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2012年4月10日 (火)

八重山諸島/西表島-1 (漕ぐ~歩く~漕ぐ、の島縦断・前編)

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自分の本を書き上げ、残りの仕事も片付けた後の3月後半、11日にもわたって、
沖縄県のなかでもさらに南の八重山諸島・西表島に行ってきました。

西表島には、僕はほぼ毎年通っており、昨年は2月にひとりで。
しかし、今回は4人。
ハイカーズデポのオーナー、土屋智哉(ツッチー)、
ライター仲間の森山伸也(ヤーマン)もいっしょなのです。
最近は、このメンツで四国の石鎚山を歩いたり静岡の気田川に行ったり
茨城の那珂川を下ったりしていましたが、
じつは気田川と那珂川は、この西表島遠征の予行だったんです。
今回はそこにカメラマンとして亀田正人(カメちゃん)に加わってもらいました。

さて、西表島ではいろいろなことをして遊んだのですが、まずは「島横断」の話を。
それもかなり特殊な方法なんですよ。
まずは「パックラフト」という折りたたみ式のボートで
マングローブが生い茂る川をさかのぼって行けるところまで漕ぎ進む。
その後、畳んだボートを背負い、徒歩でジャングルの奥へ。
最後には再びボートで反対側の川を漕ぎ下って人間の世界に戻る、という方法。
たぶん、西表島でこんなことをやった連中はいないでしょう。

この西表島横断については、いずれ雑誌で詳しく書く予定なので、
ここでは写真を中心にして、話は簡単に。あとは雑誌の発行をお楽しみに。

というわけで、到着翌日の早朝、キャンプ場から島の北西にある浦内川へ。
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バスが走っていない時間なので、ヘッドライトをつけて1時間弱ほど歩いていきます。

観光船が出る船着場。
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まだお客さんが来る時間ではないので、デッキの上を借り、
日の出とともにパックラフトを膨らませて、川に漕ぎ出る準備。
けっこう明るく見えますが、これは写真を加工したからで、本当は薄暗い時間帯です。

 

そして出発。
「大潮の満潮時」という川をさかのぼるには最適のタイミングを選びました。
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西表島は一応、「亜熱帯」ということになっていますが、
九州よりもフィリピンに近いくらいで、実際はほとんど熱帯気候。
両サイドがマングローブに覆われていて、中流~下流はゆったりと流れています。
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キャンプ用具、歩くための装備などは、パックラフトの上に。
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途中で支流に入り、こんな滝も見物。
西表島はすでにかなり暑さ。さすがに滝に打たれると寒いんですが。
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赤いパックラフトがツッチー、青がカメちゃん、グリーンがヤーマン。
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考えてみれば、僕以外のこいつらは、みんな大学では探険部。
かなり無茶なことでも、安心していっしょに楽しめて、気楽です。Rimg0774a
8キロくらい流れのなかをさかのぼって、やっと上陸。Rimg0777a

小さく畳んだパックラフトをバックパックの上に固定し、パドルもサイドに。Img_5729a
このまま背負って、島の中心部のジャングルを歩いていくわけですね。
これは今回、僕が使ったバックパック。
ひさしぶりに使ったゴーライトのピナクルです。

少し歩くと、カンピレーの滝で、
西表島のなかでも、僕が好きな場所のひとつ。
なにやら、ツッチーとヤーマンが岩場を覗き込んでおります。
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たぶん「ポットホール」といわれる穴でしょう。
で、カメちゃんがカメラをかまえていたりして。

まるで風呂のようにポットホールに入る2人。Img_5737a
男2人で楽しそうだけど、にこやか過ぎてなんだか気持ち悪いような気も。
ここには僕も入りましたが、穴の面積は直径1mもないのに、
驚くほどの深さで足が下につかないんです。おそらく2mはあるはず。
手を離したら頭まで入ってしまい、一瞬あせりました。

このポットホールというのは、岩盤のくぼみの中で
小さな石が水の流れで回転しているうちに、
いつのまにか大きな穴にしてしまった特殊な地形のこと。
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別の場所のこういう写真をみると、なんとなくわかるでしょうか?

カンピレーの滝を出て、ジャングルを行くヤーマン。
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半袖、ショートパンツでも暑いくらい。夏を先取りしていて、気分よし。

なのですが、キャンプ予定地まであと3分というところで、アクシデント発生!
歩いているときに、僕が近くの木の枝に手をかけたところ、
小さなカミナリで打たれたかのような激痛が走り、手の甲2カ所から出血が!

姿は見えませんでしたが、なにかに刺されたか、かまれてしまったのです。
急いで口を当て、血ごと毒を吸い取り、吐き出すことを繰り返しながら、
なんとかキャンプ地へ到着。急いでポイズンリムーバーを取り出して、
さらに得体の知れぬ毒液を吸い出していったのですが……。
30分もしないうちに、こんな状態に。
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赤ん坊の手のようにプクプクしていて、我ながらなんだかかわいらしいですね。

しかし、その後、腫れはもっともっとひどくなり、
手を心臓よりも低い位置にすると激痛が走り、モノをまともに持つこともできません。
そして、かまれた場所に近い小指から動かなくなっていき、最後には親指まで激太に。
翌日の朝には、手の甲と指のあいだに1センチもの段差ができました。
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しかも腕までどんどん腫れてきて、肩の近くにも
腫れている部分と腫れていない部分とのあいだに1センチ弱の段差が……。

そんな状態に僕の手と腕はなってしまったのですが、誰もいない山中はいいものです。
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夜は無数のホタルが現れて、なかなか幻想的。
人によっては、ちょっとばかりロマンティックな夜だと感じるかもしれません。
しかし、ここにはむさくるしい男4人しかいないんですよね。

翌日は、次のキャンプ地まで短い移動。
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すでに渓流となった浦内川に沿って、さらに奥地へ。
僕は片手が効かないので、スリップしそうな場所は苦労しました。
手はただ下に下げているだけでも、ものすごく痛いので、
右腕は胸のあたりに上げたまま、おかしな格好で歩かねばならないんですよ。
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ヤブがひどい場所も多く、パックラフトやパドルが引っかかって大変。
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この日はわずか30分程度しか移動せず、早くもテントを設営。
今回、僕はニーモの「タニ2P」という発売前のテントのサンプルを借りて、
この西表島に持ってきていました。いずれ、このテントについても、ここで書くかも。

テントを張ってから、身軽になってイタジキ川という支流へ。
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多くの場所が、岩の上よりも水のなかを歩いたほうがラク。
ただし、ものすごく滑りやすいので、腕が使えないと厳しかったです。

手には激痛が走るけれど、気分のよさは格別。
調子に乗って、歩いても行ける場所を泳いでいったり。
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この時期、東京では寒かったらしいのですが、さすが亜熱帯・西表島。

少しすると、今回の目的地が見えてきました。
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“ヤマネコの城”という意味を持つ、「マヤグスクの滝」。
僕はこの西表島横断トレイルを以前も2度、歩いたことがありましたが、
マヤグスクの滝に立ち寄るのは初めて。やっと念願がかなうときがきたのでした。

(続く)

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コメント

お疲れさまです☆

すっごく楽しそうですね!
羨ましい☆

しかし、刺したやつの正体は何だったんでしょうか。。。気になりますね。

投稿: カミナリおやじ | 2012年4月10日 (火) 21時07分

『北アルプス』昨日ットコサ買いましたぁ。
で、帰りのバスで読んで帰ったんですが、、これ良い!!読んでて楽しくなります。
八重山、、楽しそうですねぇ、良ぉ~く伝わりますよ、が、、、私、水場と相性悪いんですねぇ、まあ平たく言えば嫌いなんですなぁ。。
ゴーライトのピナクル、、山よりこういう風のほうが合ってるみたいな感じしますねぇ。
ポットホールのお風呂?楽しそうぅ、、、青空の下では男2人入りでも勘ぐって見られないですよ(笑)
ホントに、何虫なんでしょうねぇ。
私、虫類、勿論蛭などもってのほか、、だからジメジメ場も大嫌いでして、、キット前世は砂漠の民なんだと勝手に決めつけてるんです(笑)
<<続き>>は楽しみにしてますよ。。自分でなくりゃあ見るのは何ともないですからねぇ。

投稿: 修 | 2012年4月11日 (水) 08時12分

うわぁ、庄太郎さん!写真はどれもきれいだしとっても楽しそうだけども~!「手には激痛が走るけど気分のよさは格別」って~!

もちろん今はよくなって記事を書かれているのかと思いますが・・・手が腫れた話になったので、やむなく今回の旅を中止せざるをえなかったというような内容になるのかと思いきや続行かぁ~。さすが!というか・・・一般の人はまねしちゃダメ・・・かしら?

子供の頃大分の母の実家で朝起きたら、寝ている間に何かに刺されたのか腕に大きな内出血が。ぶつけたわけでもないし刺された痛みもなかった上に内出血が出来ているものの痛みはまったくなく。近くの薬局で痕にならないようにとハイチオールCを買ってのみましたが、結局なんだったのかは分からず、そんなことを思い出しました。自然界にはまだ未知のものがたくさんいるのでしょうね。

続き楽しみにしています。

投稿: boriko | 2012年4月11日 (水) 09時50分

高橋さんこんにちは。

毎年の西表島楽しそうですね~
漕いて、ジャングル歩いて、キャンプしてって、まさに冒険ですね。続きが楽しみです!
いつか行ってみたいです!!

今使っているテントがタットポール23で気に入っているのですが少し重たいので、高橋さんがサンプルで借りていったニーモの「タニ2P」を購入するかどうか考えているところだったんです!!
ブログで登場するのをお待ちしてます♪

投稿: キウイ | 2012年4月11日 (水) 14時50分

すごくご無沙汰しております。

西表島、いいよね。
カンピレー滝あたりを読んでいて、調子にのって噛まれるなよー、とおもってたらやられちゃいましたね。

さしあたり、無事でなにより。

投稿: さかーち | 2012年4月12日 (木) 00時44分

庄太郎さん こんにちわ。

お手の傷は大丈夫でしょうか?

自分も小さい頃、竹藪で蛇に噛まれて以来、蛇がトラウマに成りました。未だに、藪などにはあんまり近づけません。
野外を仕事にしてる以上、そういうのにはお強そうだと思いますが、体は大事にして下さい。

庄太郎さんの記事を読むのが、楽しみにしてる人は大勢いると思いますので。体を程々に労ってあげて下さい。

投稿: 一休 | 2012年4月12日 (木) 10時05分

手の腫れ方、ハンパないっすね。

高橋さんこんにちは。

PEAKS4月号のギア特集で紹介されていた
ニーモの「タニ2P」、モニタリングされた方たちの
評判も良かったので、購入を検討中です。

高橋さんが使ってみた感じを教えていただけたら
嬉しいかぎりです。

もちろん、八重山諸島/西表島 の後編も楽しみです。

投稿: ゴロー | 2012年4月12日 (木) 13時05分

カミナリおやじ様

何にやられたのかは、だいたい想像が付くんですけどね。
あいつか、それでなければ、あやつか……。
そのあたりは、また今度。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
修さま

じつは僕も水に濡れるのは嫌いなんですよ。
それなのに、こんなことやカヤックのなんかも好きだったりして。
遊びの面白さのほうが、濡れ嫌いを上回っているんです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
borikoさま

やられてから、すでに20日くらい経っていますが、
いまも少し痛みが残っています。
ただ、僕はこういうことに鈍感なのか、
当時はそれほど大変だとも思っていませんでした。
いい経験になりましたよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キウイさま

もうすぐ発売される『PEAKS』には、
僕の私物のタッドポールと、今回のタニの話が出てきます。
けっこう面白いページになっているので、ご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さかーち様

さかーちさんって、知床で何度もいっしょだったあの方?
だとしたら、ご無沙汰です~
(そうでなければ、すみません)

パックラフトもなかなか面白いですよ。
ただ、カヤックの直進性と操作性のよさがときどき恋しくなりますが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一休さま

僕は子どものころから山や川でばかり遊んでいましたが、
意外と怪我をしたり、蛇にやられたりはしていないんですよ。
今回のこれは、今までのなかでは大きい事件。
注意しながら活動したいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゴローさま

タニの感想は、まずは次の『PEAKS』を。
これを日本でいちばん長い期間使っているのは、
もしかしたら、僕かもしれません。
1泊どころか、10泊もしていますから。
タニの詳しいことは、自分のものを手に入れてから(購入決定)にするので、
もう少し先になりそうです。

投稿: 庄太郎 | 2012年4月12日 (木) 21時44分

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