« 北アルプス・ソロ山行‐1(剱岳 編) | トップページ | 北アルプス・ソロ山行‐3(柏原新道~針ノ木岳 編) »

2010年10月18日 (月)

北アルプス・ソロ山行‐2(立山~黒部ダム 編)

Img_2841

山中5泊6日のソロ山行。
「連続」ではなく「断続」とは、どういうことだったのか?

大雨のために「剱岳」から縦走するはずが、馬場島から山頂への単純往復に‥‥、
というのがこの前に書いた「剱岳 編」でした。
結局、計画を変更した僕は、公共交通手段(タクシー、電車、アルペンルート)を使い、
別の登山口「室堂」を目指すことにしました。
そんなわけなので、歩き旅としては「連続」はせず、
しかしルートは途切れても毎日歩くという「断続」になったわけです。
でも、歩きたかった場所にはだいたい行ける改定ルートなので、まあよし、としました。

Img_2695
富山電鉄の上市駅。ここでは僕以外の乗客はほとんどいなかったのですが、
このあとの「立山黒部アルペンルート」は3連休のために大混雑。
アルペンルートのケーブルカーには乗ることができず、
代替の室堂行きのバスに乗り継ぐまで、なんと2時間も待つことに。

Img_2723_2
で、室堂。ものすごい混雑でした。
手前は立山連峰の一部で、その後ろが昨日登ったばかりの剱岳。
僕が選んだルート、早月尾根が左のほうに延びています。
ああああ、昨日はあんなにひどかったのに、今日はバッチリではないですか。

さて、僕の新しい計画で、まず目指すべきは、室堂から一ノ越。
立山の稜線でいちばん低い、いわゆる鞍部にあたる場所です。
しかし、ただそこを目指しても面白くないので、あえて遠回り。
室堂山、浄土山、龍王岳を経由して、一ノ越に降りるコースにしました。
で、そこから黒部ダムまで下っていくのです。
簡単に言えば、稜線まで登って、降りる、山脈横断ルート。

龍王岳の山頂からの景色はバツグン。
Img_2749
右のほうの尖っている山は、針ノ木岳。その左隣はスバリ岳、右端が赤沢岳。
じつは、剱岳以上に、これらの山々を縦走するのが今回の最大の目的だったのです。
つまり、本当は「馬場島~剱岳~剱沢~内蔵助平~
黒部ダム~針ノ木沢~針ノ木岳~赤沢岳~種池~扇沢」
なんていう5泊6日コースを考えていたのですが、それが
「馬場島~剱岳~馬場島~(アルペンルート)~室堂~一ノ越~黒部ダム」となり、
しかも、混雑のために予想外の時間をとられたので、
翌日はダムからもう一度アルペンルートを使って扇沢に移動し、
針ノ木岳付近の縦走は、計画とは逆周りにすることに。
すでに予定が狂っていることもあり、このほうが何かとスムーズに動けるんです。

もう一回整理すると、最終的には
「馬場島~剱岳~馬場島~(アルペンルート)~室堂~一ノ越~黒部ダム~
(アルペンルート)~扇沢~赤沢岳~針ノ木岳~針ノ木沢~黒部ダム」という
アルペンルートの乗り物で歩行が2回分断される、3部構成の旅になったのでした。

‥‥と説明してはみましたが、よほどこの付近の地理に詳しくないと
わからないと思うので、興味のある方は、立山あたりの地図を見てみてください。
かなりおかしなルート取りになっているはずです。

そして再び、龍王岳の山頂からの風景。
Img_2763
南には、2ヶ月前に登った薬師岳。
その手前の台地は、その旅のときにテント泊をした五色ヶ原。

Img_2765
南東には1ヶ月ちょっと前にも登った槍ヶ岳。
中央は水晶岳で、その右の稜線は先月の雲ノ平合宿で歩いたところ。
左端が赤牛岳。水晶岳から赤牛岳をつなぐ読売新道も昨年歩いたなあ。
ちなみに、この写真はちょっと望遠で撮っております。

Img_2754
真東には、先ほどの針ノ木岳があり、
そして北東には立山連峰主峰の雄山。
この山は今年の6月、8月と2回も登っているので、
目の前にそびえているけれど、今回はパスしてしまいます。
鞍部の一ノ越山荘から続く、山腹の白い線状に見えるのが登山道で、
これからその道を歩いていくことになるわけです。

Img_2767
ほぼ真北には、昨日の朝には山頂にいた剱岳がドンとかまえております。
うううう、あの山頂から「線」でつながる旅をしたかったのだけど。

Img_2797
ともあれ、一ノ越から黒部ダムへ向けて出発。
アルペンル-トで無駄に時間を使ってしまったので、すでにけっこう遅い時間。
紅葉の中を早足で進んでいきます。

Img_2806
振り返ると、一ノ越の鞍部。
誰も歩いていなくて、非常に解放的な気分であります。
今回のいちばんはじめの写真は、この道の上から撮った立山連峰でした。

Img_2816
ハイマツの上に僕の影。
こういう写真って、撮りがちですけど、まあ一応。

Img_2835
紅葉の御前沢カ-ルを下ると、右手に黒部ダム。
鹿島槍ヶ岳も後ろのほうに。
そして、陽が暮れる前にロッジくろよんのキャンプ地に到着しました。

Img_2900
翌朝。朝飯は、いつものようにラーメン。

Img_2904
荷物をすべてバックパックから出し、改めてパッキング。
さて、4日目となる今日からが、気持ちの上ではとうとう「本番」。
後立山連峰の南端にあたる「種池~赤沢岳~針ノ木岳」という縦走が始まります。

(続く)

|

« 北アルプス・ソロ山行‐1(剱岳 編) | トップページ | 北アルプス・ソロ山行‐3(柏原新道~針ノ木岳 編) »

山(やま)」カテゴリの記事

コメント

悪天候の中の剱岳、大混雑のアルペンルートお疲れ様です。私もアルペンルートでうんざりした事を思い出します。観光客だらけですよね。この日のような天気が初日からなら又違う旅になったでしょうね。紅葉が美しいです。

投稿: take | 2010年10月19日 (火) 10時53分

高橋さんこんにちわ 私も10日~11日は雷鳥沢から一の越にいってきました。富山率高いですね。先週から今週あたり紅葉いいでしょうね。まだあまり寒くなかったですね。

投稿: まつぼん | 2010年10月19日 (火) 12時30分

takeさま

アルペンルートは本来、3連休中は使わないはずだったのに、
計算ミスというか予定外の行程になってしまい、
まあ仕方ないな、という感じです。
でも、多くの観光客が室堂付近で終わっているのに、
自分の足でちょっと頑張るだけで
すぐにほとんど誰もいない場所にいけるんだから
やっぱり観光と山歩きってぜんぜん違うものだと
あらためて思いました。

僕は完全に夏山好きですが、紅葉の秋も悪くないですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まつぼん様

僕が一ノ腰を通過したのは11日なので、
ほとんど同じタイミングですね。
あの日は天気がものすごくよくて、
じつは内蔵助平経由でなくて、むしろよかったと思いました。
負け惜しみじゃなく。
そうじゃないと展望があまりきかないコースだったので、
一ノ腰経由のほうが楽しめた気がします。
あの日はたしかに暖かくて、僕は一日半袖で動いていましたよ。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月19日 (火) 23時49分

そうでしたか 経験の豊富(運動量があり熱の産生が多い??)な方は皆さん薄着ですよね
10日の雷鳥沢が初の山テント
 雨と結構強い風でびっくりしました。11日は晴天でしたね。
お聞きしたいのですが
私は登山を初めて間もないのですが どうも高度が上がると10歩くらいづつしか登れなくなります。
960m(称名滝)くらいから大日岳に登る時も2300mくらいまではそれなりのペースで登れるのですが
そこからペースが落ちます。
筋力より酸素が不足してる感じです。
なので雷鳥沢から一の越は300mくらいの高度差なので楽勝と思ってましたが 2時間もかかってしまいました。とても雄山までは行く気になりませんでした。
持病は特にはないのですが…
こういう高山での登山(高地トレーニング)を繰り返すことで肺は鍛えれるものなんでしょうか?(減量はすこしづつやってます)
高橋さんは40kg背負ったこともあるとのことでしたし 剣で人の荷物背負ったりされていらっしゃってすごい体力があることがいつも伝わってきてます 感心です。

投稿: まつぼん | 2010年10月20日 (水) 10時30分

まつぼん様

やはり高山に行くと酸素濃度が低いので、
高度障害が出ているんだと思います。
要するに、高山病の1歩手前ですね。

高山病は体力以前に「体質」の面が大きいらしく、
ゴツい男の人よりも、か弱そうな女性のほうが強かったり、
かと思えば、同じ人が同じ場所にいっても、
高山病の症状が出たり、出なかったり。
僕もチベットに行ったときには、ほとんど意識不明になり、、
エベレストベースキャンプまで歩いたときも、
最後には5歩ごとに休まねば動けないほどでした。

高山病的な症状は、弱い人だと2000mくらいから
出てくることが多いようなので、
まつぼんさんもそんな体質なのでしょうね。

ただ、高山に頻繁に行くと高地順応が少しずつできてくるので、
あまりタイムラグを作らずに山に行くと
前よりはマシになるはずです。
ヒマラヤに挑戦する登山家の一部は、
日本にある低圧室で体調調節してから出かけるくらいなので、
ある程度の期間なら。

とはいえ、そんな頻繁に高山に行く余裕もないかもしれませんね。
一度の登山の期間を長くして、いったん高めの場所で
2泊くらいするとかなりラクになる気がします。

僕は医学の専門ではないので、説明できるのはこれくらい。
山本正嘉さんという先生が書いた
『登山の運動生理学百科』という本は、
こういうことにも詳しいですよ。
おそらく、日本の「登山と体」についての本では一番です。

おおっと、すごい長い文面になってしまった!

投稿: 庄太郎 | 2010年10月23日 (土) 00時02分

庄太郎さん

おつかれさまです。
いつも楽しくT.-Tune拝見させてもらっています。
あの船は、PEAKS9月号の読売新道に出てくる
船ですね、あったかい季節だと気持ちよさそうですね。

 「水」問題ですが、浄水器は必備品としてされてますか?
今後の縦走など考えて買おうかなと検討しています。
今年の10月の剱沢のテント場の水も事前に調べると煮沸要とか煮沸不要とかあって「?」で、
結局,飲み水(生で飲む分)は室堂の玉殿湧水を
3.5Lくんでいったので間に合ったのですが・・・。
もし、おススメなどあれば教えてください。
(軽いタイプがいいですよね、きっと)
それでは、お体に気をつけて。

投稿: Shu- | 2010年10月23日 (土) 08時23分

Shu-さま

浄水器ですね。
近いうちに、このブログでちょっと書いてみます。

じつは今から、また取材に出なくてはならず
(いつもながら山、いや今回は島でもあるんだけど)
戻ってきてから。

少々、お待ちを。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月23日 (土) 12時44分

いえいえお忙しい中丁寧な説明お返事ありがとうございます。高橋さんも大変な目にあっていらっしゃるのですね すごい場所ですし。

>高山病の1歩手前ですね。
まさにそんな感じと自分では考えていました。
そうなんです ごつい身体なのですが 確かに体質と言われればすごく納得できます。
そう頻繁にはいけませんが 来年には2泊でゆっくり高度順応させてやってみます。
 そもそも小学の時に登った雄山登山の時も耳や頭痛がありやっとこさの登頂でした。
今回の登山は思い返せばそれ以来の2500m超えでした。雷鳥平では一酸化中毒(テント内でバーナー…)の初期のような症状になり 頻脈頭痛になり 起きて山頂目指すも一の越がやっと 踏んだりけったりでした。
登山の運動生理学百科購入して読んでみます。ご紹介ありがとうございます。
あっそれから 低地で先日サッカーやりましたが 呼吸がいつもより楽に感じました。(多少でも高地トレーニングになったのか)これも登山からの副産物であり 興味を持たせていただいた高橋さんの本のお陰だと思います。
ありがとうございました。


投稿: まつぼん | 2010年10月25日 (月) 00時18分

まつぼん様

高山病って、本当にやっかいなんですよね。
あれって、体験した人じゃないとわからなくて。
体調が悪いからといって寝ていると、
ますます悪化するから、無理にでも起きて、
少しは動かなければならないし。
今後、自分の体調が少しでも
コントロールできるようになるといいですね。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月26日 (火) 16時26分

高橋さんこんにちわ
先日早速注文しまして今日 登山の運動生理学百科 入荷します。
体調コントロールできるよう勉強してみます。
少しづつでもよいので高い山でも楽しく登れるようになれたらと思います。ありがとうございました

投稿: まつぼん | 2010年10月27日 (水) 09時37分

まつぼん様

取材で会ったばかりの野口健さんが、女性よりも
「とくに筋肉質の男が、高山病になりやすい」と
話していましたよ。
筋肉質というか、たんにやせているだけのの僕も、
そういう意味では高山病体質のようです。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月30日 (土) 00時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/558195/49778701

この記事へのトラックバック一覧です: 北アルプス・ソロ山行‐2(立山~黒部ダム 編):

« 北アルプス・ソロ山行‐1(剱岳 編) | トップページ | 北アルプス・ソロ山行‐3(柏原新道~針ノ木岳 編) »