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2011年9月 2日 (金)

毎年恒例、北海道/知床の旅(知床岳 編)

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夏はあまりにも山に行っている期間が長いために、
ぜんぜん詳細をアップしていませんでしたが、
7月末に行ってきた知床の旅のご紹介です。
(仕事ではなく、プライベートなのですが、
あとになって、少しだけこのときの話を雑誌に書くことにもなりました)。

知床へ行くのは、これで何回目になることか。
海を漕いだのは、たしか7回。山を歩いたのも、たしか7回。
普通の旅や取材で訪れたときのことを含めれば、
おそらく20~25回は、この地に行っているはず。
それだけ魅力のある場所なんです。僕にとっては、日本一。

上の写真は知床半島の稜線上から見た、北方領土・国後島。
ハイマツの向こう、雲海の向こうに、山頂部分だけがぽっかりと浮かんでいます。

さて、出発は羅臼側の集落・相泊。
ここで道は切れ、あとは歩いていくしかありません。
目標とする場所は、知床岳。登山道はなく、あるのは踏み跡のみ。
僕は昨年、知床岬まで歩き、同時に知床岳も登ろうとしましたが、
悪天候のために断念していました。
今回は、リベンジを果たすための山行になるわけです。
ちなみに、その昨年の模様は、『PEAKS 8月号』でも紹介しています。

出発地点からずっと、道中にはエゾジカがうろうろ。

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はじめのころこそ写真に撮りますが、あまりにいすぎるので、
すぐに写真なんか撮らなくなってしまいます。

知床岳へはウナキベツ川の沢沿いに、道なき道を歩いていきますが、
その前に通過しなければならないのが、こんなゴロタ石の浜。
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浮石ばかりなので、非常に疲れます。

初日は出発が遅かったので、山のなかまでは入らず、海岸近くでテント泊。
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いっしょに行った森山伸也、および大森千歳がなにやらぼんやりしております。

翌日は、こんな感じで森の中を歩いていきます。
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ケモノ道が縦横に走り、どこを歩けばいいのか、非常に難しいルートです。

この日のキャンプ地になる青沼という場所に到着すると、
必要な荷物以外を巨大ドライバッグに入れて、木に吊るしました。
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もちろん、ヒグマに荷物をいたずらされないように。
で、サブバッグのみの身軽なスタイルで、再び知床岳を目指します。

道中、休憩した場所で立派なエゾジカの角を発見。
それを頭にあてがうヤーマンこと森山伸也。
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やっぱり、こういう角はシカのほうが似合います。

崩れやすい崖のエッジを伝いながら、さらに標高を上げていきます。
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周囲にいるのは、我々のみ。あとは多数のヒグマと、無数のエゾジカ。

急斜面を登りきると、ポロモイ台地と呼ばれる平坦な場所に。
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ほとんどの部分がハイマツに覆われていて、
このような開けた場所はほとんどありません。
エゾジカにも居心地がよい場所らしく、シカの踏み跡が道のようになっていました。

そして到着したのが、知床沼。
昨年は悪天候のためにここで断念したという悔しい場所。
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昨年は沼の大きさがわからないほど重いガスにつつまれていましたが、
今回は非常にクリアな状態。
ああ、知床沼って、こんな大きさだったんだ。
魚はいませんが、おたまじゃくしがウヨウヨ泳いでましたよ。
この写真でいうと、知床岳は中央奥で、
手前の山に半分隠れている場所になります。

知床沼を出発し、最終目的地の知床岳(標高1254m)へ。
本日は海から出発しているので、それだけの高さを登らねばいけません。
北アルプスや南アルプスなんかでは稜線に出るために
1日でそれ以上の標高を登ることも珍しくありませんが、
この知床岳よりはずっと楽な気がします。
というのも‥‥
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こんなヤブのなかを延々と進まねばならないから。
とにか歩きにくくて体力は消耗するし、松脂で手はベタベタになるし、
ショーツの生地はボロボロになるし、タイツは10cm近くもやぶれちゃうし。
知床の山中のヤブ漕ぎは大変なのです。

崖下をのぞいていると、数百メートル下のほうに、黒い物体を発見。
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むりやり写真に撮ってみましたが、ヒグマであります。
これだけ離れていると襲われる心配はなく、安心して観察できます。
といっても、ちょっと遠すぎたけど。

ヤブのなかを歩き、ときに道を失いながらも、やっと知床岳の全貌が。
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ヤブは相変わらずひどそうだけど、あと1時間半ほどで、山頂に着けるはず。
‥‥なのですが、じつはここで断念することに。
昨年よりはだいぶ先に進んだけど、またしても登ることはできず。

断念した大きな理由は、時間不足。
まだ昼過ぎだったのですが、ここから山頂への往復時間と
キャンプ地まで戻る時間をあわせて考えると、無理なように思えました。
僕たちはこの日、海岸から出発していましたが、
そこからだと、たとえ荷物の大半をデポして身軽になっていたとしても
その日のうちに山頂へ往復するのは、もともとギリギリなんですね。
僕たちはけっこう歩くのは早かったのですが、ヤブ漕ぎに時間をとられ、
しかも写真を撮りつつ、周囲の景色を楽しみながら歩いていたため、
無駄に時間を食ってしまっていたのでした。
気合を入れて、ただひたすら山頂だけを目指していたら、
成功していたようにも思われます。

また、もうひとつの大きな理由は、ヒグマの存在。本州ならば、場合によっては
夕方近くにキャンプ地に戻るスケジュールも考えられるのですが、
このヒグマ生息密度が世界トップではないかといわれる知床では、
ぜったいに日暮れどきの山中行動はしたくなかったのです。
デポしたギア類はキャンプ地で木の上に吊るしておいたし、
食糧のすべては持ち歩いていたとはいえ、ヒグマの恐怖はついて離れません。

そんなわけで、潔く撤退開始。
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数時間前までいた知床沼まで、まずは向かいます。
そこからポロモイ台地のハイマツ帯を抜け、急斜面を下山していきます。

すると‥‥。先ほど登っているときに
休憩した場所(ヤーマンがシカの角を頭にくっつけていた場所)の目と鼻の先に
なにやらこんもりとした黒いモノが。
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その黒色物体を写真に撮る、ちーちゃんこと、大森千歳。
あまりに熱心に撮影しているので、感心します。
だって、これ、ヒグマのフンなんですから。
しかし、行きのときにはなかったのに、
帰りにはこんなのがあるのだから、数時間のうちにヒグマがここを訪れ、
巨大なフンを残していったということ。
ヒグマはやはり、いつも近くにいるんです。

さっさと撤退を決めたために、青沼ではゆっくりとした時間が。
ヤーマンはまたぼんやりと日光浴をし、
ちーちゃんはヒグマを寄せないために、「おーい」という大きな声を発しながら、
撮影のために池の対岸へ。
僕は甘い紅茶をたっぷりと作り、思う存分味わっておりました。
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ここの水はきれいでそのまま飲めそうですが、
寄生虫であるエキノコックスが怖いために、煮沸して飲んでいました。
北海道の悲しい点は、冷たい沢の水をそのまま直に飲めないことだと思います。
アイスティーにできたら、僕が作った紅茶も、もっとうまかったのになあ。

メシはいつものようなメニューで、この日は「肉ダンゴ丼」。
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この肉ダンゴは、一袋180円くらいのレトルト。
しかし、僕の真似をして同じような肉ダンゴをスーパーで買った
ヤ-マンとちーちゃんが選んだのは、一袋200円以上もするもの。
僕よりも何十円か高い肉ダンゴを平気で買うなんて、
この2人はアウトドア・セレブなのでしょうか?

3日目は青沼から、再び海岸へ向かいます。
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写真が小さくてわかりにくいですが、ちーちゃんのバックパックには
昨日拾ったシカの角がつけられています。
これ、結局、自宅まで持ち帰ったのかなあ。

海に出てからは、知床岬方向へ。
本当は相泊に戻ることもできたのですが、
せっかくならば、もう少し先の海岸でキャンプしようというわけです。
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しかし、そのためにはこんな岩場をへつっていかねばなりません。
気を抜いて滑ったら、当然のように冷たい海のなかへ落ちちゃいます。

知床の海岸は引き潮でなければ歩けない場所も多く、
微妙なタイミングでそんな場所に突入してしまうと、こんな事態に。
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これでもブーツのなかは濡らさないで進めているので、まあギリギリ。
同じ岩場でも、最終日となる翌日は、
もっと潮が引いており、難なく通過できましたよ。

そんなわけで、3泊目は化石浜と呼ばれる海岸でキャンプ。
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強風を避けて、岩陰にテントを張りました。

夕方になって、知床岬の方向を見ると、こんな風景。
海上で尖っているのは「剣岩」で、ここからもっともっと遠くには、
知床岬先端が待っているのです。
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この後、僕は2人と別れ、知床岬を一周するシーカヤックのツアーに参加しました。
その模様も、すぐにアップする予定です。

あ、それと、この知床岳の話は、ヤーマンもブログで紹介しているようです。
当たり前なのだけど、似たような話、似たような写真になっていますが、
興味がある方はそちらもご覧ください。

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