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2011年6月10日 (金)

「雲ノ平山荘」と2冊の雑誌

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こちらは2年前の「雲ノ平山荘」。
名前のとおり、北アルプス最奥の地のひとつである、雲ノ平にありました。
だけど、老朽化のために、この写真を撮ってから1ヵ月もしないうちに解体。
そして昨年からは、作り直した新しい小屋で営業を始めております。
この古い建物もよい味を出していたのですが、新しい小屋はすばらしいの一言。
いつもはテント泊の僕でも、一度は泊まってみたくなるほどなんです。

その新しい小屋も写真で見せたいところですが、
昨年、雲ノ平に入り、この小屋に到着したときは、けっこうな雨。
写真など撮ってる場合じゃなく、挨拶と入り口付近の内装だけ拝見し、
ありがたいことに温かいコーヒーをごちそうになって、
その後は10分くらい離れた場所にあるキャンプ地へと向かいました。

雲ノ平山荘の建て直しについては、
この山荘に加え、三俣山荘と水晶小屋を経営する伊藤正一さん、
そしてその長男で水晶小屋のご主人の圭さんから話を聞いていました。
ちなみに、雲ノ平山荘のご主人は、次男の二朗さん。

そんな雲ノ平山荘なのですが‥‥。

先日、僕の自宅に到着したのが下の雑誌。
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広島にある白鳳堂という「筆」を作っている会社が
発行している『ふでばこ』という季刊誌です。
この白鳳堂、じつはあまり知られていませんが(とくに男性)、
伝統的な毛筆のほか、メイク用の化粧筆では世界的に有名な会社。
会社名こそ筆に明記されていなくても、日本はもちろん、ヨーロッパやアメリカの
とんでもなく有名なコスメメーカー各社にOEMで製品を供給しているんですね。
そのコスメメーカーの数々、僕は知っているのですが
会社の契約上、外部には公開されないことになっているそうです。

この白鳳堂を僕は取材したことがあり、そのときの縁で、
その後もこの『ふでばこ』を送っていただいているのですが、
その最新号で発見したのが、以下のページ。
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なんと、10ページにわたる「雲ノ平山荘物語」。しかも連載らしく、これが第1回目。
検見崎まことさんという方が原稿を書いているのですが、
その検見崎の写真がまたすばらしいんですね。
というか、僕が知らなかっただけで、本職は写真家‥‥。さすがです。

このなかにはいろいろな話が書かれていて、すべて面白いのだけど、
とくに僕がじっくり読んでしまったのが、材木に関する話。
二朗さんが木材を探しに東北や能登にまで出かけていたことや、
僕もご本人から直接聞いた、高瀬ダムに流れ着いた生木を使った
コメツガの大梁(現在の小屋で存在感)のことなどがよくわかり、
非常に興味深い内容になっています。
ライターとして、僕もこういう仕事を今後やりたいものです。

この『ふでばこ』、都内の大手書店ではときどき売られているものの、
一般的にはほとんど目に触れることはないでしょう。
しかし定価1800円と、ちょっと高価ですが、
白鳳堂のホームページから購入可能できるようです。
ちなみに、アマゾンではバックナンバーは買えるのに
なぜか最新号はいまのところ扱っていないようで。
ともあれ、山好きの人には絶対に読んでもらいたい内容です。

と、『ふでばこ』の記事に感心していたところ、
その数日後に、別途送付されてきたのが、下の雑誌。
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年1冊くらいのペースで発行されている、三俣山荘便り『ななかまど』。
この小冊子を作っているのは、三俣山荘事務所。
つまり、雲ノ平山荘を経営している伊藤さんの一家。
だから、編集&執筆も、基本的には伊藤家のみなさんなのです。

この『ななかまど』も以前、伊藤さんを取材した縁で
その後、送っていただくようになったもの。
これが毎回、ものすごく面白い内容で、
山に生きる人ならではの視点と知識がちりばめられており、
僕のような普段は街に住んでいるライターにはとても書けない話ばかりです。

で、その最新号を開いてみると‥‥
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今度は二朗さんが書いた「雲ノ平山荘新築工事」の話が!
しかも、こちらも10ページの大ボリューム。

話の内容は『ふでばこ』と重なる部分はあるのですが、
『ななかまど』では、小屋と直接関係する当事者としての話。
なぜ、雲ノ平山荘を建て直すことになったのか、
どのような小屋にしたかったのか、など
小屋の主としての気持ちがダイレクトに伝わってきます。
いやはや、こちらも、すさまじく面白いんです。

この『ななかまど』は、三俣山荘でも販売されており、
僕もこれまでにバックナンバーを何冊も買いました。
山中のことなので、防水バックに入れて、バックパックになかにパッキング。
それから数日も山の中を歩いて、下界まで下ろした記憶が。
でも、三俣山荘のホームページから購入可能。
お値段は、送料別で380~680円です。

この『ふでばこ』と『ななかまど』、合わせて読むと、
相乗効果でさらに雲ノ平山荘のことがよくわかります。
雲ノ平周辺に興味がある人は、ぜひご覧を。
まったくアウトドアではない雑誌、反対に山岳雑誌以上に「山」である雑誌、
こんな2誌で雲ノ平山荘のことが読めるとは。
本来のメジャーな山岳/アウトドア雑誌が取り扱ってもいい内容なのに。

ところで、水晶小屋の圭さんから先日連絡があり、
今回の大震災にあたり、チャリティ手拭いを製作し、
今年の夏は各山小屋で販売するという話を聞きました。
東北出身の僕としては、ありがたい限りです。
今年、雲ノ平近辺に行く予定の方は、ぜひチェックしてください。

また、圭さんは山岳写真の賞を得るほどカメラの腕がすばらしいのですが、
その写真と自身の詩を組み合わせ、大震災をモチーフにした作品も製作しています。
なかなか重厚な雰囲気になっており、見ごたえがあります。
ここで勝手に紹介することはできないので、
どこかのメディアで披露できるといいのですが‥‥。

というわけで、今年も僕は行く予定の「雲ノ平」に関係する話でした。

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コメント

お疲れさまです!
前から疑問に思ってましたが、山小屋を建てる時に、建築資材はどうやって。。。?

やっぱヘリなんでしょうか?

古い山小屋は人力?

大工さん達はテント泊?
いつも友達と山に行くとその話になります。

雑誌などでもよく目にするんですが、こんな場所に山小屋が!!
というような、すごい場所に山小屋が建ってますよね!ほんと建てた職人さん尊敬してます☆


そういえば、テント泊してるみなさんは、
夕食や朝食食べた後のクッカーの処理はどうしてるんですかね??

投稿: カミナリおやじ | 2011年6月11日 (土) 00時17分

カミナリおやじ様

現在の建築資材は、ほとんどヘリコプターで運んでいるようですよ。
もっと昔は、すべて人力で。
三俣山荘を作るときも、重いものではそれ単体で130キロ近い製材機や梁を
歩荷といわれる人たちが担ぎ上げたと聞きました。
ヘリの運賃にせよ、人力の賃金にせよ、
物資を運ぶためのお金がたくさんかかって大変のようです。

ちなみに、雲ノ平山荘を作るときの「宿」は、
これらの雑誌によると仮設プレハブだったとのこと。
昔の小屋の建設ではテントで野営もしたようです。

最後に、クッカー。
山ならば、普通は持参したトイレットペーパーで拭くくらいなのでは?
水が豊富なところでも、環境のことを考えると、やはり洗いはしませんし。

状況にもよりますが、僕は面倒なので、夜メシを食った後はそのまま。
その汚れたままのクッカーで朝メシを作り、
出発前にペーパーでふき取ります。
多少味は混じるけれど、一晩くらいでクッカーについた
食べかすが腐るわけではないから、気分の問題だけ。
そんな感じですよ。


投稿: 庄太郎 | 2011年6月12日 (日) 20時21分

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