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2011年2月

2011年2月18日 (金)

土屋智哉さんの書籍『ウルトラライトハイキング』

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2日ほど前、超有名アウトドアショップ「ハイカーズデポ」の土屋智哉さんから、
手紙とともに1冊の本が送られてきました。
その名も、『ウルトラライトハイキング』(山と渓谷社)。

とても興味深く、読みやすく丁寧に書かれているので、あっという間に読了。
一般的には超軽量ギアのイメージが強い「ウルトラライト」ハイキングの世界を、
「道具」のことはもちろん、「歴史」や「哲学」を含めて書ききった本なのであります。

僕も「ウルトラライト」について、漠然とは知っている気がしていたとはいえ、
こうやって体系的に説明してもらえると、頭の中がじつにスッキリしました。
「ウルトラライト」って、道具の軽量化以前に、
「どのように自然とかかわって、どう歩くべきか」ということなんですね。
それにしても、今まで知らなかった知識もタップリで勉強になることばかり。
しかし、参考文献として、僕の『トレッキング実践学』も加えられていたのですが、
なにか土屋さんの参考になるようなことが書いてあったかどうか‥‥。
ともあれ、参考文献に入れてもらえるとは光栄なことです。

僕自身は、壊れにくい質実剛健な道具を中心にしており、
ギアとしてはウルトラライトとは程遠くて、荷物の重さもかなりなもの。
その気になれば、僕も荷物の軽量化をかなりできるのだけど、
まだ体力も十分なので、いまのところ極端なまでの軽量化には進んでいません。
だけど、ウルトラライト的な発想は、意外と生かしているつもりです。
しかし今後、体力が衰えてきたら、思い切ってウルトラライトな旅をし始めるかも。

本来、土屋さんのアウトドアの知識や能力は多面的で、
ウルトラライトはその一部(とはいっても大きいけど)。
僕とは山の歩き方は違うとはいえ、話はけっこう合い、
常々「どこかの山にいっしょに行きたいね」と話しているところ。
まだ実現していないのですが、土屋さんのリアルなウルトラライトハイキングの様子を、
今年中に見られるといいのだけど。

ちなみに、僕がこの本を読み終わったのは、
アウトドア作家/ジャーナリストの加藤芳則さんの家におじゃまする電車内。
到着すると、この本がテーブルの上に置かれており、
加藤さんも現在読み進めている最中でした。
なんでも『山と渓谷』に書評を書くとのことなので、これも楽しみです。

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2011年2月17日 (木)

八重山諸島・西表島1人旅-2/無人の南海岸・後編

「前編」を書いてからすでに8日、旅に行っていたのは3週間前と、
アップするのが非常に遅くなっていますが、
西表島の南海岸を歩いたときの話の「後編」であります。

「前編」では、コース最大の「難所」の1歩手前で話を中断していました。
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というわけで、この写真の中央左・奥の岩壁、ここをクリアできるかどうかが、
今回の海岸トレッキングの成功を左右する場所です。

西表島の南海岸は、ほとんどが岩場か砂浜なのですが、
ここだけは岩場というより岩「壁」。
完全に海から切り立っていますが、潮が引いているときはリーフの上を
できるだけ進んでいって、あとは少しだけ「泳ぐ」ことで先に進めるのです。
干潮なら泳ぐ距離は10mにも満たないとはいえ、
キャンプ場で会った人いわく「サメが泳いでいる姿がよく見られる」とのこと。
もしくはその手前から岩壁を登る、巻き道でも行けないことはないという情報でした。

だけど、近づくにつれて、なんだか嫌な予感が。Img_0266
すぐ目の前に突き出ている岩場まで進めば難所はクリア。
だけど、この日の天気予報では「強風波浪注意報」が出ていて‥‥。
激しい波が岩にぶち当たり、僕の身長を軽く越える高さまで飛沫を上げているんです。
この波に巻かれたら、泳ぎが不得意な僕はおぼれること間違いなし。
しかもサメがいるかもしれないのに、水中の様子なんてわかりません。

なので、海から先に進むことは完全に諦めて、岩壁を登ることを考えました。
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この岩にはザイルが残されていると聞いていたのですが、それはどこに?
上のほうをよく見ると、白っぽいロープがあるような気も。
じつはザイル(というか単なるロープ)はすでにブチ切れており、
高さ20mほどの岩のうち、上部4~5mくらいしか使えそうなロープは見当たりません。
その残っている上の方だって、おそらく体重をかけると切れちゃうでしょう。

だが、手や足をかけるホールドはいくらでもあるので、とりあえずトライ。
しかし‥‥。見た目はラクそうな岩なのに、滑ること、滑ること。
今回のブーツは岩よりも水場に適したものなので、
ますますズルズルと滑ってしまうのです。
とりあえず、この写真中央の丸い穴のある場所までは登ったのですが、
それ以上がどうしても進めず、仮に進めたとしても、
帰りには下ることはできないと判断。
だって、どんな岩場でも、登るよりも下るほうがはるかに難しいんですから。
実際、途中まで登ったポイントからもとにいた海まで下りるのも、やっと。
マジで死ぬか、もしくは滑落して頭でも割るんじゃないかと思いました。
これなら、昨年行った槍ケ岳・北鎌尾根のほうが圧倒的にラク。
もちろん、北鎌尾根は複数のメンバーだったし、
準備も万端だったからというのもありますが。

遊びにきた場所で事故を起こしては仕方ないので、
これにて今回のトレッキングはここまで。ああ、残念無念。
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目指していた鹿川湾の砂浜があそこに見えるけど、また来ればいいや。

岩壁の安全地帯まで下り、後ろを振り返ると
これまで歩いてきた海岸の一部が見晴らせました。
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さて、来た道を戻りつつ、今日の寝場所を考えないと。

しかしまあ、潮が完全に引いちゃって、足を濡らさなくても
リーフの上を歩けるようになっちゃいました。
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このリーフの潮だまりには、いろいろな生物の姿が。

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おそらくジャノメナマコ。
食えるのかもしれませんが、手で触って観察してから逃がしました。

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こんな貝もちらほら。名前はなんだったっけ?

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魚もけっこういるのですが、動きが速すぎて写真には撮れず。
唯一撮影できたのは、のんびりした青い小魚のみ。しかもこれだけ遠くから。
そういえば、前に西表島に来たときは、
体長50㎝くらいのイソガツオを釣って、いい気になったことがあります。

こんなリーフで道具も持たない僕でも、たくさん捕れたのは、
やたらカラフルなシャコの一種。岩の隙間に追い込んで、
捕まえては殻をはがして、海水の塩味だけで食ったのですが、なかなかのおいしさ。
でも手がベタベタでカメラは使えないし、捕獲⇒食うのに夢中になってしまい、
写真には残っていません。なんとか撮っておけばよかった。

そんなことをしているうちに、夕方が近づいてきました。
当初は「前編」の最後の写真の岩のあたりで寝ようとしたのですが、
そのあたりはなんとなく不気味な雰囲気がして、さらに先へ。
結局、これまた「前編」でも写真に使っている小さな川のところで寝ることに。
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念のため、シェルターは持っていっていたのですが、
原則としてはキャンプ禁止に当たる場所ということもあり、
マットと寝袋だけでのビバークで済ませることにしました。
まあ、キャンプ禁止といっても、
それはこの周辺の島には数ヶ月も長期滞在しかねない人がいるからで、
実際は僕のような歩き旅の人には島の人もうるさいことはいわないどころか、
むしろいろいろと有益な情報を教えてくれるくらいなのですが。

しかし、1月だというのに、さすが八重山諸島、これでもぜんぜん寒くありません。
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沖には仲御神島。岩だらけで上陸困難という無人島ですが、一度行ってみたい場所。

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雨が降らないといいなあ、と思いつつ、ショートパンツでゴロゴロとリラックス。

買える食材も限られていたので、メシは気楽にレトルトのカレー、
サバの味噌煮の缶詰、ポタージュスープ。
カレーの具に追加したのは、初の組み合わせとなる長ネギ。
この組み合わせはどうかと思いましたが、意外とうまかったです。
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ひとりでラッパ飲みしていた泡盛「八重泉」も少なくなってきました。

そんなこんなで、波の音を聞きながらの一晩。
寒くはないのだけど風が強く、顔に砂がふりかかってくるのだけは、けっこうつらくて。
起きて頭を触ったら、砂でザラザラになっていてひどいものでした。

翌日は同じ海岸をただ戻るだけなので、ほぼ省略。
だけど、前日にはなかった足跡を発見。
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おそらくイリオモテヤマネコ。
西表島には、こんな足跡をもつ哺乳類は他にいないはず。
きっと夜のうちに、海岸でエサをあさっていたんでしょうね。

というわけで、本当はもう少しいろいろなことをしたのだけど、
西表島のトレッキングと旅の話は、これにて終了。
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帰る日に沖を見たら、新城島が遠くに。
一昨年前には、あそこまでカヤックで漕いで行ったことを思い出し、
次にこの島に来るときは何をして遊ぼうかと考えながら、
空港がある石垣島へ渡ったのでした。

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2011年2月15日 (火)

『山と渓谷3月号』発売

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本日は『山と渓谷3月号』の発売日です。特集は「山ごはん」。
このなかで、僕のレシピが3つ、
「蒸し温野菜サラダ」「コンビニおにぎり焼き飯」「豚の角煮丼」が紹介されています。
僕はいくつかの案を出して、アンケートに答え、
原稿は他のライターさんに書いてもらっております。
アンケートなどから同業のライターさんに自分に関する原稿を書いてもらうことが、
最近増えており、「自分で書かなくてよいのか?」と、考えないでもありません。

誌面では、僕のレシピをもとに美しく料理を作って撮影しています。
しかし、その参考になるように、僕自身が調理&撮影をし、
見本としてもらった写真がじつはあるんですね。
それはこんなものです。

「蒸し温野菜サラダ」
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見本では丸ごと食べられる野菜のみで作ってみましたが、
誌面ではカットした野菜になってます。
鍋の底で沸騰したお湯が野菜に触れないように、
山で拾った石を野菜の下に敷き詰めているのがポイント。

「コンビニおにぎり焼き飯」
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コンビニのオニギリを崩して炒めるのみ。
調味料や他の具材などは一切入れず、簡略化に徹し切った一品です。
しかし、見本とはいえ、鍋の周りが汚いな。

「豚の角煮丼」
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これは見本用に撮ったものではなく、
昨年の北アルプス山行のときに作ったやつです。
このブログでも、同じような写真を使ったことがある気が。
長旅の最終日に作ったので、角煮はつぶれているし、
手持ちの野菜も少なくなっているし、
なんといっても大切なキムチが欠けているので、それほどうまそうではないですね。
これ、本当は自信作なんだけど。

ともあれ、雑誌のなかでは数倍うまそうな姿で登場します。
実際に書店で見てみてください。

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2011年2月12日 (土)

『PEAKS 3月号』が、もうすぐ発売

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いつもなら、発売日かその後にブログで書くのですが、
今回は見本誌がすでに自宅へ到着したので、
前もってここでご紹介いたします。
『PEAKS 3月号」(2月15日発売)であります。

今号の『ピークス』の大特集は、日本の「100ルート」。
山の写真を集めた表紙、なかなかいいですね。

僕はこのなかで、「北アルプスの15ルート」を選出し、
原稿ももちろん書いています。ちなみに、そのルートとは、

「山上の別天地へ」
・折立~薬師沢~(直登)~雲ノ平~三俣~双六~小池新道~新穂高温泉 
・室堂~立山~五色ヶ原~黒部ダム 
・上高地~横尾~涸沢~パノラマコース~上高地 

 「見たことがない風景」
・黒部ダム~日電歩道~阿曽原温泉~水平歩道~欅平
・高瀬ダム~湯俣(噴湯丘)~高瀬ダム
・新穂高温泉~新穂高ロープウェイ~西穂山荘~焼岳~中の湯温泉

 「人影が薄い場所の楽しみ」
・上高地~徳沢~徳本峠~霞沢岳~(往復)~島々
・中房温泉~燕岳~餓鬼岳~白沢
・扇沢~針ノ木雪渓~針ノ木岳~(往復)~蓮華岳~七倉岳~烏帽子岳~ブナ立尾根

 「憧れのロング縦走」
・猿倉~白馬雪渓~白馬岳~朝日岳~栂海新道~日本海
・新穂高温泉~小池新道~三俣~鷲羽岳~水晶岳~読売新道~黒部ダム
・折立~黒部五郎岳~鷲羽岳~裏銀座コース~ブナ立尾根~高瀬ダム

「北アルプス・マスターへの道」
・上高地~槍沢~槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳~奥穂高岳~涸沢~上高地
・中房温泉~表銀座(喜作新道)~槍ヶ岳~飛騨沢~新穂高温泉
・室堂~立山~剱沢~剱岳(往復)~剱沢雪渓~仙人池~阿曽原温泉~欅平

字面だけではイメージしにくいでしょうが、このようになっています。
5つのカテゴリーに分けたうえで、
それぞれ3ルートずつ選んでいるので、計15ルートというわけ。
しかしこの区分けでは入りきれないルートも多く、
後立山連峰とか立山~薬師岳あたりが抜けているのが気になっていました。
だけど、そのあたりのルートは別のページで補足的に選出されていたので、一安心。
日本アルプスの概念的説明のページも含めると、10ページ分になります。

ちなみに、僕は初夏に出す予定の本は、この特集と似た要素があり、
今までにない構成にするためにうまく説明しにくいのですが、

誤解を承知でものすごくザックリと内容を説明すると、

多様な視点から「北アルプスの面白いルート選びができる」というものになります。
ともあれ、詳細はもう少し整理してから発表しますね。

また北アルプスに関しては、この「北アルプス15ルート」に加え、
日本屈指の長大でハードなルート、「読売新道」の“秘話”を
新道の計画・開削にたずさわった山本栄一さんにインタビューして書きました。
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これは、後世への資料として残るだけの内容と自負。
ぜひとも読んでいただきたい4ページです!
こういう山文化の過去を発掘する取材にはものすごく興味があるんです。
いずれ、こういう方向の話をまとめて、本にしたいと思ってます。

連載ものでは、「マウンテンギアラボラトリーズ」の“トレッキングポール”が7ページ。
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選び方や使い方に加え、最新型のポールも紹介されているので、参考にしてください。
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もう使えないものを含め、LEKIのポールばかり4~5組持っている僕ですが、
今回撮影をしているうちにほしくなったのは、この上の写真の
ブラックダイヤモンド“ディスタンスFL”というモデル。
折りたためて、超コンパクトな形状に。
いっしょに写っているモンベルの製品もかなりよさそうでした。

同じく連載の『岳(だけ)』の最終回では、僕の故郷の「泉ヶ岳」について1ページ。
この山の話は、このブログで以前紹介したことがあるのですが、
そのときの山行のときの模様を10倍は濃密に、
そしてもっとしっかりと自分の内面に寄って書きました。
比較してもらうと、ぜんぜん違う雰囲気の文章になっていて、面白いはず。

というわけで、発売日にはご覧になってくださいね。

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2011年2月10日 (木)

『ビーパル3月号』発売と、秘境の温泉

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『ビーパル3月号』は露天温泉の特集。
僕はとくに原稿を書いたわけではないのですが、
アンケートには答え、自分にとっての「ベスト3」を挙げています。
登場人物が多いために、ものすごく小さなスペースで、
温泉の名前くらいしかわからない構成なので、
ここで少々補足をしてみたいと思います。

個人的な第1位は、「高天原温泉」。
北アルプスの奥の奥で、最低でも山中3泊4日はかけないと入れないでしょう。
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水晶岳直下の、その名も「温泉沢」にあり、
僕が知っている限り、日本でもっともアプローチに時間がかかる温泉です。
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仕切りと小さな屋根がかかっているのは、女風呂。
その右隣に屋根っぽいのがあるほうは、混浴風呂。
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さらにこの手前の河原にも、いくつか小さな湯船があるんです。

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山奥とは思えないほど、きれいに整備されてます。
近く(といっても徒歩20分)の高天原山荘の方が掃除してくれているんですね。

第2位は、知床半島の「相泊温泉」。
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沖合いに見えるのは、北方領土の国後島です。
今は木材とブルーシートを使った仕切りと屋根がありますが、
以前はもっとボロボロで、しかも嵐や時化のあとは、
跡形もなく吹き飛ばされていることもありました。

海側から覗くと、このような感じ。
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湯船の足元のほうは女性風呂とつながってます。

反対に湯船から海のほうを見ると‥‥
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潮によっては、目の前1~2mから海になっていることも。
こんなときに大波がくると、思いっきり海水が入ってきます。
ときには、縁を10cmも越えて海水が押し寄せてきて、
ひどいときは湯船のお湯がまったく温かくなかったりして。

ここにはもう10回くらい行っており、何度も写真を撮っているので、
よくみると上の2枚の写真でも、仕切りの板が変わっていることがわかります。

第3位は、北アルプス・黒部峡谷の「阿曽原温泉」。
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黒部ダム、および欅平から歩いて1日。
黒部峡谷・上ノ廊下のど真ん中にあります。

お湯は吉村昭の小説『高熱隧道』で知られるトンネルから。
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ものすごい蒸気で、しゃがんでないとサウナのなかにいるような状態に。

すぐ下には黒部川。
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高天原温泉ほどではありませんが、ものすごい山奥です。

欅平とのあいだは、このようなすごい道。
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落ちたら一気に数百m下の谷底に。
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見た目よりはかなり楽な登山道。たまに行方不明者は出ていますが、
普通に歩いていれば落ちることはありません。

最後に、今回の『ビーパル』では僕のリストに入れていませんが、ここもすばらしい。
鹿児島県・硫黄島の南海岸にある「東温泉」です。
周囲の海水も、温泉の成分で変色しております。
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なぜ、ここを第3位以内に入れていないかというと、
ここには数年前、まさに『ビーパル』の取材で行っているから。
なにも同じ雑誌の取材で行った場所を、再び紹介しても仕方ないと思いまして。

同じ硫黄島の北側には、「坂本温泉」も。
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このときはカヤックで島を1周したのですが、
この温泉には大胆にもカヤックで海から乗り付けたりして。
奥の隙間から小船ならこのスペースに入り込めるんです。

同じような写真だけど、もう一枚。
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奥のほうで水中に没していますが、
コンクリートの間仕切りがあるのがわかるかと思います。
ここに温泉がわいており、潮が引いているときはかなり暖かくなっています。
この状態だと非常にぬるく、あまり入った気になりません。
でも、海から漕いでいけるので、とても面白いのです。

というわけで、露天温泉特集にかこつけた、アウトドア風呂の話でした。



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2011年2月 9日 (水)

八重山諸島・西表島1人旅-2/無人の南海岸・前編

古見岳に登った後、人生3度目の西表島のジャングル横断に出るか、
それとも何か別のことをするか、考えてみました。
結局決心したのは、以前から歩いてみたかった島の南海岸を歩くこと。
そして、1泊できるだけの荷物と食料をまとめ、出発したのでした。
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キャンプ場で仲良くなった青年に「行ってきます」と一声かけ、
海岸へ通じる細い道を通り、南風見田の浜へ。

5分も歩くとこのような感じで、砂浜に岩が増えてきます。Img_0201
目的地は鹿川湾という砂浜。
片道およそ14~15kmくらいでしょうか。
昔は集落があり、今は無人の鹿川は
かつてこの島に流れ着いたという怪獣(一説にはワニ)がいた場所であり、
西表島にあった炭鉱の労働者があまりも過去な労働のために
命からがらで逃げてきたあげく全滅し、骸骨が転がっていた時代があったりと、
美しい場所らしいのですが、なんだか重い話も多い場所です。

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海岸は基本的にこのような感じ。
岩ばかり多くて歩きにくいこと、このうえありません。

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こういう場所では面倒くさいので浅瀬を歩き、足を濡らしながら歩きます。
1月だというのに、さすが南国。暖かいので、むしろ気持ちいいんです。

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こんな感じの奇岩もいっぱい。
砂岩が多いので、波に浸食されたり、風化しやすいんですね。

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天気はあまり安定せず、突然曇ることもありましたが、基本的には晴れ。
ただし、こう見えて風はかなり強いのです。
たまに飛ばされてきた砂が目に入ってきて、激痛が走ったり。
気温は22~23℃でしたが、乾燥も激しく、
歩いていると汗ががものすごい勢いで流れ、すぐにのどがカラカラに。
それなのに、Tシャツを脱ぐと、あっという間に乾燥してしまいます。

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ときどききれいなビーチが現れます。
一切、人間の痕跡なし。
というのも、南風見田の浜から西側には集落なく、
ひたすらに無人の海岸が続いているのです。
これほど長く無人地帯の海岸を歩ける場所は、日本でも数えるほど。
昨年の夏に歩いた知床を思い出しました。

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あるビーチで振り返ってみると‥‥
砂の上についているのは、自分の足跡のみ。
こういう光景、なんだかうれしくなるものです。

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このヤシの実はどこから流れてきたのか‥‥
西表島に生えていたものかもしれませんけどね。

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水が流れている場所も数ヵ所。
水質がよいかどうかはわかりませんが、
上流に排水を流す人家があるはずもなく、
僕は気にせずに生水をそのまま飲んでいました。

そんなこんなで、小さな岬や入り江をいくつも通り、
気楽に休みながら歩くこと4時間。
やっと遠くのほうに、オレンジ色の場所が。
あれは間違いなく、目的地である鹿川の砂浜。
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う~ん、とうとう見えるところまで進んできたか。
しかし、あそこまで行くためには、
クリアしなければいけない難所が控えているのでした。

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とりあえず、まるでなにかのステージのような岩の上で大休憩。
さて、鹿川湾までいけるのでしょうか?

(続く) 

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2011年2月 6日 (日)

『グッズプレス3月号』発売と、SOTO “ムカストーブ”

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昨日のことですが、『グッズプレス3月号』が発売されました。
大特集は「変革の新作×不朽の傑作」というもの。
僕はこのなかでアウトドアギア、もうちょっと具体的にいうと
バーナー(ストーブ)とテントを担当しました。

誌面ではわからないけれども、こんな感じでロケを行ったりして。
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今回紹介したもののなかで、とくにギア好きの方には興味深いと思われるアイテムが、
SOTOの“MUKA STOVE(ムカストーブ)”。
これまでの液体燃料系バーナーでは不可欠なプレヒートがいらず、
ポンピングだけ行えば、あとはそのまま点火できるという画期的な製品なのです。
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雑誌では、文字数の関係で詳しく紹介できなかったので、
ここでもう少しだけ補足すると、
本体重量は160g、自動車用ガソリン480mlで約1時間燃焼。
というか、1時間燃焼させるのに480mlが必要ということらしく、
燃料ボトルは700mlと1リットル(別売り)の2種があるようです。
出力は4000kcal/hと、昨年展示会で見たものよりスペックが向上していました。

燃料ボトルには圧力計がついていて、
ポンピング作業によって十分にタンク内に圧力がかかったか、一目瞭然。
まあ、ガスカートリッジ式とまではいかないけれど、
かなり点火までの作業が楽になっているというわけです。

収納時はこのようなスタイル。
直径6.5㎝、高さ8㎝という手の平サイズです。
Sod371_2
一見、MSRのドラゴンフライからパーツを落としまくったような感じ、か。
しかし、これはただ内側に折りたたんでいるのではなく、
それぞれのゴトクを180度半回転させて、コンパクトな姿にしているんですね。
つまり、この写真でいえば、ゴトクの足の部分が収納時には上に、
鍋を置く部分は下(床に触れたところ)になっているわけです。

上から見ると‥‥。
Sod371_3
直径は9㎝。ホースはかなり柔らかいものになっている模様。
そういえば、値段は税込みで1万7325円。
安いような高いような‥‥、つまり適正のように思えます。

と、ご紹介してはみましたが、実際に使ってみたわけではないので、
本当の実力はまだなんともわかりません。
この写真もメーカーの許可を得て使わせてもらっているだけで、
自分で撮影したものではないし‥‥
たぶん優れたものだは思うのだけど、
個人的には風防がないデザインが少々心配で、
どれくらいまで強風に耐えうるのか知りたいところ。
液体燃料バーナーこそハードな場所で使いたいし、
けっこう大きな問題なのです。
そういう意味では、実力がわからないので、
値段が適正かどうかも本当はわからないのですが。

日本発売は5月からですが、アメリカでは先行して3月発売とのこと。
ありがたいことに僕は日本発売前、
早めにサンプルを試用させてもらえることになったので、
もう少ししたら、もっと詳しいことを書けるかと思います。

しかしこれ、完成して製品化されたものとしてはかなり早い情報だと思うのですが、
雑誌メインのライターとしては、こうやってブログで紹介しちゃうと
紙媒体の意味が薄れるような気がして、いろいろと考えてしまいます。

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2011年2月 4日 (金)

八重山諸島・西表島1人旅-1/古見岳

もう戻ってきてから1週間近く経ちますが、沖縄本島からさらに南へ400キロ、
八重山諸島の西表島に行ってきました。
ここは僕が日本で一番好きな島で、このところ毎年のように通っている場所。
世の中では屋久島ばかり人気がありますが、西表島はもっといいのに。

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拠点としたのは、島の南側にある南風見田キャンプ場。
天気がイマイチで風も強かったので、木立の中にテントを張りました。
このキャンプ場、自由人たちがへたすると数ヶ月も滞在しているという
コアな旅人には超有名な場所ですが、
今回はこれから製糖工場やサトウキビ畑で働く予定の人、
またはその休みの期間にゆったりしている若い人たちが5~6人ほど。
ちなみに西表島の北側には星砂キャンプ場というものもあり、
僕は会社を辞めた後の無職時代、そっちに数週間泊まりこんでおりました。

さて、島へ到着した翌日、早速歩きに出かけます。
南風見田キャンプ場は道路のドン詰まりにあり、
いちばん近いバス停まで徒歩1時間ほど。
まずはそのバス停を目指し、タラタラ歩いていきました。
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途中のビーチでひとやすみ。
しかし、この季節はいつものことながら、曇りの日ばかり。
そんな天気のなか、牛が草を食っている姿を見ると、
それでも日本は平和なのだと実感します。
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で、バスに乗って島を反時計まわりに進み、
本来はバス停もない、登山口近くで下ろしてもらいます。
バス停どころか、登山口にも一切の表示はなく、
唯一の目印っぽいものは、このペンキのみ。
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車の侵入はダメだけど、人はよい、という意味なのでしょう。

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目指す古見岳はあの稜線の裏あたりにあるはず。
古見岳は標高469.5mしかありませんが、西表島の最高峰。
一般的な登山道とはいえないけれど、一応草木が伐採され、
ジャングルのなかに踏み跡以上のものはあるらしいのです。
なんでも、話をした島民の方によれば、
この山に登るのは島の子どもの恒例行事らしく、
そのために1年に1度は簡単な整備をするのだとか。

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当然ながらイリオモテヤマネコの生息地でもあり、
登山道とはまた別の「生息情報収集巡視路」も。

登山口から歩いて数分、早くも道は川の向こうに。
これから何度も繰り返される渡渉が始まります。
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1月だというのに沢の水は温かく、ジャバジャバ歩いていると気持ちよいほど。

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う~ん、いかにも亜熱帯のジャングル。

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やっぱり亜熱帯ですねえ。

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いやはや亜熱帯。
ちなみにこの平たい根っこは「板根」といって、
昔は切り出してまな板に使っていたらしいです。

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風景ばかりでは寂しいので、旅の相棒のグレゴリー“セラック”を
人間代わりの被写体に。
こいつは昨年の槍ヶ岳・北鎌尾根以来の活躍かな。

沢を歩くこと1時間半、そしてやっと稜線への道を登りはじめます。Img_0121
遠くには大きな滝の姿。

振り返ると海が広がり、ぽっかりと浮かんでいるのは小浜島。
かなり前、NHKドラマ「ちゅらさん」の舞台になった島ですね。
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数年前には、小浜島の最高地点にも行ってみたことがあったっけ。
それにしても、天気がよければ、海の色は透明感のあるブルーで、
そこに珊瑚礁がグリーンのアクセントをつけているのが見えるはずなんだけど。

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この亜熱帯ジャングルの道で、唯一、道しるべとなるのが、こんな林野庁のテープ。
下ばかり見て歩いていたら、イノシシなどが作った獣道なんかに
おそらく入り込んでしまい、簡単に遭難してしまうでしょう。
僕のようにひとりで歩いている人は、とくに注意しないと。

もうちょっと先に進むと、やっと古見岳の姿が。
手前の2つの山の間の奥にある、小さなピークが古見岳なのです。
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いったん稜線から谷間に下り、再び沢沿いに標高を稼ぎます。Img_0143
こんな極小の滝のそばにはロープが張ってあり、
ちょっとだけ歩きやすくなっていたりして。

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う~ん、島の奥まで入り込んでも、当然ながら亜熱帯!
‥‥などといいながら、笹に覆われた道を歩いていくと、突然視界が開けた場所に。
おそらく、ここが山頂でしょ?
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おお、歩いてきた方向がすべて見える!

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北側もいくらか開けていて、そっちにはリーフに囲まれた鳩間島の姿が。
肉眼だともっときれいに見えるのですが、適当に撮影した画像ではこの程度。
まあ、なんとなくわかるでしょう。
それにしても、快晴だったら、ものすごく美しい光景であるはず。
こんな高い場所から珊瑚礁の海を見られる場所なんて、日本にはほとんどないのだから。

ふと足元を見ると、なんとイリオモテヤマネコが。ほぼ原寸大?
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体には「古見岳」の文字。ここはやっぱり山頂だったんですね。
しかし、この石をここまで運び上げた人、大変だったでしょうね。

山頂では1時間ほどぼんやりと過ごし、お茶とカレーパンで昼食。
だけど強風のためにだんだん寒くなってきて、下山することに。
ここまで登ってくるときは半袖&ショートパンツ&薄いタイツなのに、汗だらけ。
この汗が冷えてくると、さすがに気温20℃弱の南の島でも寒さを感じるわけです。
といっても、雪山に比べれば、天国のよう。
本州もまた、さっさと夏になっていただきたいものです。

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帰りは同じ道を引き返すだけ。
また何度もこんな川を渡渉していきます。
途中の淵では、水中に超巨大テナガエビを発見。
それはアメリカザリガニのような存在感があり、
僕の人生で見たテナガエビのなかでも、ダントツに最大。
深い場所なので、捕獲はおろか、写真撮影すら不可能なのが悔しいところ。
今度はキチンと用意していって、あんな巨大なヤツを捕まえてやるぞ。

下山中には子連れのイノシシに出くわし、あやうくぶつかりそうになるトラブル未遂。
先方がまさに猪突猛進で逃げてくれたので、一難を逃れました。
しかし、登山口まで戻ってくると、
いつのまにかタイツをはいていた足がたいへんなことに。
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数種の草の種がくっついてきて、その数は100や200どころではないのです。
こいつらを取り去るのに、たぶん1時間以上はかけたような。
とほほ。
ともあれ、こんな感じで、古見岳へのひとり日帰り登山は無事完了。

そして再びバスに乗り、キャンプ場にいちばん近いバス停へ。
面倒くさいけれど、そこからまた1時間かけてキャンプ場まで歩いていきます。
でも歩いたからこそ、出会えるものもあるわけで。
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こちらはヤエヤマオオコウモリ。
相当近くまで寄って観察したのだけど、逃げる気配なし。
小さなネコくらいの大きさはありましたよ。

というわけで、西表島の話はまだ続きます。

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