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2011年12月30日 (金)

男4人と女1人で川の上、北関東/那珂川

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11月終わりの気田川遠征で、僕たちは川を一切下ることなく、
ただ橋の下で2泊もするというすさまじく無為な時を過ごしました。
あまりの無念さに、その帰りのクルマのなかでリベンジとなる計画を立て、
今回は場所を変えて、北関東・茨城県/栃木県の那珂川へ行くことに。

メンツは前回と同じく、
土屋智哉(ツッチー/ハイカーズデポ店主)
・森山伸也(ヤーマン/ライター仲間)
・そして僕(ライター)

ライターの麻生くんはスケジュールの関係で今回はこられなくなり、その代わりに
・大内直紀(オオウチくん/ICI石井スポーツ カヌー&カヤック担当)
・大森千歳(ちーちゃん/ライター兼モデル?)
という2人が加わりました。なので、今回は男4人に女1人という構成に。

余裕がある日にスケジュールを組んでいたはずなのに、
なぜか僕は丸2日も徹夜したあげくに、家を出発。
朦朧を通り越して、むしろハイになりかけているという精神状態でした。

食材を買出し、クルマを下流に配置しておいてから、
烏山市街地の付近でフネを組み立てていきます。
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僕とツッチー、ヤーマンは「パックラフト」。
収納時には一抱えほどの大きさで、重量は2キロ程度と、
超軽量のインフレータブルなボートです。
ツッチーは自艇になりますが、僕とヤーマンは、
日本での取り扱い会社である「サニーエモーション」さんからの借り物。
僕らは来年、このパックラフトを使った面白い遠征を企てており、
そのために試乗して、乗り心地を試そうと思っていたのでした。

その他、ちーちゃんはアルフェックのカヤックに。
ひとりで乗るのは初めてということで、
昨年の気田川のようなドラマが期待できます。
一方、オオウチくんは、僕ならばとても乗りこなせない、小さなプレイボート。
この男はカヤックのインストラクターでもあり、
ホワイトウォーターならともかく、那珂川の中流なんて余裕すぎ。
でも、『カヌーライフ』という雑誌では、本人曰く「ドブ川」のような川を旅する
「あの川紀行」という、ユルい連載も持っており、
どんな川でも面白がれる人なのです。

さて、昼過ぎにやっと出発。
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初めて乗ったパックラフトは予想以上に快調で、
試しに上流方向に逆走してみても、けっこう進めてしまいます。
いつもの細長いカヤックになじんでいると、パドルの操作はちょっと戸惑うのですが。
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那珂川にはほとんど毎年遊びに行っているけれど、
冬になると水は透明度を増し、気分も上々。
一昨年は秋に漕ぎましたが、そのときは鮭が遡上する真っ最中で、
船の下をグイグイ泳いでいるのが見えて、ものすごく面白かった記憶があります。
しかし、さすがに12月になると鮭はほとんど泳いでなくて、たまにあるのは死体くらい。
それでもまだ動いているのを数匹は見つけられました。

パックラフトはカヤックに比べるとスピードは落ち、
気がつくと、ちーちゃんが乗ったカヤックは我々よりもかなり先に。
ゆっくり漕ぐか、ときどき停まってくれればいいのだけど、
よく考えてみれば、初心者過ぎて、そういうこともできなかったのかもしれません。

ともあれ、安全度が高い川とはいえ、初心者なのにひとりで先に行くと危ないよ、
などと説明しなくてはいけなかったのですが‥‥。
漕ぎ始めて30分ほど経ったころ、前方を見ると、なぜかひっくり返ったカヤックが。
それが冒頭の写真なのです。

みんなで追いつき、レスキュー開始。
といいつつも、僕は面白がって写真を撮るばかり。
こういうときは本職のオオウチくんに任せるのが、いちばん安全なのですから。
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小さなプレイボートに、ちーちゃんをつかまらせ、カヤックごと牽引。

そのまま河原まで引っ張っていくオオウチくん。頼りになる男だね。
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この後、無事に上陸。
ちーちゃんはジャケットの下にウェットスーツを着ていたとはいえ、
水温の低さは嫌になるほど。いやはや、気の毒ですね。それも昨年に引き続き。
しかも、こんなブログで紹介されちゃうし。

上陸したのはいいけれど、問題はこれで終わりません。
ちーちゃんは転覆したときにパドルから手を離してしまい、
パドルが行方不明になってしまったんです。
パドルが流れたのではないかと、オオウチくんはひとり下流へ探しにいき、
僕たちはどこかに引っかかっているのではないかと、岸辺をチェックしました。
すると、川の中に倒れこんでいる竹にパドルが引っかかっているのを発見。
流れがけっこうある場所で、竹がフネに引っかかると危ない場所でしたが、
ツッチーがパックラフトで回収に出て行きました。
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右のほうに小さく見える赤いフネを漕いでいるのが、ツッチー。
その姿をヤーマンが眺めています。
ツッチーが失敗したら、次にヤーマンが出て行くために、待機しているのでした。

しかし‥‥。
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パドルはガッチリと竹のなかにはまり込み、
それを力ずくで取ろうとしているしているうちに、ツッチーまで沈。
だから、赤いパックラフトが竹の裏で直立しているんです。
この難しい状況では、失敗も仕方ないですね。

本人は再び乗艇し、僕たちの元へ戻ってきましたが、いまだパドルは川の中。
ヤーマンは取りに出るのをやめてしまい、
僕らはオオウチくんが戻ってくるのを待ちました。
こういうときは、技術が高い人に任せるのが、間違いない方法。
いやホントにいいんですよ、できる男がいると。
だから僕はハナから回収しに出ようなんて思いもせず、ラクをさせてもらいます。

というわけで、オオウチくんがパドル目指して出艇。
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みんなの期待が背中から伝わってきますね。

流れのなか、倒れこんだ竹からパドルを引っこ抜くオオウチくん。
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しかし次の瞬間、あのオオウチくんが、まさかの沈。
一瞬、黄色いカヤックの船底しか見えない状態に。
だけど、そのまま簡単にロールで体勢を立て直し、
なにごともなかったように、再び水面へ。
しかもキッチリ、ちーちゃんのパドルまで手に持っていたのでした。
本人はどういう状況であれ、沈をするのはカッコ悪いと思っているようですが、
ハタから見ていると、「さすが」というしかないカッコよさであります。

気を取り直して、再び出発。
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ツッチー、オオウチくんは水の中に一度は浸かっているけれど、
防水性のウェアをしっかり着ていたので、あまり寒くはない様子。
ウェットのみのちーちゃんもそれほどは凍えていないようで、
僕らはゆったりと遊びながら川を下っていきました。

夕方前に目的地に到着。
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まだ漕ぎ足りなくて、みんな他の人のフネを借りて、
キャンプ地の前でも遊んでいました。
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その後、薪となるものを周囲から集め、
出発地点に置いてきたlクルマを回収し、やっと焚き火で夜メシという時間に。
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写真を撮り忘れたけれど、今回もナベ。
作るのが簡単で、確実に体が温まり、焚き火との相性もよし。
だから、川の料理はいつも同じなんです。
以前の川旅のとき、僕は1週間ずっとナベを食い続けたことがあります。
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ナベを食い終わっても、ベーコンを焙ったり、シシャモを焼いたりして、
酒を飲み続けるのみ。

この日は風もあまりなく、焚き火の熱がしっかりと体に伝わってきました。

しかし、遠くにおいてあったパックラフトを見ると、こんな状態に。
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いつのまにか気温は0℃近くになり、霜が下りてガリガリに。
この場所まで持ってきておいたクルマも真っ白になってしまいました。

2日間徹夜をしていながらも23時くらいまで飲み食いしていた僕は、
さすがに眠気に襲われてきて、みんなよりも先にテントへ。
ダウン入りのマットと分厚い寝袋の心地よさに、そのまま意識を失いました。

翌朝。
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いや、気づくと「昼」。
なんと僕は13時間近くも寝続けていたようで、すでに時間は12時過ぎ。
仕事があるオオウチくんは朝のうちに帰っており、
残りの3人が焚き火を囲んでいました。

僕のせいで出発できず、朝から時間をつぶしていたのだな、と
申し訳なく思っていたのですが、みんなもけっこうゆっくり起きだしていたようで。
パックラフトのお試しも完了したし、この日は天気が下り坂ということもあり、
なんとなく「もうこれで終わりにしてもいいのでは?」という雰囲気に。

そんなわけで2日目は漕ぐこともなく、このまま終了。
なんだか山と比べると、川の旅はいつもダラダラです。
確実に自力で下山しなければならない山の緊張感とは違い、
川は適当なところで切り上げて上陸できるし、人家は近くにあるし、
計画の変更もラクなもの。食糧や装備もたっぷり持てるんですから。
こういうユルい感じがまたいいんです。
いつも山ばかりに行っている反動なのかもしれないけれど。

ともあれ、これで全然漕げなかった気田川の悔しさは一掃され、 かなりの満足感。
山もいいけど、川や海もすばらしいものです。

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コメント

久々にメールを送らせて頂きました。庄太郎さんのブログ記事は毎回楽しく読ませて頂いております!書籍ではPEAKS1月号と別冊山道具を購入、拝読させて頂きました。

小林さんのお写真、先程、紅白で拝見しました。ご本人の穏やかな愛情が伝わってくるような作品で、流れた歌と共に感動を頂きました。少しずつでも、皆の気持ちは前向きに進んでいるのだと、勇気も貰えた気がします。

この一年間、色々ございましたが、来年のご活躍も期待しております。身体に気をつけて、頑張って下さい!

投稿: sakuya | 2011年12月31日 (土) 21時16分

パックラフト、結構気になりますね~。
波の状態にもよるのでしょうけど、安定性とかどうでしょうか?
パッキングされた時の大きさも気になります。どちらかというと海というよりは川向きの道具なんでしょうかね?
続報楽しみにしてます!

投稿: ひげ | 2012年1月 1日 (日) 20時44分

sakuya様

小林さんの写真、ユニセフの特設サイト
「ハッピーバースデイ 3.11」では、
もっとしっかりと見られますよ。
ぜひ、そちらもチェックしてみてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひげ様

パックラフトはモデルにもよるようですが、
バックパックの大きさにすれば
だいたい20~30ℓ程度ではないでしょうか。
やはり形状からいっても、完全に川向け。
海で遊ぶのはよさそうですが、
カヤックのように「旅」は難しいと思います。
いずれにせよ、また紹介するつもりです。

投稿: 庄太郎 | 2012年1月 4日 (水) 23時01分

高橋さん

ありがとうございます!
やはり川向けですか~、でもパッキングサイズは魅力的ですね。
引き続きの紹介、楽しみにお待ちいたします!

投稿: ひげ | 2012年1月 9日 (月) 18時43分

ひげ様

パックラフトを使った旅の計画が、
だんだん具体的になってきました。
おそらく春くらいには、その様子をここでも紹介できそうです。

投稿: 庄太郎 | 2012年1月10日 (火) 16時29分

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