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2011年6月25日 (土)

「小笠原諸島」が世界遺産に登録されますね

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小笠原諸島が、世界”自然”遺産に登録されることになりました。
観光であれ、なんであれ、これで無用な開発はできなくなるだろうから、
めでたいことだと思います。

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ここで使っている写真は、2005年に僕がプライベートで旅してきたときのもの。
帰宅後、なぜか画像を大量消失してしまったので、
わずかに残されているものから選んだだけ。
だから、ぜんぜん小笠原の魅力は伝わらないと思いますが、ご了承を。

東京を船で出て25時間後、到着するのが父島の二見港。
市街地の写真はないですが、東京の郊外の住宅地と
ほとんど変わらない普通すぎる町の様子に驚きました。
たしかにここは東京都の一部で、品川ナンバーのクルマが走っているのだけど。
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上の写真のビーチは、その町の中心部の真ん前にあり、
僕は持参したフォールディングカヤックを持ち出して、ここから漕いでいました。
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小笠原には1週間ほど滞在していたけど、あまり天気はよくなくて、
カヤックをこいだのは3日間くらいだけだったなあ。

晴れているときには、父島南西部にあるジョンビーチまで歩いたりも。
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こちらは父島のすぐ隣にある南島。
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この場所の写真、よくメディアに登場していますね。
この南島は、環境を守るために入島制限がされているけど、
父島から取材に行きやすくて、キャッチーな写真が撮れるからでしょう。

この島の砂浜にはやたら貝殻が落ちてました。
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いや、正確にいうと、たんなる貝殻ではなく、化石。
しかも、貝ではなく、カタツムリ。ヒロベソカタマイマイ、という名前でした。
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これ、1000年も前に絶滅したものだとか。
それが昨年死んだもののように、ものすごくきれいに残っているんですね。
本当はお土産に持って帰りたかったけど、もちろん自制しました。

ところで、貴重といわれる小笠原の生態系。
たしかに他の場所に比べれば、圧倒的にスゴいのは間違いがないこと。
だけど、グリーンアノールという外来種のトカゲなんかがやたらといるし、
僕が旅したときは、貴重な植物を大量に食ってしまう
野生化してヤギを銃をバンバン撃って駆逐していました。
観光客が少しでも少ない日をを見計らっているのか、
週に1度くらいしか島にこない旅船が港にいないタイミングで、
銃声がアチコチから聞こえてきたりするんです。
外来種といえば、植物もひどくて、地面の植生がひどく変わっていました。

僕が現地で仲良くなったレンジャーの方に話を聞いたとき、
その人の当時の見解では、「あまりにも外来種が入りすぎていて、
少なくても父島には世界遺産の価値はない」というもの。
東京で別の研究員の方に聞いたときも、だいたい同じような意見でした。
しかし、せっかく世界遺産に登録されるのなら、
これをいい機会というか口実に、もっと環境保全と修復が進むといいですね。
本来、「世界遺産」なんて形容詞をわざわざつけなくても、
いい場所はいい場所だし、ダメな場所はダメな場所。
あまり権威とは関係のない気分で、自然を楽しみたいものです。

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そういえば、山のほうも歩いたけど、画像はほとんど消滅。
こんなヒドい写真が残っているくらい。
わざわざ父島から移動していった、母島の写真もロクなものが残っていないし、
毎日のように釣り上げて食ったブダイ系の魚の写真もなし。
宿泊していたトレーラーハウスもなし。
ああ、写真が消えてしまうと、ショックがデカいですね。

帰りの船から。
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横を併走している船には、見送りの人たちが乗っていて、
別れる間際、船の上からわざと海の中に飛びこんだりも。
離島好きの人はご存知だと思いますが、
こういう「船で追いかける⇒海に落ちる」って、お決まりの風景ですね。
でも、すごくベタなんだけど、なんだか悪くない、という。

奥の岬の上にある展望台には毎日かよって、
ひとりで夕日が沈む海をながめていた記憶が。
ロマンティックな気持ちになりたかったわけではなく、
海の波と風の様子を見て、明日はカヤックでどこまで漕げるだろうか、
と判断するための実利的な面がほとんどだったのですが。
まわりにいた若い男女は、けっこうへんなムードに浸ってたけど。

下の写真の中央は、父島と、その北にある兄島との海峡。
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僕は夜に、そこでイカを釣っているうちに
足を岩で怪我してしまい、今もその跡が足首に残ってます。
そんなことと次元が違う話では
アメリカのブッシュ元・大統領(パパのほう)は、
太平洋戦争のときにこのあたりで撃墜され、この海峡の奥のほうに落ちたはず。
で、何日も海上を漂流してから助けられたそうです。

ちなみに、当時の小笠原(住民は疎開させて、軍が全域を徴収)では、
殺したアメリカ兵の人肉を日本兵が食うという
「小笠原事件」というものが起きています。
少し離れているけれど、西には激戦地の硫黄島もあります。

それに、もとからの小笠原は日本領ではありますが、
初めに暮らし始めたのはハワイのほうからやってきた
ポリネシア系の人たちといわれ、その後に、ヨーロッパ/アメリカ系の人たち、
日本人がまともに住み着いたのは、いちばん最後のほう。
小笠原は別名というか英名が「ボニン・アイランド」だけど、
これって日本語の「無人(むにん)」島のことですからね。
日本領とはいえ、日本人は誰も住まなかった時期が長かったということ。
そして今も住民の中には、ルーツが日本にある人だけでなく、
西欧系などにルーツを持つ人も多いんです。

このあたりのこと、諸説含め、詳しく書くとキリがないので、ひとまず終了。
興味がある人は自分で調べてみるといいかも。
ともあれ、貴重な生態系が残っていて、きれいなばかりではなく、
ここにはいろいろな歴史があり、さまざまな事件が起きていることも
知っておいたほうが、より小笠原のことがわかると思います。
今も、空港建設などの難しい問題がありますし。

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だいぶ前になるけれど、こんな感じの旅でした。
今もそう大きくは変わらないことでしょう。

さて、この小笠原、非常によい場所なんですが、
僕には決定的というか、致命的な欠点があって。

それはテント泊が禁止されていること。
以前、この島に流れてきたキャンパーたちが島民に迷惑をかけたり
島を荒らしたからのようですが、ともあれ、禁止は禁止。
だから僕もこのとき、カヤックを漕いでも、どこかの浜でテントを張るわけに行かず、
毎日集落に戻っては、トレーラーハウスに寝泊りしていました。山を歩いても同じ。
観光業が島の大きな産業だから、お金がかからないテント泊は‥‥、
という理由もあるのでしょう。
しかし、これではやっぱり面白くないんですよね。

プライベートでは、もう行くことはないだろうな。
でも仕事として頼まれれば、喜んでいかせてもらうだろうな。
そういう気持ちになる、微妙な島々なのです。

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