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2011年11月29日 (火)

北アルプス/穂高連峰・ひとり歩き(前編)

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すでに1ヶ月前、10月の終わりに、ひとりで穂高連峰に行ってきました。
今年は雪がなかなか降らず、その時点でもまったく積雪はなし。
しかし、前穂高岳から奥穂高岳へいたる道にワラワラといた雷鳥は
すでに半分以上も羽の色を白く変えており、
もうすぐ雪が積もって本格的な冬になることを伝えておりました。
蓮華岳で見た雷鳥と比べても、保護色が冬らしくなってますね。

出発は今年の夏山のはじめでもあった上高地
8月の南岳~槍ヶ岳にもここから登りました。

まずは岳沢を登っていきます。
この岳沢、上高地からは下の写真以上にものすごく目立つ場所なのですが、
意外と歩いたことがある人は少ないようで。
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だけど、出発時点ではかなりの雨。
予報では次第に天気はよくなるとのことでしたが、
どこもかしこも暗い雰囲気で、気分が重くなります‥‥。

ひさびさの岳沢への登山道。
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このあたりまでは河童橋付近から木道が続いております。
とはいえ、雨に濡れた木は滑りやすく、スピードが出ません。

雲が薄くなり、若干明るくなったタイミングで、上高地方向を撮影。
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紅葉も終わりかけで、非常に寂しげです。
できれば、夏のうちに来たかったなあ。

たんたんと登っていくと、岳沢小屋の姿が。
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以前は岳沢ヒュッテという名前でしたが、雪崩で破壊されてから
再建されるときに、名称を変えています。

あと数日で小屋を閉めるというタイミングだったので、
小屋のみなさんはとても忙しそうでした。
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今回、タオルを忘れていた僕は、手ぬぐいを購入。

これから登っていく方向は、いまだ雲のなか。
空に青い部分がわずかにあることに、少しだけ期待。
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とはいえ、「今日はこんなものでしょう」というのが小屋の方の言葉。
僕は「これ以上ひどくならないなら、我慢の範囲内」と思いながら
前穂高岳へと向かいました。
ちなみに、ここから前穂への道は、急登で知られる「重太郎新道」であります。

岳沢パノラマという場所で、待つこと数分。やっと撮影できたのが、こんな写真。
寒々していますねえ。
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前にも後にも、僕以外、誰も歩いている人はおりません。

いくつかのピークに分かれた明神岳。
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この山は、上高地の明神から迫力ある光景を眺められますが、
こんな重太郎新道から見た明神岳のほうがカッコいいですね。

険しいはずの重太郎新道も、ガスのなかでは印象がイマイチ。
周囲を眺めたくても、眺めようがないので、ドンドン登っていってしまいます。
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上の写真は、これでもガスが薄くなったときに撮ったものであり、
歩行中の周囲はほとんど真っ白でした。いやはや。

しかしガスがより薄くなったときには、西穂高岳方面がこれくらいは見えました。
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西穂の山頂がどこにあるのかは、まったくわかりませんが。

さらに。
岳沢小屋から2時間ほど歩いているうちに、
上空の「青」の分量はもっと増えてきました。
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でも、前穂の山頂は、やっぱり現れていません。トホホ。

雨自体はいつのまにか止み、岩の上も湿っている程度。
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風はそこそこあり、気温は8℃程度でしたが、僕はレインウエアを脱いで、Tシャツに。
けっこうな高速で歩いていたので、それでも寒くはありませんでした。

この日、もっともガスが薄れた瞬間。
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岳沢の全貌がやっと見えました。いくぶんかの満足感。

重太郎新道を登り切ると、前穂と奥穂の分岐である紀美子平に到着。
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この場所、他の登山道ならば、「平」という名前がつくはずもない狭さですが、
岳沢から前穂へのルート上では、貴重な広めの場所なんですね。

荷物を紀美子平にデポして、前穂の山頂に往復。
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1500mの上高地から3090mの前穂まで、標高差1600m程度を
4時間少々で登ってきたため、僕には珍しく、わずかに高所障害的な症状が。
いつもよりもいくぶん息が荒く、頭も痛いような、痛くないような、微妙な感じに。
一瞬心配になりましたが、少しするといつのまにか治っていました。

山頂から北に少しだけ進むと、難ルートで知られる北尾根の末端。
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ガスがかかっているので、岩場も何もわからないんですけどね。

山頂には僕以外に男性がひとりいらっしゃいました。
前日に穂高岳山荘に泊まり、ここまで歩いてきたとのことですが、
他の宿泊者は雨のなかでこの道を歩くのを断念し、涸沢経由で下山したそうです。
実際は歩けないほどの悪天候にはなりませんでしたが、
朝はもっと天気が悪かったはずなので、正しい判断だったと思われます。

紀美子平に戻った後は、吊尾根を奥穂高岳方向へ。
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再びガスが濃くなり、冒頭の雷鳥くんが現れたり、道を間違えそうになることも。

誰もいない道。誰もいないクサリ場。
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ときおり足跡がついていましたが、前穂高岳山頂で会った人のもののようでした。

しかし、まあ、いくら進んでも真っ白。
今年の8月に行った、秋田駒ヶ岳よりはマシといったくらい。
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割り切って、どんどん先へ進みます。
景色を楽しむこともできず、もう、ただただ進むしかないんです。

奥穂の山頂に到着。
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何度も来たことがあるし、なにしろこの天気なので、
ほぼ立ち止まることなく、そのまま通過。

その後、さっさと標高を下げて、穂高岳山荘に到着。
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まだ午後の早い時間ですが、これ以上先に進んでも仕方ないので、
受付を済ませてテントを張ることにしました。この日、テント泊は僕のみ。

今回も超軽量テントのビッグアグネス“フライクリーク1”。
同じ10月に行った七倉岳と同じです。
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いまだ調子がいまひとつの左膝のことを考えて、
今回も荷物は軽めにまとめていました。

軽量化のために、バーナー/クッカーはジェットボイル。
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これ、燃費がよくて、コンパクトで、非常に便利なのですが、
僕のような大盛りのメシをつねに食いたい人間には、容量が少ないのが難点。
今シーズンにはもっと容量が大きいモデルが発売されたので、
そっちを使ってみたいものだと思っております。

しかし、軽量に荷物をまとめたのはいいけれど、
晩秋の山には使いにくいメッシュパネルのテントだし、
食糧はいつもよりも少なめだし、着替えも最低限だったりと、
なんとなく自分の装備に不安を感じてしまいます。
もちろん安全面では問題ないように考えているとはいえ、快適ではない、という感じ。

一方で、ブーツは軽量とはまるっきり反対の方向のゴツいタイプで、
5年くらい前から使っているAKUのバルトロ。
かなりの重量ですが、ソールはかたく、穂高のような岩場にはピッタリ。
重いけれど、岩場でもしっかり体を支えてくれて、むしろ足への負担が軽くなります。
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とくに、翌日に歩くつもりの涸沢岳あたりは通常のブーツでは心もとなく、
これくらいのブーツだと安心。
降雪に備えて持っていっていたアイゼンとの相性もよいし。

さて、この日の夜の最低気温は、おそらく2~3℃程度。
寝ているときに雨はけっこう振りましたが、なんとか雪にはならないくらいですね。
雪が積もってしまったら、翌日に予定している涸沢岳~北穂高岳のルートは
断念しようと思っていたので、あとは雨水が朝まで氷結しないことを祈るばかりでした。

と、なんだか低調な一日。
しかし、この日のイマイチ感が完璧に帳消しになるほど、
翌日はすばらしい山行になったのでした!

(続く)

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