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2011年10月27日 (木)

北アルプス/ザラ峠~五色ヶ原~黒部ダム

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黒部峡谷(高熱隧道)の取材を終えた僕は、カメラマンさんと黒部ダムで別れ、
湖畔にあるロッジくろよん近くのキャンプ地へ。
翌日ひとりで山を歩くために、北アルプスに居残ることにしました。

目的地は、立山連峰と薬師岳のあいだにある溶岩台地・五色ヶ原。
北アルプスの秘境として知られる雲ノ平を少し小さくしたような雰囲気があり、
非常に気分がよい場所であります。
上の写真が五色ヶ原ですが、北アルプスの稜線の一部とは思えないほど、
広々としています。昨年北アルプスを1週間歩いたときにも通った場所で
今回はロッジくろよん から立山ロープウェイで室堂まで移動し、
龍王岳~ザラ峠~五色ヶ原~黒部ダムと、1日で歩く計画にしました。
テントは、ロッジくろよん近くのキャンプ地に張りっぱなしにして、
身軽な状態でぐるっと1周するコース取り。日帰りっぽい山行です。

そんなわけで、出発はいつもの室堂。Img_4233a
9月初旬の“立山黒部アルペンフェスティバル”のときとは違い、
観光客も少なく、秋山の気配が濃厚です。

室堂から浄土山を経て、龍王岳。Img_4250a
山頂にはそこそこ多くの登山者の方々がいらっしゃいましたが、
ほとんどの人は一ノ越の方向に下っていき、
僕のようにザラ峠から五色ヶ原に向かう人は少数でした。

立山連峰の主峰・雄山。

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左下にある一ノ越山荘から右に延びている線は、東一ノ越を経て、
黒部ダムに下る登山道。今年、女優の杏さんといっしょに歩いたルートです。
そのときと比べると、山がすっかり秋になってしまったことがわかります。

西のほうを見ると、立山カルデラ。
この谷の奥には、今となっては廃墟となっている立山温泉があります。
映画『剱岳~点の記~」では、登山前の拠点として描かれている場所ですね。
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当然ながら登山道もあったのですが、もはや廃道。
しかし、このコースに挑戦する人は今もいて、僕もひそかに狙っていたりします。

で、その立山温泉から続いていた道が稜線に達するのが、ザラ峠という場所。
下の写真でいうと、いちばん低い地点です。
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ここは戦国武将・佐々成政が、豪雪のなか、
長野側に渡るために使ったといわれているルートの一部です。
そのときのことは「さらさら越え」などといわれ、伝説化された逸話になっています。
‥‥この話、前にもここで書いたことがあるような。
あ、昨年の針ノ木岳の山行のときですね。
そのときのコースと、今回のコースをあわせると、
「さらさら越え」の主要部分(通過が難しかった部分)になります。

今はこんな道標があるだけ。
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だけど立山温泉の方向には踏み跡があり、当時のことを偲ばせてくれます。

ザラ峠から南に少し上がっていくと、やっと五色ヶ原。
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初夏あたりは高山植物が咲き乱れ、陳腐な言葉を使えば、地上の楽園。
中央には五色ヶ原山荘が立っています。

下は、五色ヶ原のキャンプ地。
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背後には僕が好きな山、針ノ木岳がそびえております。

それほど天気はよくないものの気温は温かく、
五色ヶ原でのんびりできれば最高でしたが、じつは意外なほど時間がなく、
すぐに五色ヶ原を出て、黒部ダムへ向かって下りて行くことに。
今回、僕は立山ロープウェイの始発に乗ったのですが、
最終のトロリーバスで扇沢に向かうにしても、
コースタイムの目安の6~7割で歩かねば、帰れない計算だったのです。

黒部ダムへ下りて行く道の左右には、さまざまな実が。
よく見られるクロウズコ(ブルーベリー)も大量にありましたが、
このルートで目立ったのは、こいつ。
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これはシラタマノキの実。英語でいうと、スノーベリーです。
なかなか甘い実なのですが、湿布のような香りがして、好き嫌いが分かれるところ。
いや、ほとんどの人は嫌いなのではないかと思います。

けっこうな急斜面を下りて行くと、刈安峠。
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ここからは道の雰囲気がガラリとかわり、急に歩きやすくなります。
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ほとんどが幅1m近い、ゆるやかな道。
昔はこのルートを使って、富山側と長野側の物資や人が行き来していた、
古い「街道」なので、古くから整備しきってあったからでしょう。

ダムまで下りると、平ノ渡場に浮かぶ小さな船。

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昨年の針ノ木岳の山行のときは、この船に乗ってダムを渡りました。

ダム湖に沿ってつけられた登山道を進み、あとはロッジくろよん のキャンプ地へ。
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このハシゴのつけられ方、昨日まで歩いていた黒部峡谷と似ています。
ちなみに、先日の地震で黒部峡谷の旧日電歩道の一部が崩れましたが、
このダム湖沿いの道もかなり傷んでしまったようで、補修が必要とのこと。

延々と登山道を歩いていくと、細長い入り江の反対側に
ロッジくろよん の青い屋根が。
近そうに見えて、あと1時間弱もかかるのがツラいところ。
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とはいえ、無駄なく歩いたために、室堂を9時半という遅めの時間に出たわりには、
かなり早い15時半にはキャンプ地に到着し、テントを撤収。
ダムサイトで焼きそばなどを食ってから、扇沢へと向かったのでした。
この山行をもって、やっと9月の山行は終了。

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