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2011年1月10日 (月)

25年前のプリムス“2243”バーナーを

数日前、ある雑誌のために、ここ最近の「革新的なギア」と、
「定番的ギア」を比較するための商品のセレクトを行っておりました。
そのときに改めて思い出したのが、このバーナー。
プリムスの大定番“2243”バーナーです。
Photo
上の写真は、僕が高校の山岳部に入ったときに買ったもので、
当時としては発売されたばかり。ようするに初代モデルであります。

一昨年前、僕の私物ということで「ヤマケイJOY」に1ページ大で登場したことも。
しかし25年も前のものなので、さすがにサビが浮いているどころか‥‥
Img_0008
ゴトクが折れてしまったので修理に出し、今は新しいものをつけているのです。
それなのに、なぜこの折れたパーツが残っているかというと、
イワタニ・プリムスに修理を出したときに、
「思い出の品だから必要なくなったパーツも返却してほしい」とお願いしたから。

しかし昨年、立山から笠ヶ岳に縦走しているときに、
もっと重要な部分がだめになってしまったのです。
Img_0023
それは上の写真の右のパーツ。ガスカートリッジをねじ込む部分のネジ山がつぶれ、
ガス缶が取り付けられなくなるという、最悪の状態に。
メーカーでも、ここは修理ができないとのこと。
仕方がないので、これまで長いこと活躍し、
しかも思い出の品でもあるという“2243”バーナーには現役引退してもらい、
記念品として永久保存する決心を固めました。

そこで数ヶ月前に新しく購入したのが、下のもの。
なんのことはない、“2243”バーナーの現行モデルです。
発売から四半世紀たっているのに、いまも販売されているんです。
完成度が高いものは、こうやって数十年も継続していくんですね。
Img_0013
とはいえ、原型は大きく変わらないものの、細部はリニューアル。
火力調整用のハンドルの形は小さくなり、自動点火装置もついています。

分解すると下のように3つのパーツに。
Photo_3
いちばんはじめの写真と比べるとわかりますが、
パーツの数こそ変わりないけれど、バーナーヘッドの2つのパーツが1つになり、
その代わりに写真右上の自動点火装置があるので、数としては変わらないわけ。
しかし、買ったはいいけれど、これがどうしても気に入らないのです。
それはなんといっても、バーナーヘッド(燃焼部分)のパイプが外れなくなっていて、
へんに出っ張っているところ! 以前はもっと平らな状態で収納できたのに。

それと、自動点火装置もなくていいのだけどなあ。
こういう電子式の点火装置って、高所や低温化ではかなり調子が悪く、
何度カチカチとボタンを押しても点火せず、
結局、ライターを取り出さなければいけないのです。(どこのメーカーのものも)。
僕が行くような山では実用的ではなく、邪魔なだけ。
まあ、“2243”バーナーの点火装置はその気になれば取り外せるのですが、
その分、定価を安くしてくれたほうがいいような気が‥‥。
2番目の写真と比べるとわかりますが、今はバーナーヘッドの裏がスッキリしてるけど、
昔のもののようにスウェーデン語でなにやら書かれているほうが、雰囲気あったし。

で、結局、さらに下の中古バーナーも手に入れたのでした。
Photo_2
こいつも“2243”バーナー。しかし、発売後数年たっている2、3代目のモデルでしょう。
僕が初めて買ったものとほぼ同様だけど、自動点火装置がプラスされています。

点火装置だけ外し、これをこのまま使ってもよかったのですが、
こうなっちゃうと考えるのが、お別れしようと思っていた初代モデルを復活させること。
そこで、この中古からガスカートリッジに結合する
火力調整用ハンドル部分のみを利用し、初代モデルの破損パーツと替えました。
Photo_4
というわけで、このような状態に。
先に書いたように、すでにゴトクは交換されており、、
火力調整用ハンドルも別のものになったわけですが、
主要パーツであるバーナーヘッドは25年前に買ったもの。
これで初代モデルとほぼ同じルックスで、邪魔な点火装置もなし。
ああ、満足。
このバーナーヘッドの結合部分のネジ山も、
いつ壊れるかわからないけれど、当分はこの状態で使おうと思ってます。

下は初代と現行の“2243”バーナーの、山に持っていくときの状態。。
Img_0028
左が、今回話をした「復活」“2243”バーナー。右が、現行の”2243”バーナー。
現行のものは、やはり中央の出っ張りが圧倒的に気に入らない!
微妙な違いと思われるかもしれませんが、
パッキングのときに、この硬くて小さい出っ張りが本当に気になるのです。
僕には必要ない自動点火装置は当然外し、すでに存在しておりません。
点火装置をつけたままだと、パッキングサイズはもっと大きくなります。

ちなみに、下の写真はケースに入れたとき。
Photo_5
いちばん左の黒いものが、現行製品のケース。
かなり弾力性がある素材を使っていて、なかなか立派です。
真ん中の赤は、中古で買ったもののケース。
見えないけれど、ファスナーが壊れていて、使い物にはなりません。
そしていちばん右が、僕が昔から初代モデルを入れていた袋。
なんとコレ、小学生のときに東京ディスニーランドのウエスタンランドで買った巾着袋。
だから、カウボーイの絵が描かれているんです。
これにいたってはバーナー以上に歴史があり、30年前のものでしょうね。

さて、数あるバーナーのなかで、なぜ”2243”バーナーを気に入っているかというと、
とにかく信頼できること。20年以上使っていれば、さすがにパーツは傷みますが、
それまでは山の中で調子が悪くなったことは一度もないんですから。
また、大事なのが、風防の大きさ(ゴトクが兼任)。
最近のガスバーナーは軽量化のためにコンパクトに作られているものばかりですが、
そういうものは風防が省略されていて、ちょっとでも風が強いと火が消え、
消えないまでも熱が鍋に効率よく伝わらないために、燃料が無駄になるんですね。
もちろん、調理時間も長くなってしまいますし。

あまり風が強くない森の中でキャンプをしているくらいなら、
風防が省略されているものや、簡素なものでも充分だけど、
森林限界を越えて、強い風が吹いていることも珍しくはない
北アルプスの高山なんかでは、こういうゴツめのもののほうが、確実なのです。
強風、豪雨といったハードなコンディションで安心して使えますからね。

アウトドアライターという仕事柄、他のバーナーもいろいろ試しており、
これ以外にもいくつかのお気に入りがあるのですが、
反面、まるっきり使い物にならず、買わねばよかったと後悔しているものも。
しかし、さすがにこれだけ長く愛用しているのは、、この”2243”バーナーだけ。
僕以外のライターはあまり雑誌で取り上げないのですが、
いいバーナーなんですよ。古臭くて、デカくて、重めだけど。

バーナー系のネタは、もうひとつあるのですが、また今度。   

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アウトドアギア」カテゴリの記事

コメント

今、知り合いが眠らせていたバーナーを借りて使っていて 山トモと どこの何を買おうか 周りが使っているのを ジロジロ見ている日々ですhappy02
今回のブログを読んで かなり考えが まとまってきましたhappy01
自分で良い様に作っちゃうなんて最高ですね。それくらい愛せる一品を探してゆきますねconfident

私は高橋さんの逆で九州で生産されたのに暑いのが本当に苦手で 先日の雪山も かなり夏に近い服装で登りましたsweat01
夏の登山を いかに楽しめる様になるかが 今後の課題ですcoldsweats01

投稿: ハナ | 2011年1月10日 (月) 21時25分

2243はゴトクが十字になっているから、コッヘルを乗せても安定感がありそうですね。
僕はプリムスのPー114(ナノストーブ)を使っているんですが、ゴトクが3本しかないので、コッヘルを乗せると不安定でちょっと困ってます。

投稿: SW | 2011年1月11日 (火) 00時13分

はじめまして、私もプリムス“2243”バーナーを同じくプリムスの“スパイダーキット”を使って分離型として使っています。これからもずっと使って行きたいのでとても参考になりました。happy01upup
“スパイダーキット”も安定感抜群で“2243”との相性もとてもいいと思います。機会があれば試してみてください。

投稿: bei | 2011年1月13日 (木) 10時40分

ハナさま

バーナーはどれも一長一短で、完璧なものは
なかなかありません。
その人にとってどれが使いやすいか、なんです。
もちろん、それ以前に使い物にならないものもあるわけで。
無駄金を使わないですむように、
気に入るものを見つけてくださいね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
SWさま
そうなんですよ、ゴトクが十字だと安定するんです。
最近の軽量タイプにはゴトクが3つのものが多いのだけど、
そういうのは鍋をひっくり返すことが多くて。
どれもゴトクが4つでも3つでも重さは数グラムしか
変わらないようなタイプなんだから、
メーカーが4つに変更してくれるとよいのだけど。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
beiさま

なるほど、スパイダーキットを使っているんですか。
安定性でいえば、より良い方法ですね。
僕も2243用に手に入れようかな。
僕はいまのところあまり分離型を使わないのですが、
その理由はメシを食うときに、バーナーの背が高いと
鍋を置いたまま、かがまなくてもいいから。
要するに背の高いバーナーの上に鍋があると、
バーナーのゴトク部分がテーブル感覚で使え、
鍋をあまり持ち上げないでメシを食えて楽なんです。
我ながら、怠惰なことだと思ってます。

投稿: 庄太郎 | 2011年1月13日 (木) 20時46分

偶然、通りかかった旅の者ですが、、、(笑)
#2243 とお見かけして ひとこと
 発売当初のもの、当然 持っています。
当初の混合管は、上下共にネジ接合でした
ただしネジピッチの大きな差異があり、普通に取り付けて外すと
ネジピッチの細かいバルブ側に混合管がくっ付いてきます。
ニュートンの法則で(爆)
 現行品、もしも横穴にチタンペグなどを挿し込んで
廻して外れるようでしたら、当初と基本構造は同じかも知れません
。外したい処は優しく留めておき
ロックしたい個所はギュッと締め付けておく:Tips
  いちどお試しください

投稿: JSB | 2011年2月 7日 (月) 00時13分

JSBさま


2243のオーナーさんですね。
僕はこのとき、バーナーの構造も確認しないで、
いきなり金属の棒を横の穴に突っ込んで、回そうとしました。
だけど、現行品は溶接されているようで、
確実に分離できませんね。
外れると本当によかったのに。


投稿: 庄太郎 | 2011年2月10日 (木) 00時58分

僕もプリムスの2243/2244 made in Sweden を愛用しています.しかし僕はガソリンストーブのボルドバーナーをメインに使っているので,プリムス2243/2244はサブ的な使い方でした.そのせいか,まだ綺麗な状態を保っています.

購入したのは1988年の事で,今は無き御茶ノ水のグリーンライフスポーツ(当時はさかいやスポーツ御茶ノ水店)でした.火力調節ノブがプラスチックではなく紫檀のムクです.この辺の事情は詳しく解りませんが,たぶん僕のも初代だと思います.

投稿: js1bvk | 2015年6月26日 (金) 12時07分

js1bvkさま

だいぶ昔に書いた2243のことですね。

僕が買ったのは1986年で、火力調整のツマミは写真のようにプラスチックです。
ヤマケイJOYに原稿を書いたときに、日本での取り扱い会社に確認したところ、
やはり初代モデルとのこと。
木のツマミのほうが高級感があってよさそうですが、
どういうことなんでしょうね。

投稿: 庄太郎 | 2015年6月28日 (日) 20時09分

お返事,ありがとうございます.

明日から北岳に行きます.久しぶりに 2243 を持参しようと思い,現行品はどうなっているのかを検索したところ,貴サイトに辿り着きました.愛用されている文章を読むのは非常に心暖まります.道具には愛情を持って接するべきですね.

木のノブは耐熱を考慮しての改良だったのかも知れません.高級感と言うよりも,保守面での措置であるように思えます.点火装置が無いのも故障箇所が少ないと言う事ですから好感が持てますね.

各種媒体でのご活躍,拝読しております.

投稿: js1bvk | 2015年6月28日 (日) 22時39分

js1bvkさま

なるほど、耐熱のためというのはあり得ますね。
これからも愛用してやってください。
しかし、現在もほとんど形状が変わらないというのはスゴいですよね。

投稿: 庄太郎 | 2015年7月 3日 (金) 05時45分

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