

沢登り楽しかったです!!
台風の影響で水量が思ったより多くて寒かったですが、なかなかのアドベンチャーでした♪( ´θ`)

今週も西上州方面の山に行ってきました。
低山ですけど、ハシゴにクサリ場の適度なスリル感と晩秋の山が綺麗で楽しめました♪
質問いいですか?
私は今、エスプリ55を背負っているのですが、マックパックで70ℓ80ℓクラスの女性用のバックパックは入ってこないのでしょうか?

投稿: キウイ | 2010年11月20日 (土) 02時13分

キウイ様

沢登り、楽しかったようでなによりです。

エスプリ55を使っているんですね。
女性用なので、本当の背負い心地は
僕にはわかりませんが、よいバックパックのはずです。
来季のマックパックには同じエスプリですが
少し大きい65リットルモデルが登場する予定です。
雨蓋などが改良されていて、色には赤も。
70リットルほどはなく、しかもエスプリの
リニューアルバージョンですが、
なかなかよさそうですよ。

投稿: 庄太郎 | 2010年11月26日 (金) 09時52分

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