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2013年1月

2013年1月27日 (日)

北関東/筑波山、表紙撮影・日帰り登山

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12月早々、日帰りで筑波山に行ってきました。
だけど、冒頭の写真の背景は思いっきり朝日。
じつは深夜に登りはじめ、午前中にはミッションを完全に完了しているという
非常にスピーディな行動なのでありました。

第一の目的は、雑誌の表紙のための撮影。
その結果は、現在発売されている『ビーパル2月号』になっています。
僕の役割は撮影のサポートで、私物でそろえられない人たちのために
ウェアやブーツ、ヘッドライトなどを用意し、
一応、温かいものも飲めるようにしたりして。
ただ、まあ結果を見ると、当初のイメージをうまいこと形にできず、
成功だったとはいいがたいのですが……。

筑波山北側の登山口を出発したのは、午前4時半ほど。
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滑りやすい雪の上を歩き、まずは山頂へ。

山頂付近まで来ると、関東平野の夜景が広がっております。
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本当はもっときれいなんだけど、他の写真は寒さで手がかじかみ、
ブレちゃって、まともに撮れておりません。

このとき、編集部から与えられた表紙のテーマは「日の出」。
そこで、2つある筑波山の山頂のうち、
背景の抜けがいい女体山で、朝日が出るのを待ちました。
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僕たちは日の出の時間よりも早めに到着したので、
当初、山頂にいるのは我々だけ。
この時点では、日の出を背景に、すばらしい写真が撮れるものと思っていました。
僕たちだけで。
しかし……。
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日の出の時間が近づくにつれて、他の登山者も多くなり、
それどころか、多くなるという以上に岩でできた山頂から
こぼれ落ちそうなくらいの大勢に。
撮影をしたいからといって、場所を空けてもらうような無粋なことはできないし、
雪がついていたので、本当に滑落がありそうで危険でした。

これはまったく僕たちの作戦ミス。仕方ないのです。。

じつは、この日は土曜日。
だからみなさん、朝日を眺めに時間を合わせて登っていらっしゃったんですね。
そりゃそうですよね、こんなに眺めがよいのだから。
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日本一デカい関東平野の感じがよくわかります。
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週末を避けて撮影に挑めば、こういうことはなかったのかもしれませんが、
早朝の天気がよいと見込まれていたのが、この日くらいだったんです。

しかし、少しは写真を撮って、すぐに移動。
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次はもうひとつの山頂、男体山へ。

いや、その前にケーブルカーの駅の前あたりで、別のカットの撮影を。
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結局、ここで撮影したカットが表紙になりました。

男体山に登ったころは、すでに完全な朝。
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霞ヶ浦が光っております。

こちらは日光の方面。
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名山が立ち並んでいますねえ。

歩くこと自体よりも、山頂での撮影がメインということもあり、
下山はケーブルカーで、一気に。
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筑波山は2年前の撮影以来なのですが、ケーブルカーに乗ったのは初めて。

帰りの車中から見た筑波山。
左の山頂が男体山、右の山頂が女体山。
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はじめのイメージとは違うものだとはいえ、
このときに撮影したカットはなんとか表紙になり、
内部のページでも数ヵ所、イメージカットを使うことはできたとはいえ、
朝日をバックにした写真をうまく撮れなかったのは残念。
しかし、週末の筑波山って、大人気ですね。

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2013年1月26日 (土)

北関東/久慈川、いろいろなフネで川の旅

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このところ、年に1回ほどになってしまった川下り。
2012年には3月に西表島遠征があったものの、
実際には川をさかのぼってから山を歩き、その後に川を下るという特殊なもの。
この11月末に行なった川下りらしい川下りは、那珂川以来となりました。
5~6年前までは、多いときには年に10回は川に行っていたというのに、
最近はもの足りない感じがしております。

今回はなんとか時間を作って、茨城県の久慈川で1泊2日。
しかし初日は大雨で漕ぐこともできず、
気田川のときと同じように橋の下にテントを張って、キャンプをするのみ。
だけど、翌朝にはすっかりと晴れ上がっていました。
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ハイカーズデポの店主、ツッチー。
ウルトラライトの男には珍しく、タープでもハンモックでもなく、
テントを使用しているというレアなカット。
とはいえ、ブラックダイヤモンドの超軽量のシェルターですけれど。

それに対して、僕はニーモのタニ2P.、
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昨年、非常によく売れたテントであります。
だけど今回、僕が使ったのは、ちょっとフライが違うんですよ。
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2012年モデルは大きなベンチレーターをベルクロでとめる用になっていましたが、
強風にさらされると、ここが開いてしまうという弱点を持っていました。
だけど、2013年モデルからは、さらにファスナーもつき、
より風に強い仕組みになるんですね。
簡単にいえば、フライに当たった風が内部に入らなくなり、
風の力を受け流せるのであります。

このあたりのことはすでに「ビーパル2月号」に書きましたが、
じつはこれ、僕の意見を採用してリニューアルしてくれた面もあり、
そこで発売前に使うことができたわけなのでした。

ついでに、こちらもニーモの「ノクターン」という新型スリーピングバッグ。
本国のHPでは昨年には公開され、限定発売されていたもの。
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足元のほうが丸く広がっているという、ユニークな形状。
これについては、また近いうちに詳しく紹介したいと思っております。

で、話を戻し、出発。
今回のメンツは、先のツッチー以外に、
以前はICI石井スポーツのカヌーの担当だった大内くん。
今は某アウトドア会社に勤務している男です。
大内くんとは今年、北海道の知床でいっしょに海を漕ぎ、
その後、硫黄岳~羅臼岳も縦走しております。
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それにしても、3人ともまったく違うフネ。
ツッチーは西表島でも使った膨らませて使う、パックラフト。
大内くんは、サーフカヤック。海で波乗りするときのものですね。
そして僕は、ライターの先輩のホーボージュンさんから買い取って、
1年以上も使わずに眠らせておいた大型のシーカヤック。
僕が今年、クルマを買い換えるまでは運ぶことができず、
今まで乗ることができずにいたんです。
だから、今回はなんとしてもこいつを自分のものとして
再デビューさせたかったのでした。
とはいえ、なぜか海ではなく川にしちゃったのですけれど、まあいいのです。

出発。
サーフカヤック、パックラフト、シーカヤックという、不思議な3人編成。
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しかし安全で楽しければ、フネの種類やスタイルなんて、どうでもいいこと。

橋の上には、やたらと多い人の影。思いっきり、平日なんですが。
そして、みんなカメラを持っています。
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こういう場所は他にもあり、共通点は「線路の近く」なのでありました。
ちなみに、久慈川に沿って走っているのは、JR水郡線。

少しすると、甲高い汽笛が聞こえてきて……。
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ちょうどこのころ、水郡線に蒸気機関車を走らせるイベントが
行なわれていたんですね。ついでに、写真コンテストも。
事前に知っていたら、川の上からSLを見るという貴重なシチュエーションで
橋の上の人とは違う写真がきれいに撮れたはずなんだけど、
今回は、これが精一杯。カメラもダメなやつだったしなあ。

普通に漕いでいると、目的地まであっという間に
到着してしまうので、適当にお遊び。
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僕のフネの半分もない大内くんのサーフカヤックに、牽引してもらったり。
大内くんはインストラクターでもあって、さすがにグイグイ引っ張ってくれます。

沈下橋の下では、写真を撮りながら、のんびり。
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だけど晩秋だけあって、漕がない、つまり体を動かさないと、
けっこう寒さを感じてしまいます。本当は夏がいいのだけど、
この川は鮎釣り師が多く、いい時期にはとても下ることなどできはしません。

途中には堰があり、それぞれポーテージ。
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ツッチーのパックラフトは、さすがにラクラク。

僕のカヤックは魚道を利用して、滑り落としていく感じ。
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それほど面倒でもなく、この程度のポーテージでよかった。

激流を見事に下った大内くん。
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いや、そうではなく、たんなるお遊びのイメージカット。
川だから「消波」ブロックという名前が合わないけれど、
要するにテトラポッドが折り重なり、先ほどの堰を作っているわけです。
こういう人工物は自然の岩よりもよほど危険なので、
大内くんといえども、実際にはこんな場所を漕ぐはずもありません。

クルマをデポしておいた目的に近づきつつ、あくまでもゆったり。
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この時期は水がきれいなのが、いいところ。
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しかし、いっしょに漕いでいるとは思えないほど、ぜんぜん違うフネ。
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こんな感じで1泊2日、実際に漕いだのは1日だけという川の旅が終了。
僕は新しいシーカヤック、POINT65の“シークルーザー”を
やっと漕ぐことができて、非常に満足しました。
とはいえ、名前がシークルーザーだからなあ……。
次はやっぱり海を漕がないと。

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2013年1月19日 (土)

北アルプス/立山連峰

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すでに『PEAKS 1月号』に掲載されておりますが、
昨年の11月末に北アルプスの立山で取材を行なってきました。
登山中心ではなく、山岳道具のインプレッション、つまり「お試し」をするためです。

そのために特集内は、道具の写真ばかり。
そこで今さらながら、ここでは山の写真を中心にお見せしたいと思います。

室堂に到着すると、はじめから軽い吹雪で、周囲は真っ白。
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2年前にも、この山域で同じような取材をしましたが、
そのときよりも雪が多い印象。
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室堂ターミナルから、総勢10人以上のメンバーで、
なんとか拠点となる雷鳥荘に向かい、
さらに僕たちのテント泊班は雷鳥平まで下りていきました。
一歩先の雪面の状態すらわからず、手探りというか足探りというか、
ときにはトレッキングポールの先を前方の雪に刺し、
いちいち確認して歩かねばならないという状況。
僕だけだったら怖くて歩くのをやめていたかもしれませんが、
今回は山岳ガイドもメンバーに含まれており、その点では安心でした。

とりあえず、雷鳥平に到着し、テントを設営。
僕たちのテント泊チームは、テント、マット、寝袋、バーナーなどの
「住」関係の道具のテストを行なっていきました。
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チームのメンツは、僕のほかに、山岳ガイドの佐藤佑人くん、
『PEAKS』編集部の森山さん、そしてカメラは新井和也さんという4名。

多少の雪は降っていたとはいえ、天気は好転していき、翌朝。
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朝の最低温度は-13℃、雪面温度は-15℃と、そこそこの寒さ。
周囲のうち3方を山に囲われた場所なので、
風もそれほどは強くはありませんでした。

昨年も登った奥大日岳
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あそこまで行けば、剱岳がカッコよく見えるのだろうけど、
今回は、まずは道具の撮影を。
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昨日とは一転して、すばらしい天気であります。

大きな画像だと迫力があり、けっこう気に入って
FACEBOOKでも使ってしまった写真(ここでは小さいままだけど)。
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いちばん上のあたりが剱御前小舎がある場所で、
2年前は立山を縦走し、そこから雷鳥平へと下山しました。

しかし今回、僕たちが2泊目を予定しているのは、
立山の主峰・雄山の南側にあたる一ノ越、できればより南の龍王岳の付近。
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一ノ越は、上の写真のいちばん低い部分ですね。

雷鳥平からは、いったん雷鳥荘まで登り‥‥
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ここから再び室堂ターミナルの付近を経由して、一ノ越へ向かいました。

もう一度、奥大日岳。
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なんだかソフトクリームっぽいですね。

一ノ越へと進んでいくと、雪の斜面の上になんだか見たことがある面々が。
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同じく『PEAKS』の取材チームで、あちらはアイゼン(クランポン)や
ピッケル(アイスアックス)、スノーシュなどの
行動時に使うギアをテストしているところでした。

彼らと手を振って別れ、再び一ノ越への道。
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この日は好天ということもあって、朝早くから登山者のほかに
スキー、スノーボードを楽しむ多くの人が一ノ越を目指しておりました。

右のほうが、テント泊候補地の龍王岳のあたり。
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さて、あそこまで余裕を持って到達できるものか。
じつは雷鳥平での撮影に思いのほか時間がかかってしまい、
すでに予定よりも遅い時間になっていたのでした。

ともあれ、一ノ越に到着。
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針ノ木岳から野口五郎岳にいたる稜線が遠くにそびえ、
よく見ると槍ヶ岳の姿も確認できます。

調子に乗って、スノーシューでジャンプ。
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たまにはこんな記念写真もね。

この後、一ノ越でもいろいろあって時間をとられ‥‥。
これが普通の登山ならば龍王岳まで十分行けるのですが、
僕たちが優先しなければならないのは、「撮影」。
薄暗くなり過ぎると、写真がきれいに撮れず、取材にならないんです。
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なので、僕たちは龍王岳まで行くことを止め、
その途中の鞍部でテントを張ることに。まあ、これは想定内。
ちなみに龍王岳の山頂は、上の写真の高い部分(の奥)。
本当に目の前なのですけれど。

2泊目のテントを張る場所の第一条件は、「風が強い」ことでした。
通常とは違う場所の選び方ですが、これはテントの耐風性をテストするため。
そういう意味では、この場所は龍王岳山頂付近よりも好都合なのですが、
背景となる景色はやっぱり山頂のほうがよかったでしょうね。

2泊目の僕の夜メシ。
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雪を溶かして水を作り、アルファ米と焼豚、野菜を投入して雑炊にしました。
メシを食うときも弱火にしたままにすると、最後まで温かい食事がとれるので、
僕はこんな汁気が多い雑炊や鍋ものを雪山でのメニューにすることが多いのです。

さて、この日の夜。
テストのためにある程度の強い風は吹いてほしかったものの、
この日の晩は非常に強烈で‥‥。けっこう風が強くなってきたな、と
就寝前に風速計で記録したのは、風速20m程度。
しかし眠っているうちに、ますます風は強まっていき、
テントはほとんどつぶされかかり、ポールは今にも折れそうな状況に。
おそらく瞬間最大風速は、軽く30mを超えていたはず。
いや、もっとすごかっただろうな。
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空には星が輝き、雪も降っていないというのに、
テントの風下には最終的に40センチ近い雪が積もりました。
強風で地吹雪となった雪が集まっちゃったのですね。

なんとか耐え切って、翌日の朝。
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風も弱まっており、森山さんのテントを見ると、すでに明かりが。
みんなそれなりに大変な夜だった模様。

こちらは暴風のなかを耐え切った僕のテント。
テントの壁面が、寝ている僕の顔を覆うほど変形しましたが、
どこにも破損はなし。
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このテントを使うのは、残雪期の毛勝三山など、じつは3回目。
これだけ使えば、テントの実力がよくわかるというものです。

そして室堂へ向かい、下山を開始。
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このルート上でも撮影を行なっていきました。

一ノ越を見上げれば、ときおり雪煙が。
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また風が強くなってきたようでした。
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さまざまな道具のテストの結果、僕たちの感想は『PEAKS 1月号』を。
すでに2月号が発売されているというのに、
こんなタイミングでご紹介して、なんだかすみません。

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2013年1月17日 (木)

奥秩父/笠取山への再登山

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10月の終わりに奥秩父の笠取山を中心とした取材に行った僕ですが、
そのときは悪天候のために、将監峠に往復するだけであっけなく途中で下山。
わざわざテントを張って1泊したというのに‥‥。

そこで、約1ヵ月後、再び同じルートで再取材を試みたのでした。
この山行については、そう遠くない時期に雑誌で書くことになっているので、
ここでは軽めのご紹介にしておきます。

将監小屋までは、前回といっしょ。
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今回のブログは、将監峠への登り道からの開始です。

で、将監峠。
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前回は写真すら撮らなかったというのに、今回はまさに青空。
ここから西に向かい、笠取山へと縦走を開始しました。

基本的には樹林帯ながら、ときおり見晴らしがよい場所も。
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とくに晩秋は木の葉も落ちきり、富士山もしっかりと眺めることができました。
この写真はかなり寄っていますけれど。

夏ならば半分ほどは木陰であったはずの樹林帯の稜線も、
この季節は光でいっぱいであります。
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このルートを歩くのは初めてだったので、なかなか新鮮。

ゆっくりと数時間歩くと、笠取山に到着。
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この山には山頂が二つあり、こちらは標高1953mの最高地点。
ただしかなり狭く、それほど視界も開けておりません。

そしてこちらがもうひとつ山頂。
周囲の景色はすばらしく、富士山もよく見えます。
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ただ、個人的には狭いほうの山頂のほうが好きかも。
というのも、その直下から山頂を見ると、こんな感じだから。
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まるで小さなスキー場のように樹木が帯状に切り開かれており、
なんだか人工的なんですよね。
だけど、だからこそすばらしい景色を眺められるわけでもあり‥‥。

時間に余裕があるので、笠取小屋に向かう前に、雁峠に寄り道。
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ゆっくりと休憩し、のんびりと過ごしました。

その後、笠取小屋からは多摩川源流部を通るルートで下山。
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このあたりも木々の葉が落ち切って、非常に開放的な雰囲気でした。

山腹につけられた道を延々と歩いていくと、ついには車道に。
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駐車場まではアスファルトの上を進んでいきました。

いやはや、同じ場所にわざわざ2回も行っただけに、
今回は晴天に恵まれて、本当によかった!
次は季節を変えて、もう一度行きたいと思っております。

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2013年1月15日 (火)

『PEAKS 2月号』発売中

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『PEAKS 2月号』が発売されました。
大特集は、読者参加企画の「リーダーズ・セッション」。
僕も“ゲスト”として加わっており、そのときの写真が表紙にも。
左端が僕なのですが、ひとりだけ異様に日焼けしております。

そのときにみんなで歩いたコースは、北アルプスの白馬岳
僕ではなく編集部が書いたルポが6ページあり、
他にも装備や食事のチェックなどが4ページ分ついております。

今回で第2回目となるこの企画、今年も行なうようですが、
これまでの“ゲスト”のなかで唯一、第1、2回と連続して加わった僕は、
第3回目は不参加となることが決まっております。
だけど、今年もきっと面白いゲストが参加するでしょうから、お楽しみに。

この特集とは別に、断続的に連載していた「マウンテンギア研究所」で
「グローブ」について6ページ書いてもいます。
今回で24回目となったこの連載は、これにて最終回。
初回と、ゴアテックスの紹介という特殊な回を除く、
22回分を担当してきましたが、毎回とても製作するのが大変なページでした。
重い任務から解き放たれ、今は安堵感でいっぱい。
しかし、この連載をまとめた書籍を夏前までに作ることになっており、
これからその作業を本格的に始めなくてはなりません。
基本的には、これまでの連載で作ってきたページの再編集になりますが、
加筆、修正、新内容のプラスなどを行なうために、やることは山積み。
いずれにせよ、できるだけよいものができるように、頑張ります!

というわけで、『PEAKS 2月号』、書店でご確認くださいね。

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2013年1月14日 (月)

愛鷹連峰/黒岳~越前岳、再訪

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1年くらい前にひとりで歩いてきた愛鷹連峰に、もう一度行ってきました。
今回はカメラマンといっしょで、
すでに発売後になっている『ビーパル1月号』に掲載されています。
以前のプライベート山行が、計らずも取材の下見になったわけです。

ルートは前回と完全にいっしょ。
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このあたりには幽霊が出るともいわれている
愛鷹神社と松本塚がある登山口から出発。

で、早くも黒岳の山頂。
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前回はここにテントを張ったっけ。
ちなみに冒頭の富士山の写真は、近くの展望所から撮ったものです。

このときは紅葉がなかなかきれいでした。
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このブログでは、山行記録がいまだ11月のときのものなんですよ。

尾根を歩き、続いて越前岳へ。
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ここからも北側に富士山は見えるけれど、ちょっとイマイチ。

しかし、南のほうには駿河湾。
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こっちのほうがいい眺めで、僕好み。
じつはもともと富士山の景色には、それほど興味がなかったりして。
ちなみに、この『ビーパル』の取材のお題は「絶景低山」でありました。

そこから稜線を、さらに南へ。
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すると、先ほどの越前岳の向こうに、再び富士山が。

谷沿いを下っていくと、印象的なのが、この大きな杉。
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下のほうは写真に入りきりません。

そんなわけで、僕には珍しく日帰りの山行。
できればテントで1泊したい気持ちは強いのですが、
天気もすばらしかったし、たまにはこういうのもいいですね。

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2013年1月13日 (日)

奥秩父/将監峠への往復

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昨年、いちばんむなしい思いをした山行が、この奥秩父。
奥秩父のなかでもどのあたりといってよいのか、
山名すら挙げられず、たんに将監峠へ往復しただけ。
じつは、この山行は予定通りにいかず、途中で断念しているんです。
当初は、1日目に将監小屋でテント泊を行なったあと、
2日目は笠取山まで縦走する予定だったのですけれど。

上の写真は、下山時のものですが、カメラマンの加戸さんが
フードをかぶっていることで想像できるように、けっこうな雨が降っております。
つまり、この山行のメインとなるはずだった2日目は悪天候で、
「この天気の中を歩いても、とても取材にはならないよ」と、
あっけなくあきらめて下山することにしたというわけ。
出発前には天気がよいと思っていたのですが、
入山後に思いがけないほど悪化してしまい‥‥。

ともあれ、初日は将監小屋まで歩いていったんですよ。
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小屋のご主人はともかく、他には僕たちだけでした。
このあと、明日の下見がてら、将監峠へ。
まあ、翌日に行くことは結局なかったのですけどね。

今回は写真をぜんぜん撮っていないので、こんなものも入れちゃいますよ。Img_0036a
このときの調理器具。夏から使い始めていた
ジェットボイルのSUMOとSOL、コンパニオンボウルセット。
軽いけれど焦げやすいチタンのモデルではなく、ちょっとくらい重くなっても、
焦げずにくくて調理がしやすいアルミを僕は選んでおります。
小型のマルチツールは、レザーマンのスクォートPS4かな。

夕方。
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このときも雲っていましたが、まだ明るさはあり。

夜。
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なんか嫌な感じの雲が、うっすらと写っておりますね。

朝になると周囲はガスで真っ白で、小雨も降りはじめ
風も強くなりそうな雰囲気。なによりも天気予報がよくないので、気分はぐったり。
どう考えたって、まともな写真が撮れる1日になる可能性がないんですよ。
プライベートなら歩いてみたかもしれないけれど、
雑誌の取材で山の景色が撮れないならば、意味がないというわけで。
ただ幸い、このあたりは東京からも近いので、
「仕方ないから、もう1回出直してこようよ」と意見が一致し、
朝早くには林道を使って、ささっと下山したのでありました。

この山行の件、これで終了。

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2013年1月12日 (土)

『ワンダーフォーゲル 2月号』発売中

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僕がかかわっていた雑誌が1月10日に3冊も発売されていたので、
こちらは2日遅れのご紹介。『ワンダーフォーゲル 2月号』です。

この号の大特集は「山の新基本200」というもの。
副題に「Q&Aでわかる新しい山の歩き方」とついており、
どれも質問に対する回答、という形式になっています。

基本的に回答者は山岳ガイドやショップの方で、
そのコメントをもとに、ライターがわかりやすく原稿に起こしています。
しかし、僕は「テント泊」6ページ分の回答者でありつつも、
原稿も自分で書いてしまっています。だって、本業がライターですから。

詳しい内容は雑誌を見てほしいのですが、回答はだいたい教科書的。
質問例をあげないで説明するのは難しいけれど、
実際は本当はグレーゾーンもある回答を
おかしな誤解が生まれないように、あえて白黒つけて説明したり、
曖昧さをなくして言い切った項目も含まれています。
簡単にいえば、僕自身が自分の回答と少し違う行動を
行っているときもないわけではないのですが、文字数の制限もあり、
今回はできるだけ誤解が生まれないようなシンプルな回答にしてあります。

僕に限らず、他の回答者のコメントにも
それぞれの人の山や道具に対する考え方の個性が表れており、
僕が読んでも「なるほど」とか「そうなの?」と思うものがあって、
いろいろと参考になりますよ。

これ以外のページでは、毎回担当している
『MOUNTAIN EQUIPMENT BRAND HISTORY』で、
最近スピードハイキングという分野に力を入れている
「サロモン」について6ページ書いています。
このメーカーには僕もそれほど詳しくなかったので、
この仕事を通じて勉強になりました。

そんなわけで、ぜひどうぞ。

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2013年1月11日 (金)

『ビーパル 2月号』発売中

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昨日、『ビーパル 2月号』が発売されました。
この号の大特集は「アウトドア雑学コラム」ですね。

僕が案を出し、原稿を書いたのは、「ギア」の部分で2つ。
●ゴトクが替えられる新型ストーブ
●日本別注・海外テント
どちらも2/3ページの扱いです。

具体的にいえば、前者は4月に発売予定の
SOTOのマイクロレギュレーターストーブのニュータイプで、
今回の原稿を書いた時点では名称未定。
年が明けた今はもう正式名称が決まっているはずですが、
僕もまだ情報を得ておりません。
これは先月発売の『PEAKS』でも軽く紹介しているかなり面白い製品。
スペースを多くもらった『ビーパル』では、より詳しいことがわかります。
といいながら、それでも書ききれないこともあったので、
いずれこのブログで詳しく紹介したいと思ってます。

後者は、ニーモのタニ2Pの今期リニューアルバージョン。
それと、ビッグアグネスの人気モデル、フライクリークのノーメッシュモデル。
フライクリークのほうは昨年の製品ですが、
今後、さらに日本別注モデルがいくつか発売されることになっていますよ。

じつは、この号では原稿以外にもお手伝いした部分が。
それは表紙などの撮影で、写っている5人のうち数人は、
僕が持っていたウェアを着たり、ブーツを履いたりしています。
僕自体は写っていないんですけどね。

撮影は筑波山で、本当は朝日を狙いにいったのですが、
土曜日だったので山頂には予想以上に人が多く、理想的な撮影はできず。
そんなこんなでこのような表紙になりつつ、
雑誌内ではそのときのロケで撮った写真がほかにも使われています。

この号、中身が濃いので、ぜひチェックしてみてください。

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2013年1月10日 (木)

『MonoMax 2月号』発売中

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本日、『MonoMax 2月号』が発売されました。
このなかに「目利きの欲しいモノ」という大特集があり、
僕は「アウトドア四天王」なる立場のひとりとして登場しております。

そして「今ほしいもの」を3点、ピックアップ。
●ファイントラック/エバーブレスフォトンスーツ
●キーン/ダラスウェリントン
●キヤノン/パワーショットD20
を取り上げていて、1ページのスペースです。
共通するのは「水まわり」で使えること。

「ほしいもの」なので、まだもっていないというか、
今後買うかもしれないというか、そういうもので、
本当にフィールドで使いやすいかどうかはわからないのだけど、
しかし、いずれ試してみたいものなんです。

今回、僕は写真に撮ってもらい、コメントをするだけになっており、
原稿は他のライターさんが書いてくれています。
僕自身も本当はライターなので、若干心苦しいのですが‥‥。

そんなわけで、ご覧になってくださいね。

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2013年1月 9日 (水)

北アルプス/千丈沢~槍ヶ岳~天上沢 (廃道の谷歩き)-3

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「北アルプス/千丈沢~槍ヶ岳~天上沢」の第3回目。
書きたいことをかなり省略して(廃道の歴史とか、現地の雰囲気とか)、
無理やり今回で終了させます。
この廃道中心のルートの地図は、第1回目を参照してください。

さて、槍ヶ岳の山頂を経て、僕たちは天上沢に向かうため
東鎌尾根につけられた、いわゆる「表銀座コースへ」。
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朝早くから行動していたのに、谷間から稜線に出て、山頂に往復してと、
歩きにくい場所を含めて、けっこう行動していたので、すでに昼過ぎ。
だけど、この時点では時間に余裕をもって
キャンプ適地まで下れると思っていました。

ところが‥‥。
ヒュッテ大槍に到着したところ、すでに今年は閉館。
ここでアルコールを入手しようと思っていた麻生くんの顔色が変わりました。
この人は、自身の著書『マッケンジー彷徨』を刊行しており、
テーマが荒野の川旅のはずなのに、書いてあるのは酒にまつわることばかり。
本自体はものすごく面白いのですが、
ともあれ酒がないと生きてはいけない男なのでした。

そこで、僕と泥谷くんはヒュッテ大槍で待機し、
麻生くんだけが、わざわざ殺生ヒュッテまで買出しにいくことに‥‥。
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待つこと30分以上。寒かったなあ。
だけど、本人はうれしそうですね。
あまり人様にお薦めできる行動ではないけれど、今回はまあ、よし。

冒頭の写真と似たカットですが、こちらがこれから下っていく天上沢。
表銀座コースを歩いたことがある人ならば、
眺めたことがあるはずの風景です。
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白い線になっているのは水の流れではなく、ゴロタ石。
要するに涸れ沢で、水流はその下にあります。

表銀座コースの名物ともいえる、長いハシゴ。
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夏ならば渋滞する場所ですが、このときは僕たち以外、だれもいません。

縦走路と天上沢へ下りる踏み跡との分岐になる水俣乗越。
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ここから先は、再び登山道ではなくなりますが、
北鎌尾根に挑戦する人がよく利用するルートでもあり、
人が歩いた痕跡はけっこうしっかり残っています。

しかし、やはり登山道ではないので整備されているわけではなく、
ものすごく崩れやすいんですよね。
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下り始め早々に、泥谷くんはスリップ。ルートファインディングのために
先行している僕は、上からの落石に備え、かなり距離をとって進みました。
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前に北鎌尾根にいくために、ここを歩いたときは雪渓でしたが、
さすが10月ともあって、残っている雪はわずか。

なんか暗くなってきたぞ。
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この時期は1年でもっとも日が短い時期でもあり、
とくに谷間はすぐに薄暗くなってしまうのでした。

とはいえ、ヘッドライトをギリギリ使わないですむタイミングで、
僕たちは北鎌尾根に登る人たちの多くが拠点としている北鎌沢の出合に到着。

ここで問題は、水場として使えるかもしれない、と期待していた北鎌沢に
水が一切流れていなかったこと。秋になると涸れちゃうんですね。
しかし、耳をすますと、どこからか水の流れる音が‥‥。
あのときの酒の買出しさえなければ、水のある場所まで行けたはずなんだけど、
暗い中を行動するのは避けておきたいし、
僕たちはある程度の水はキープしておいたので、
夜メシはそれでしのぐことにして、一晩を過ごしました。

で、翌朝。
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この時期は岩しかない北鎌沢の先には、あの北鎌尾根。

こちらは僕のテントの内部。
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外側はブラックダイヤモンドのメガライトで、
内側は、ものすごく昔に買ったダンロップ。このテントのフライは
加水分解でベタベタになって使用不可能になっていましたが、
インナーテントだけでもこんな感じで使えて、なかなか便利です。

一応、この日を最終日にするつもりで、出発。
ただし、ここから先、千天出合までスムーズに行動できる保障はなく、
予備日の使用や、上高地への撤退も考慮に入れておきました。
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まだまだ続くように見える岩石ばかりの河原。
だけど、じつは15分も歩かないうちに水の流れる場所が‥‥。
昨日、もう少しだけ歩いていれば、水をふんだんに使うことができたのに。

僕たちは快適そうな場所まで進み、新しい水を入手して、やっと朝メシ。
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自分自身がうつっている写真も1枚くらいほしいので、
その場所でカットを撮ってもらいました。
僕がフードをかぶっているのでもわかるように、このときは小雨模様。

千天出合が近づくにつれ、歩きにくい場所が多発。
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半ばヤブ漕ぎのような場所も。
とはいえ、それほどルート探しが難しいわけではありませんが、
千丈沢よりも天上沢のほうが歩きにくいことは間違いなし。
ちなみに、今は廃道の千丈沢側の道には
「宮田新道」という名前がついていましたが、
こちらの天上沢につけられていた道(同じく今は廃道)には、
そのような名前は何もついていなかったようです。

さまざまな先人たちが北鎌への挑戦や沢歩きの際に使ってきたであろう、
平らにならされたキャンプ適地に到着。しばし休憩。
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河床よりもかなり高い場所にあり、そこそこの大雨でも安全でしょうし、
こういう場所に数泊したら面白そうです。

水量はそれほどでもないものの、このあたりはかなりの轟音。
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下のような狭く急な滝もあり、落ちたらたぶん死んじゃいます。
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だけど、わりと明確な巻き道が付けられており、スリップしなければ大丈夫。
湯俣から北鎌尾根に登る人が、それなりに多いことがわかる踏み跡でした。

それからは、水の流れとともに歩くことは不可能なゴルジュになり、
ヤブのなかを高巻いたりと、なんとか歩いて再び千天出合に。
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ここで野営したのはわずか2日前なのに、
早くも懐かしい感じがするから不思議。

ともあれ、これで僕たちはぐるっと円を描くように
槍ヶ岳&北鎌尾根をまわったことになりました。
あとは一度は歩いた沢を通過し、無事に怪我なく戻れば、計画は成功。
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曇りがちの天気でしたが、心配していた雨による増水もなくてよかった。

湯俣に向かう水俣川の左岸に、温泉が流れている場所を発見。
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といっても、まったく温かくはないのですが。
日本の「温泉法」による温泉の定義は、水が一定以上の温度(25℃)か、
低温でも温泉成分が含まれていればいいらしいので、
これは一応、まぎれもない温泉。
あとで湯俣温泉晴嵐荘できいたところ、水俣川のほうでは
温かい温泉が湧き出ているところは確認されていないそうです。

相変わらず冷たい水の中を渡渉。
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しかし、陸上を歩く時間も長いので、それほど足が冷えることもありませんでした。

出発時に通ってきた、湯俣の吊橋が、とうとう目の前に。
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今回の山行では、ちょうどスタート&ゴールのラインのような存在で、
ここまで到達すると、感慨もひとしお。
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3人で握手なぞもしてしまいました。

ああ、トラブルなく計画が遂行できて、満足。
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沢靴を履いていたので、ソールがたっぷりと含んでいる水分で
足跡がきれいに吊橋へ付いておりました。

再び、水俣川と湯俣川の合流点。
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正面の湯俣川は温泉成分のために黒く、手前の水俣川は透明のまま。
なんとなく、アフリカの「白ナイル、青ナイル」のような風景です。

湯俣の晴嵐荘では、無事に戻ったことを報告。
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ここから先は遊歩道のようなトレイルと車道を歩き、高瀬ダムへ。
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高瀬ダムの先には、9月に歩いたばかりの船窪岳
こんな感じで、山中3泊、家を出て5日間の山旅が終わったのでした。

それにしても、面白かった‥‥。
もともと北アルプスの廃道や新道にはものすごく興味があったので、
このような山行を毎年行なうことを決意。
次の計画を考え、僕は今からワクワクしております。

(終わり)

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2013年1月 8日 (火)

北アルプス/千丈沢~槍ヶ岳~天上沢 (廃道の谷歩き)-2

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「北アルプス/千丈沢~槍ヶ岳~天上沢」の第2回目であります。
かなり特殊なルートなので、簡単な地図は前回を参照してください。
また、今回は非常に写真の数が多く、
興味がある方は時間があるときに見ていただけると幸いです。

そんなわけで、僕たちは山中初日のキャンプ地、千天出合を出発。
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出発の1歩目からが、すでに渓流の渡渉です。
Rimg1180a
このあたりは対岸に渡るのも一苦労。
水量が多いときは、水に全身浸からねばならないでしょうね。

昔の地図にだけ載っている「宮田小屋」の跡を探し、
河床よりも一段高く、なおかつ平たそうな場所へ。
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ほとんど自然に還っていましたが、いくつかの痕跡は発見でき、
だいたい当時の小屋の場所を把握することはできました。
ちなみに、かつてあった千丈沢の登山道には名前があり、
その名も「宮田新道」。晴嵐荘で聞いたところ、
以前、小屋で働いていた宮田さんが独力で開削した道だそうです。
その話、僕がこれまでに読んできた数百冊の山岳書にも
書かれていなかったことで、こういう話を掘り起こしていきたいものだと、
ライターの僕は強く思うわけです。

千天出合の付近は深いゴルジュ(峡谷)になっていて、
水量が多いときには通過するのが難しそうでした。
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しかし今回は水が少ないので、大岩を越える程度で、難なくクリア。

水はとても美しく、できれば夏の風景も見てみたいような場所。
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千丈沢の情報はあまり残っていないので、
大きめの滝などが出てきたらどうしようかと思っていましたが、
この時期ならば問題なく巻いていける程度の場所ばかりでした。

標高を少しずつ上げていくと、谷は広くなり、水量もさらに減少。
地形図から読み取れる以上の難所もなく、思ったよりは歩きやすいです。
Rimg1228a
とはいえ、再びゴルジュっぽくなったりして、変化に富んでおります。
背後には燕岳あたりの稜線も見えているのですが、
このカットではイマイチよくわからないですね。

右岸、左岸から流れ込んでいるいくつかの枝沢まで来ると、
千丈沢を挟んで沢の奥にそびえる北鎌尾根、硫黄尾根も遠望できます。
Rimg1256a
上の写真は硫黄尾根ですね。

さらに進むと水量はますます少なくなり、足を置くのはほとんどが岩の上。
Rimg1260a
足をかけるだけで崩れてくる大岩もあり、気が抜けません。

この後、とうとう水が完全に切れて伏流になっている場所が
ときどき現れるようになり、少々悩んだ挙句、この日は行動を中止。
翌日の行動を考えると、もっと稜線に近い場所へ進みたかったのですが、
それ以上進むと、完全に沢の水が地表から切れてしまい、
飲み水が確保できなくなる可能性がでてくる、という判断からです。
水筒にたくさんの水を入れて行動すればよいとも考えられますが、
わざわざ沢を歩いているのに、それもバカらしいと思いまして。

で、山中2日目のキャンプ地。
Rimg1270a
テントの前に、水がわずかに流れているのがわかるでしょうか。
後ろには北鎌尾根がそびえております。

3日目。
Rimg1305a
標高を上げていくと、北鎌尾根が存在感を増していきます。
数年前、よくもあそこを歩いたものだと、我ながら感心。

千丈沢をさらに登っていくと、いつしかゴロタ石ばかりに。
Rimg1316a
紅葉は終わりかけとはいえ、なかなか美しかったですよ。
あまりきれいに写っていないのは、カメラのせい。

西鎌尾根がだんだんと見えてきました。
Rimg1321a
左は槍ヶ岳。

上の写真から、場所と画角を変えて撮ったカット。稜線を見上げています。
Rimg1342a
こちらのほうが、千丈沢の最上部、僕たちが登っていくルートがよくわかるはず。

反対に見下ろすと‥‥。
Rimg1367a
道もない場所を、なんとか登ってきたのがわかります。
Rimg1372a
どこを歩けばいいのかわからないほど、1歩進むだけで崩れるガレ場。
ヘルメットを持っていって、やはり正解でした。
Rimg1375wwa
このあたりまで来ると、西鎌尾根を歩いている人もときおり見え、
やっと一般登山道が近づいてきたことを実感。

そして、とうとう西鎌尾根の登山道へ到達。斜面の歩きやすさの関係で、
千丈乗越から若干だけ北側にずれた場所から登りつめました。
Rimg1387a
ここまで来てしまえば、かなり安心。なにせ、普通の登山道ですからね。

千丈沢を歩いていたときには、はるか頭上にあった槍ヶ岳が
さほど遠くない位置にあることがわかります。
Rimg1390a
これから山頂を目指すわけですが、今回はオプション的な扱い。
次に向かう天上沢に至るまでのルート上にある「通過点」という感覚です。

西鎌尾根の南には、奥丸山。
Rimg1395a
そして飛騨沢には登山道。9月初旬に歩いたときとは、
千丈乗越付近の風景含め、かなり雰囲気が変わっております。
北アルプスでは、もう晩秋なのです。
Rimg1394a
延々と歩いてきた千丈沢を見下ろしながら、縦走開始。
Rimg1398a
当たり前だけど、道なき道を歩いていた沢に比べれば
圧倒的に足場がよく、あっという間に標高を稼げます。

天気はイマイチながら、槍ヶ岳山荘に到着。
Rimg1400a
小屋じまいの準備も進んでおりました。

これまでに何度登ったかわからないほどの、槍ヶ岳山頂への岩場。
Rimg1405a
季節はずれなので、他の登山者は数えるほど。

これまたいつもの、最後のハシゴ。
Rimg1406a
今回いっしょに行った泥谷くんは、これが初めての槍ヶ岳。
初・槍ヶ岳が千丈沢をさかのぼるルートからだなんて、
この数十年では、ほとんど誰もいないでしょうね。

山頂から見た北鎌尾根。
Rimg1409a
その左側が、僕たちが歩いてきた千丈沢であります。

上の写真から若干角度を変えると‥‥。
Rimg1414a
右側には、これから下っていく天上沢が。
今回のメインの2つの沢を眺めるために、山頂へ登ったようなものです。
もう少し、ガスがかかっていないとよかったのだけど。

山頂ではお決まりの記念写真。
Rimg1420aa  Rimg1421aa
そういえば、僕だけ撮らなかったけれど、まあいいか。

(まだ続く)

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2013年1月 6日 (日)

北アルプス/千丈沢~槍ヶ岳~天上沢 (廃道の谷歩き)-1

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昨年も繰り返し行ってきた日本の山々。
北アルプスだけでも縦走を中心に10回程度になりました。
その数々の山行の中で、いちばん面白かったものはといえば、
間違いなく「西表島のジャングル&海岸歩き」と、この「槍ヶ岳」。
といっても、9月の槍ヶ岳登山のように一般登山道を使うのではなく、
特殊ルートを使った山行でした。

そのルートは、以下の通り。珍しく地図まで載せてみます。
緑の線が歩いたルートです。
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高瀬ダムから、上の地図の右上の湯俣まで歩き、そこから沢沿いに南下。
槍ヶ岳北鎌尾根の西側にある千丈沢沿いに標高を上げ、
千丈乗越から西鎌尾根に上りつめて山頂へ。
さらに東鎌尾根の表銀座コースで東に歩き、
水俣乗越から天上沢に下り、再び湯俣に戻るという
「沢~尾根~山頂~尾根~沢」というルートです。
左下の青い丸が槍ヶ岳山頂で、ピンクの☆印が野営を行なった場所になります。

槍ヶ岳の地形をザックリいえば、東西南北に4本の尾根が延び、
そのあいだには4つの谷ができています。
そのなかで登山道がない尾根は、以前ここでも紹介した北鎌尾根のみ。
沢に目を向ければ、南東の槍沢、南西の飛騨沢にも登山道がつけられていて、
どちらも槍ヶ岳へのメインルート的存在。
しかし、北西の千丈沢、北東の天上沢には登山道がないんですね。
今回は、その千丈沢、天上沢を使い、槍ヶ岳周辺を歩いたわけです。

これら2つの沢にはかなり昔には登山道がありましたが、
ごくわずかな年月だけ使われただけで、今は消失。
僕はそんな廃道の痕跡を探し、北アルプスの歴史を確認したかったんです。
だから今回は登山道がない千丈沢&天上沢がお目当てで、
槍ヶ岳山頂自体は2つの沢を結ぶ途中、
通りすがりに寄っただけという感覚でした。
完全に自分の興味を満たすために考えたルートなので、
仕事にするつもりもなく、まったくのプライベート。

現在の山地図は役に立たないので、現在の国土地理院発行の地形図とともに、
約80年前、50年前、30年前の山岳地図も持っていきました。
こういう地図を見比べながら歩くのが、じつに楽しい!

そんなわけで、こちらが湯俣。高瀬ダムから湯俣温泉晴嵐荘まで一気に歩くと、
ここで一休みしてから、本格的に出発しました。
Rimg0431a
北鎌尾根へのアプローチに使われる天上沢はともかく、
小屋の方によれば、千丈沢に立ち入る人は非常に少なく、
この年も僕たちが向かう前に数パーティが入ったものの、
難所を通過できず、途中で断念して引き返してきたそうです。
そんなこともあり、こんなルートで湯俣から出入りし、
千丈沢ばかりか天上沢も使って
山頂に往復した人はいなかったのではないかとのこと。
昔はいたのでしょうが、少なくても最近はいないのでしょう。

今もわりときれいな姿で残る標識。
Rimg0434a
「千天出合」というのは、千丈沢と天上沢が合流する地点で、
これまでに書いてきたように、槍ヶ岳に至る登山道はもはや消失。
その上に書かれている「伊藤新道」も今は廃道ですが、
僕は数年前に、『山と渓谷』の取材で歩いたことがあります。

千丈沢と天上沢が合流して生まれた水俣川。
この吊橋から奥に歩いていくと、千天出合です。
Rimg0439a
逆に写真のすぐ手前では、
三俣蓮華岳のほうから流れてきた湯俣川と合流し、高瀬川になります。

水俣川沿いに千天出合に向かう前に、湯俣川方向にちょっと寄り道して、
国の天然記念物の「噴湯丘」を見物。頂点からは熱湯が噴き出しております。
Rimg0459a
こんなものがあり、各地に温泉が噴出しているから「湯」俣川なのですね。

湯俣川のなかにも、こんな温泉由来の岩石が。
Rimg0473a
このあたりまでは誰でも来られるので、
けっこう多くの方々がピクニック感覚で訪れておりました。

湯俣川の右岸の岩には、伊藤新道の痕跡が。
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岩に刻まれた石場やロープの残骸が、時代を感じさせます。

そして、やっと水俣川を遡行し始め、槍ヶ岳の懐へ。
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こちらは「水」俣川なので、温泉成分はあまり混入せず、比較的透明。
湯俣川では、熱湯が噴き出して足湯ができる場所があったり、
川の中でも水がぬるい場所もあるのですが、こちらはただ冷たいだけ。
数えきれないほど渡渉を繰り返し、川の中を歩いていきます。

倒木も多く、多くの石は浮き、足場は非常に不安定。
Rimg0509a
だけど、幸い水量は少なく、できるだけ陸上を歩いていきます。
そもそもこの山行は10月初旬でしたが、
なぜ水が冷たいこの時期にしたのかといえば、一年でもっとも水量が少ないから。
今回の谷は、事前にほとんど情報が入手できない場所だったので、
僕たちはもっとも無理をしないで歩けるタイミングを狙ったのでした。

とはいえ、それでも水量が多くて突破できない可能性もあり、
通過できたとしてもものすごく時間がかかる場合もあるので、
ダメならば途中で引き返すか、稜線に出たら上高地に下りることも考え、
さらに予備日を使うことも考慮に入れておきました。

昔の地図を見ると橋がかかっていた場所まで到達。
Rimg0526a
川の中から何本もの丸太が不自然に突き出しておりました。
雪解けの時期は激流になるだろうし、大きな岩も流れてくるだろうに、
いまだにこれだけ残っているのがすごいというか、不思議な気がします。

岩壁のかなり上の方に、ボロボロになったロープが。
Rimg0551a
本当はどのように取り付けられていたのか、
そして取り付けられていたとしても、どうやってそれを使って
この場所を乗り越えていけばいいのか、見当もつきません。
だって、あの位置まで水が流れていたとしたら、
あんな細いロープで体が支えられるとは思えないし。
すでに流されてしまっただけで、木や鉄の足場も昔はあったのかもしれません。

繰り返される渡渉。とはいっても、深くても膝くらいまで。
Rimg1142a
写真に写っているのは、ライター仲間の麻生弘毅くんと、泥谷範幸くん。
今回は3人での山旅でした。
全員ライターだけど友達でもあり、これは遊びの一環ですね。

数時間歩き、千天出合に到着。もっと先まで進むこともできましたが、
安全に野営できる場所がその先にはないかもしれず、
あったとしても到着までに日暮れになるかもしれないと、この日はここまで。
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今回はいろいろと考えたあげく、1ポールテントの内側に、
ペグも打たずにソロ用のインナーテントを入れるというシステムに。
外気を遮り、体を横たえるスペースはキープしつつ、
悪天候のときは3人でメシを食えるスペースも確保しておきました。
1ポールテントって、タープ的に使えるから、なかなか便利です。

シューズは滑りやすい谷間の渡渉を考えて、モンベルの沢靴を用意。
Rimg1145a
しかし岩場や稜線を歩く区間も長いため、いつものスカルパも持っていくという
ダブル状態。ぜったいにどちらかは持ち歩かねばならないので面倒ですが、
現在市販されているシューズでは、
こんなルートを一足で済ませられるものはないので、仕方ありません。

山中、初日の夕方。谷奥はすぐに暗くなってしまいます。
ただし、水はすぐ目の前を流れているので、調理はラク。
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僕たち以外誰もいない谷の奥で、ひっそりとした夜。
いや、本当は絶えず沢の轟音が鳴り響いていたのですが、
心はとても穏やかなのでありました。

(続く)

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2013年1月 5日 (土)

あけましておめでとうございます。

Ssa

あけましておめでとうございます。
もうすでに1月5日ですが、まあ一応。

山ではたびたび、ヘビには遭遇しているはずなのに、
意外と写真には撮っていないものですね。
これまでに撮影した画像を探してみても、なかなか発見できず、
やっと見つかったのが、上の写真。
数年前に行ってきたボルネオでのカットでありました。

今年がどういう年になるのか、今のところまったく見当もつきませんが、
とりあえず仕事は例年のように雑誌を中心としつつ、
夏前に予定している3冊目の本を出すために、雑務をたんたんとこなしていくのみ。
直近でのプライベートでの楽しみは、
これまた例年のように、春の西表島遠征です。

それでは、今年もよろしくお願いします。

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