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2013年4月 4日 (木)

奥秩父/両神山 (雪との妙な戦い)

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もうかなり前のことになりますが、1月中旬に両神山へひとりで行ってきました。
世の中はもう春なので、さっさとブログにアップしておきましょう。
上の写真は、山頂から見た浅間山であります。

このときは夜から天気が崩れることがわかっていたため、
面倒なルートは避けようと、ド定番の日向大谷口から出発。
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このまったく雪がない駐車場の風景、覚えておいてください。

凍結箇所もほとんどないので、行動はスムーズ。
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こんな道をズンズンと進んでいきました。

清滝小屋の手前にある弘法乃井戸の付近。
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水場として期待していましたが、やっぱり凍結していました。
そりゃそうですよね、1月なんですから。

で、清滝小屋の裏に愛するテント、ドマドームを設営。Img_1267a
そして身軽になって山頂へ。

こちらの岩は、横岩。
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この日、僕以外の登山者は数名いましたが、みんな日帰りでした。

両神神社を通過。
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一説にはニホンオオカミともいわれる山犬様がお出迎え。

あっという間に山頂へ。
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すでにけっこう遅い時間です。山頂でいっしょになった人は
「駐車場に戻るのは、完全に夜だろうな」などと話しておりました。

しかし清滝小屋でテント泊を行なう僕には余裕があるので、
一人きりになった山頂で、ひたすらぼんやり。
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山頂からは奥秩父の山々がきれいですが、
いかにもこれから天気が悪くなりそうな雰囲気であります。

さて、ここでの問題は、「水」がないこと。
水場は完全に凍っているし、溶かして飲み水にする雪もないし。
ものすごく中途半端な状態です。
こうなると選択肢はひとつ。
さっきの弘法乃井戸からあふれ出て固まっていた氷を溶かすだけ。
水作りには効率が悪い方法なんだけれど。

そんなわけで再び、弘法乃井戸が登場。
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当初は、こんな状態。
この氷はゆっくりと固まったためか、ものすごく硬く、もはやコンクリート並み。

そこを手近にあったデカい石で殴りつけ、殴りつけ、殴りつけ……。
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写真じゃわかりにくいけれど、かなりの量の氷を割り取ることに成功。
しかし全力で作業したために全身汗だくで、時間も非常にかかったため、
陽がほとんど落ちた時間帯になってしまいました。
いや、ほんと、めちゃくちゃ硬い氷だったんですよ。

テントに戻るとクッカーのなかに氷を入れ、
バーナーの炎でなんとか溶かしていきました。
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水になったら野菜とウインナーを入れ、山中でのひとり鍋。
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火にかけながらつねに温かい状態で食べられる鍋は、
寒い時期にはお薦めです。

その後はゆっくりと本を読み、深夜に就寝。
しかし、朝になって起きると……。
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テントの外は、雪で真っ白。

フライの上に積もった雪を落としても、この有様であります。
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じつは出発前の天気予報では大雪の可能性が報じられており、
見事に当たったわけなのでした。
ちなみにこの日は、1月15日。
首都圏が雪で麻痺し、一大事になったあの日なのであります。

とはいえ、事前に予想していたことなので、大きな問題はなし。
むしろもっと積もってくれたほうが、アイゼンの効きがよいからと、
出発をズルズルと延ばし、雪がより積もってからゆっくりと下山を開始し始めました。
このとき、じつはちょっと嫌な予感はしていたのだけど。
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出発時の積雪は、20センチちょっとだったように思います。

下山途中、降雪のために道がわからなくなる場面もありましたが、
難なく正しいルートを見つけ出し、どんどん標高を下げていきました。
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このときで、積雪は25センチくらいかな。

日向大谷口の駐車場に到着。
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出発時とはまるで違う、雪の世界であります。
クルマの轍は残っているものの、なんとか走ったというような雰囲気。

僕はとりあえず奥にある東屋に入り、温かいウェアに着替え、バスを待ちました。
もしかしたら運休になったかもしれないと思いつつ、
こんな山奥を毎日走っているバスなのだから、
ギリギリやってくるのではないかという淡い期待も持ちながら。

ヒマなので、今回初めて使ったアイゼンを撮影。
適当に撮ったので、形状はよくわかりませんけどね。
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これはハイカーズデポで買った、カトゥーラのKTSクランポン。
6本爪程度の軽アイゼンでは頼りなく、
かといってクロモリの12本爪では大げさというような
まさに今回のようなシチュエーションに適した10本爪。
アルミ素材もあるのですが、僕は丈夫なスチールを選びました。
それでもかなりの軽量で、こいつは買って正解。

ついでに今回初めて使ったバックパックも撮影。
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マックパックのグリセードであります。
グリセードクラシックとは違いますよ。
これは以前から使い続けているモデルですが、今は廃番。
あまりに気に入って使っていたのはいいけれど、使い過ぎて傷みがひどく、
以前、ネットオークションでサブとなる2つめを落としていたのですが、
僕は懲りもせず海外のネットオークションまでチェックし、
なんと3つめをイギリスから送ってもらったのです。
だって、日本円にして1万円ちょっとで落札できたんですよ。
1つめ、2つめは黒でしたが、これはスレートという、ネイビー的なグレー。
さんざん使ってきたモデルなのに、ちょっと新鮮です。

そんな撮影をしているうちはよかったのですが、定刻を過ぎてもバスは来ず……。
とうとうバスを管轄している小鹿野町役場に電話すると、
「そこまでは行けなくなったけれど、もう少し下まではたぶん走る」とのこと。
「どうしますか?」といわれても、どうなるものでもなく
「自分でバスに乗れる場所まで歩いていきます」と答えて、電話を切り……。
もう一度荷物のパッキングをやり直し、車道を歩き始めました。
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いや~、しかし、どこまで行けばバスに乗れるのか?
へたすると完全にバスの運行はストップし、
両神庁舎あたりまで10キロくらい歩かねばならないかも、
この歩きにくい雪の中では、歩行4時間以上かな、などとも考えていました。

まあ、こんなタイミングであえて山に行った僕が悪いのですが、
だからといって危険なわけではなく、ただただ面倒さがアップしただけ。
なにしろ道の途中にはいくつもの人家があり、
たんにクルマが走れないだけなのですから。
自分が大変なだけで、誰かに迷惑をかけるわけでもないし。
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ただ歩いているのもヒマなので、ミラーに映った自分も撮影しちゃいます。

日向大谷口の駐車場から歩き続けること、約1時間半。
雪はますます深くなり、両神庁舎まで歩く覚悟さえできてきたころ、
突然、奇跡のようなことが!

久しぶりに見た「動いているクルマ」が僕のもとに。
運転していた男性は、
「さっき、役場に電話してくれた人ですか? バスは運休しちゃったのだけど、
ちょっと様子を見にきたんですよ。クルマに乗ってください」。
え、ホントに?

世の中には、親切な人がおり、親切な役場があるものですね。
結局、僕は西武秩父駅までのバスが出る小鹿野町の
バス停まで連れて行っていただき、さらにそのバスすら運休だとわかると、
今度はタクシー会社の前まで乗せてもらいました。

そのタクシー会社では、チェーンをつけ終えたばかりの1台を運よくつかまえ、
超スローペースの道のりながら、西武秩父駅に到着。
運休になった路線をうまく避けながら、じわじわと家に近づき、
途中からバスを使ってなんとか隣の駅までたどりつくと、
最後には再び徒歩で家に到着したのでした。
いやはや、長い道のりでした。

それにしても、小鹿野町役場はすばらしいですね。
僕は「自分で歩く」と伝えたのに、それでも迎えに来てくれるなんて。
秩父のことが好きになってしまいました。

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コメント

あの日だったんですね(笑)
でも、文章を読んでると大雪を楽しんでる感が伝わってきます。
さすがです( ̄^ ̄)ゞ

エイ出版での仕事は初めてです。ロケ後にピークス、ランドネ編集部に売り込みに行ってきましたよ(笑)
体力はキープしときますので、いつでも連絡ください。

では

投稿: イノ | 2013年4月 5日 (金) 13時57分

イノさま

実際面白かったよ、大雪で。
事故を起こすような状況じゃなかったし。

ランドネに猪野くんが登場するのを楽しみにしてます。
かわいい女の子といっしょにね。
見たら、ちょっと笑いそうだけど。

投稿: 庄太郎 | 2013年4月 6日 (土) 20時18分

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