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2012年12月27日 (木)

今年もまた参加、「知床エクスペディション」(後編)

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前回に引き続き、シーカヤックで知床岬を一周する「知床エクスペディション」の話。
知床半島の先端部は、日本でいちばん長い自然海岸が残されている
まさに日本のウィルダネス中のウィルダネスであります。

上の写真は、すでに知床半島の先端である知床岬の先端部。
まわりくどい説明ですが、つまりは日本の最東端(北方領土を除く)です。
中央付近に小さく、知床岬灯台も見えるかと思います。

最先端部には、以前は上陸を自制していたのですが、数年前から緩和。
浜にカヤックを上げて、無人の灯台まで歩いていきました。
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踏み跡程度で登山道があるわけではなく、この斜面がじつに登りにくい。
しかも僕たちが履いているのは、水には強いけれど、土には弱い
カヤック用のシューズ。だからやたらと滑るんですね。

日本にはあまりないほどの規模の、広大な草原。
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これでも、ごく一部です。

灯台がある場所まで登ると、先ほどの草原が眼下に。
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一昨年、海岸を延々と歩き、ここまでやってきたことを思い出します。

難所である岬を無事にかわし、赤岩の前を漕ぐ新谷さん。
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はじめて僕が新谷さんといっしょに知床をまわったときの強烈な記憶は、
この付近で突然の雷に遭遇したとき、新谷さんがパドルを手から離し、
両手を合わせて神に祈っていた姿。風もものすごかったし、
僕たちがかなりヤバい状況なんだと理解でき、若干恐ろしくなりました。
すでに7年も前のことですが、ここに来るたびに思い出します。

写真というかカメラのクオリティがイマイチなので、わかるかな‥…
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キャンプ地近くの川で鮭を食っているヒグマと、それを眺める参加者。
ヒグマが出没すること自体は珍しくもありませんが、
こいつはいくら追い払っても海岸に戻ってきてしまい、
結局、僕たちのキャンプ中はずっと同じ場所におりました。
どうしてもどんどん遡上してくる鮭を食いたかったんでしょうね。

行程中に何度も繰り返されるメシの風景。
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新谷さんはじめ、スタッフとしてかかわっている人は、みんな漁師カッパ。
日本一過酷なフィールドでは、漁師が使うウェアがいちばんの実用品なのです。

赤岩を出発し、すでに4日目。
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すぐにでも天気が崩れそうな気圧配置にもかかわらず、わりと穏やか。

海に突き出た小さな岬、ペキンノ鼻で上陸。
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このあたりには面白い話がいくつもあるのですが、
以前に雑誌で書いた内容や、前のブログとかぶりそうなので、省略。

正確な由緒は不明ながら、ペキンノ鼻の上には簡素な鳥居。
海の男たちを昔から見守ってきたのでしょう。
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新谷さんがいつものようにペンキを塗り直しています。
このためにわざわざカヤックに塗料とハケを
入れてきたのだから、頭が下がります。

まだまだ続いている、無人の海岸地帯。
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わずかにあるのは、夏だけ使われている番屋くらい。

海に出てから4泊目。
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なんとか強風も回避でき、あとは1日漕げば終了。

わかりにくいですが、2手に分かれて海に流れ込むウナキベツ川。
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昨年はここから知床半島内部に入り込み
道なき道を歩いて、稜線まで出たのでありました。
ただし、知床岳には時間切れで登れず。

最終日は岩のあいだを漕いだりもして、先へ。
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何艇か、危うく沈しそうでしたけどね。

そんなわけで、ウトロ側から漕ぎ出して、岬をまわり、
反対側にある羅臼側の集落、相泊に到着。
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ちなみに、今回、僕が借りて乗ったカヤックは、
ウォーターフィールドカヤックスの「不知火」。
数日使い続けていると、別れが寂しくなります……。

というわけで、知床の「海旅」は終了。
僕はもう8年目で、8回目となるのに、いまだ飽きません。
昨年の模様を紹介したこのブログを見てもらってもわかるように、
ルートは基本的に同じで、キャンプの仕方も多少の変遷があるとはいえ、
過酷な環境に特化した、いつもの新谷暁生スタイル。
だから、撮影した写真も似たものになりがちで。

だけど毎回、本当に面白いんですよ。
アウトドア好きの人なら一度は参加すべきものだと思う一方、
繊細すぎる人には合わない可能性も大、であります。

その後、僕は知床の「山旅」へ。
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上は、カヤックでのツーリング後の移動中、
知床横断道の羅臼峠に寄り、それから歩くことになる羅臼岳を眺めた様子。
知床遠征は、まだ終わりません。

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海(うみ)」カテゴリの記事

コメント

高橋さま

お疲れ様です。

>だけど毎回、本当に面白いんですよ。
 アウトドア好きの人なら一度は参加すべきものだ と思う一方、

一度参加させていただきたいと思っているのですが、差し支えなければ高橋さまが実際使われた装備を教えていただくことはできますでしょうか?

HPには一覧は載っているのですが、
カヤックの装備には詳しくないので、
厳しいと思われる知床の海で実際どれくらいの装備が必要なのか、いまいちイメージができないのです。

もし、ご迷惑でなければ参考までにお聞かせ下さい。

投稿: まー | 2013年2月 5日 (火) 02時48分

まー様

装備といっても、知床に必要なものは大きく分けてカヤック関係とキャンプ用具があります。
カヤック関係のものはほとんど貸してもらえるので、用意するのはウェアくらい。
そのウェアも山で使っているものが流用可能です。
寒冷な時期に参加するならドライスーツのようなウェアを着ますが、そのような特殊なものは貸してもらえます。

キャンプ用具もほとんど山と同じです。
ただ知床は海辺としては日本でいちばん寒い場所ですから、夏に参加するとしても秋をイメージした着替えや寝袋がいいですよ。
それとゴロタ石の上に眠ることも多いので、マットは厚めのものが快適。
それくらいでしょうか。

僕が知床に行くときはそれなりに工夫した準備をしていきますが、その用意自体が楽しみになっちゃっていて、本当にそうでなければ知床では不便なのかといえば、また別の話。
そんなわけで僕の装備にはクセがあるので、直接電話して聞いたほうがいいですよ。
カヤックを初めて漕ぐのが知床で、ほとんどなにも用意していない人も参加していますから、実際に用意しなければいけないものはそれほどないはずです。

投稿: 庄太郎 | 2013年2月 6日 (水) 01時10分

高橋さま

ご多忙の中、
お返事いただき、とても感謝しております!

休みの都合上、
春先の連休ぐらいしかまとまった休みが取れないため、
そうすると、季節上どうしてもドライスーツのような大変高価なウェアを用意しないと、
参加できないのかな…と思っていました。

加えて
山に行ったり、トレイルを歩いたりするので、
キャンプ用具は一通りあるのですが、

普段カヤックに乗ることがないので、
カヤック関係の装備をひとつも持っていないということもあり、

一式揃えるのも経済的に大変だということもあります。

でも、カヤック関係の装備は、
貸していただける可能性があるということが分かり、希望がでてきました!

ありがとうございます!!


あ、最後にひとつお聞きしたいことがあるのですが、
新谷さんの本に、よく漁師合羽のお話が出てきますが、

これは、上陸時のレインジャケットの代わりに使用されているのでしょうか、
それともパドリング時のジャケットとして使われているのでしょうか?

投稿: まー | 2013年2月11日 (月) 00時44分

まー様

とにかく、新谷さんに聞いてみてくださいね。
僕は5月には漕いだことはありませんが、
ものすごく寒い代わりに、残雪が美しいようですよ。

海上ではパドリングジャケットで、漁師合羽は陸上用。
レインウエアという範疇を超えた使われ方をしています。
あの様子を見ているとほしくなってしまいますが、
冷静に「知床以外で着る機会があるか?」と考え、
僕はいまのところ買ってはいません‥‥。

投稿: 庄太郎 | 2013年2月13日 (水) 01時05分

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