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2010年10月16日 (土)

北アルプス・ソロ山行‐1(剱岳 編)

深夜バスでの車中泊も含めれば、6泊7日。
山中では5泊6日をかけた山歩きに、ひとりで行ってきました。
当初の計画では、一続きの縦走的ソロ山行だったのですが、
諸事情あって、「連続」ではなく「断続」的なルート取りに‥‥。
そんなわけで、3回に分けてご紹介する今回の北アルプスの旅。

まずは「剱岳」であります。

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登山口は、馬場島。「北アルプス三大急登」といわれる早月尾根から山頂へ。
しかし、思いっきり雨。天気予報では、翌日も悪いようで‥‥。
ともあれ、まずは早月小屋を目指します。
剱岳があるはずの方向は、黒い雲でなにも見えず。

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カメラのレンズ部分に水滴が付き、写真を撮るどころではないのです。
いくらかマシなものでも、こんなカットしかないのです。トホホ。

荷物は20数キロもあり、先ほど書いたように「三大急登」。
僕の格好といえば、レインウエア上下にゲイターで、
気温は低いのに、ものすごい勢いで汗が噴き出してきます。
完全防水スタイルなのに、内側からの汗だけで全身が濡れ、
Tシャツを絞ると驚くべき水分が流れ出してくる始末。
その汗は下半身のパンツやタイツに流れ出していき、
最終的にはブーツ内にも浸透、ソックスまでぐっちゃりと濡れてしまって‥‥。
こうなると僕の戦闘能力は半分以下に。歩くのがさすがに嫌になってしまいます。

Img_2600
全身冷えきって、早月小屋に到着。
この小屋では某・編集部に頼まれた写真をいくらか撮り、
それが今回の旅で、唯一の仕事っぽいことでした。

で、翌日。
Img_2649
早月小屋にいた山岳警備関係の方には
「今日は、悪くなることはあっても、よくなることはないだろう」という天気のなか、
一応、山頂目指して出発することに。しかし、この時点で計画変更。
本当はすべての荷物を背負って山頂に登り、反対側の剱沢に降りる予定でしたが、
豪雨のなか、デカく重い荷物であの険しい道を歩くのはどうかと思い、
大半の荷物を小屋で預かってもらって、単純な山頂への往復にしたのでした。
なんせ、今年も何名か亡くなっている一般登山道の最難関ルート。
つい1週間前、足が痛くてまともに歩けなかった自分自身の状況を考えると、
雨でスリップする可能性もあり、やはり無理はできないのです。

ちなみに、小屋にいた人たちの多くは、山頂を諦めて下山していたようです。
僕も小屋の方には「ヤバかったら、途中で戻ってきます」と伝えておきました。

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雨に加え、ときどき強風。
常に薄いガスがかかっていて、せっかくの紅葉もぼんやりとしてよくわかりません。
そもそも、写真を撮る気も出てこないんですから。

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山行に近づくと、険しい岩場と鎖。
滑らないように気をつけて、ただただクリアしていきます。
雨はいつのまにか止んで、濃いガスが周囲に。

しかし山頂に到着すると、意外なほど明るく、雨の痕跡もほとんどなし。
要するに、雨雲の上に出てしまったのですね。

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近くにいたおじさんが写真を撮ってくれました。1年ぶりの剱岳山頂。

こうなると、脳裏に浮かび上がるのは
「荷物を全部持ってきて、剱沢に下りればよかったのではないか?」ということ。
じつはけっこう後悔しました。
でもこの10分後、結局山頂付近でも雨が降り始め、
その後はどしゃ降りと小雨が交互に繰り返される状況に。
やっぱり剱沢に向かわなくてよかったのだと、自分に言い聞かせつつ、
なんとか転ばないように足を動かし、早月小屋へ戻ります。
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ん、この写真、朝のものとはなにか違いますね。
じつはこの小屋、この日が今年の小屋じまいで、
僕が戻るとすでにブルーシートで要所を覆ったり、板を打ち付けたりしているのでした。

予定していなかった馬場島への下山を開始。
あいかわらずのどしゃ降りと小雨の繰り返しのなか、
無心になってドンドン下っていくだけです。
あああ。ひどい状況だ。せっかくのひとり山旅なのに。

雨のなかのツラい下山は、もう省略。
で、あっという間に馬場島のキャンプ場。
一度は通常の草地の上にテントを張ったのですが、
管理人の方から「雨だから、あの下に張ったらいいよ」との言葉をいただき、
コンクリの建物の軒下にテントを張りなおしました。
こういうとき、ストイックに雨の中でテントを張るほど、僕には根性がありません。
後ろにクルマが見えるように、ここはもう山奥ではないのだから、ラクにラクに。

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雰囲気はないけど、雨が当たらないのは、やはり快適。
ウェアから何から濡れたものはすべて周囲に広げ、
テント内はまずますのコンディションに。

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地図を広げて、今回の計画の練り直し。
予定通りには行かないのは悔しいけど、意外とこういう状況も面白いものです。
さて、明日はどうしよう? 天気は回復するようだし。

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明太子パスタとコーンスープ、ウインナーと野菜の炒めで夕食。

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翌朝。いちばんはじめの写真と比べてみてください。
ここまで回復するとは‥‥。
なんとか剱沢まで進んでいれば、快調な山旅になっただろうに。

というわけで、気を取り直して再び移動を開始することにしました。

(続く)

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山(やま)」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
先日の八ヶ岳ではお世話になりました(*^_^*)
雨の山旅は大変ですね。。
私は昨日、剱沢から剱岳目指して出発しましたが、
残念ながら撤退!してきました。
前日の夜から強風でテントのフレームが折れるんじゃないかとビクビクしながら朝を迎え、天気の回復を祈って山頂目指しましたが、前剱を過ぎた鎖場のところで雨が雪に変わったので引き返してきました。
山頂に立たずに剱に背を向けて歩くのは残念だったけど、前剱までチャレンジしたおかげで冬毛に変わりかけのライチョウに会えました♪
モコモコで可愛かったです。
剱は来年の夏、また挑戦します(*^^)v

投稿: ハム吉 | 2010年10月16日 (土) 18時14分

ハム吉さま

剱岳、ダメでしたか‥‥
やっぱりもう雪ですよね、あのあたりだと。
僕のときも雨自体よりも、それが雪になったり、
濡れた岩が凍結するのが恐ろしくて、
結局、単純往復にしたんです。
でも、また来年挑戦すればいいことなので、
お互い無理はしなくて正解だったと思います。

雷鳥は僕も見ましたよ。
7羽の群れと、5羽の群れがいて、
ものすごい数になっていました。

投稿: 庄太郎 | 2010年10月18日 (月) 18時11分

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