« 『山岳縦走ギアガイド 2013』発売中 | トップページ | 東海自然歩道/静岡県・家山~愛知県・三河大野 »

2013年5月31日 (金)

八重山諸島/2013年度・西表島遠征-4

Img_240500
少し間が空きましたが、前回の「3」の続きで、これが最終回。
かなり長いので、おヒマな方だけ読んでみてください。

ここまでくれば、あと1日で人間の住む世界に戻れるという場所に到達し、
僕たちは4、5泊目を連泊することに。
この浜は人工物が一切見えず、まさに自然そのままで、
昨年に来たときから、次にはできれば連泊したいと考えていたのでした。
だから、今回は予定のルートは歩けなかったものの、
ここで連泊してのんびりできれば、もうひとつの希望は叶うというわけで。

この何もしなくてもよい日、ツッチーとかさねちゃんは貝を採るために
遠くの岩場まで遠征。砂浜じゃ食えるのが獲れないんですよ。
その貝を獲りに歩いていった姿が、冒頭の写真であります。
2人ははるか遠くに小さく写っておりますが、わかるかな。

そのときの僕といえば、2人とは反対側にずっと歩いていき、
遠浅になった浜をウロウロしたりして、
何百匹の群れになっているのかわからないほど大量にいる
ミナミコメツキガニを観察。
Img_241100
こいつら、わずか数秒で砂のなかに潜りこむんですよ。
それも、数百匹すべてが一瞬のうちに。

本当は釣りをしたかったのだけど、
あまりにも遠浅で釣り竿を出しても意味がないんですね。
かといって釣りやすい水深がある場所まで行くのは面倒で、
結局、僕はユツン川の河口で長々と昼寝。
それはそれで、すばらしい時間なのでした。

しかし寝転んでいたために気づかなかったのだけど、
おそらく数百mほど離れた海辺を京都大学ワンゲル部の
みなさんが通過していったようで。
貝を採っていたツッチーたちはいろいろ話したそうですが、
海岸を歩くだけではなく、何度か沢をつめたりと、
けっこうハードなことを何日もやっていたようです。

風が吹いて寒くなってきたので、その後はキャンプ地へ帰還。
Img_241700
これが浜の内側に設営した僕たちのテントやハンモックであります。
周囲には割れた一升ビンとか、傷んだ鍋とか
ブルーシートとか、プラスチックのイスとかが転がっており、
以前、この浜に暮らしていたというケイユウ爺の名残が濃厚です。

さて、夕方近くになると、深さを増した海を泳ぎ、
こちらに近づいてくる人を発見。バックパックを浮き輪代わりにしながら。
なんと、島の反対側の浜でいっしょだったおじさんでした。
僕たちが諦めた岩場を乗り越えて、ぐるっとまわってきたのだから、
すごいものです。そして、僕たちの近くにテントを設営。

その後、さらに大集団がユツン川の河口から現れました。
で、その河口近くをキャンプ地にした模様。
Img_242000
あとから水場の偵察に来た青年と話したところ、
彼らは大阪府立大ワンゲル部。
西表島の無人地帯は、昔から大学のワンゲル部とか探検部が
合宿などに使っているのは知っていましたが、
それと同じようなことをいまだにやっている僕たちって‥‥。
彼らは大学の春休みだけど、
それに対して、僕たちは仕事をほっぽリ出してきているわけです。

この日の夜も僕とツッチーはテナガエビ獲りに精を出し、
食い甲斐があるサイズをたくさん捕獲。
P326010000
ニンニク、ネギ、トウガラシなどを入れて油で炒め、腹いっぱいに。
心から満足とは、まさにこういうときのこと。

翌朝。大阪府立大ワンゲル部のみなさんが、
僕たちの前を通過していきました。
P327011100
何人かひどく疲れきったメンバーがいるようで、非常に暗い雰囲気。
がんばれよ、若いんだから!

僕たちはゆったりと出発準備を進め、
2晩続けてテナガエビを獲った川で身を清めたり。
P327011900
ケイユウ爺がジャングルを切り開いて作ったという畑の跡地を散策したり。
P327012300
この畑の跡地はかなり広大で、
バナナとかサトウキビとか、いろいろ植えられていました。
とりあえず目に入った作物はどれも旬ではなく、
例えばバナナは青く、小さく、とても苦いものでした。
もちろん、今はすべて野生化しています。

そして、やっと最終日の行動を開始。
P327012800
ワンゲル部のみなさんを追いかけるように、
僕たちは潮が引き始めた浜を歩いていきました。

しかし、15分も歩くと、なぜか無言で座り込んでいる彼らが視界に。
どうやら水が深いうえに、ときどき波が高くなるので、
海に入って歩くのを中断し、停滞していたらしいのです。
疲れきったメンバーもいることもあり、無理はしなかったのでしょう。

とはいえ、僕たちは昨年の経験もあり、その先に
大きな問題はないことを知っていたので、そのまま前方へ。
P327013200
このとき、ワンゲル部のリーダーの青年が僕たちと同行し、その先を視察。
それから僕たちと別れて戻り、隊を率いて歩き始めました。
いかにもリーダーらしい行動で、さすが立派なものです。

少し先に進んでからは昨年と同じルートを使い、再びジャングルの中へ。
P327013900
小さな岬部分は突っ切って、近道をしました。

だけど、踏み跡はいくらかあるとはいえ、ここでも何度も道迷い。
P327014500
斜面の泥がすさまじいところでは、何度か転倒。
滑るとわかっているから、滑らないように努力しているのに、
それでも滑って転ぶんだから、始末に負えません。

分水嶺を越えて標高を下げていくと、再び標高0mの湿地帯。
P327015200
マングローブのなかを歩いていくかさねちゃん。
いつものことながら、よく頑張るよなあ。
P327015300
それにしても今回、僕は本当にかさねちゃんの
後姿ばかり見ていた気がします。

山を越えて岬を突っ切り、やっと潮が引いている浜に到達。
P327015800
曇り空なのに、かさねちゃんに日傘をさしてやるツッチー。
なぜこんなことをしているのか、説明すると長くなるので割愛。
ごく簡単にだけいえば、昨年はツッチー自身がここで傘をさしており、
その再現的なことをふざけてやっているだけ。

もうすぐ人間の世界だと、僕たちが余韻をかみしめながら
ゆったりと歩き、休んでいると、
昨日、同じ浜でキャンプをしていたおじさん、
そしてワンゲル部のみなさんも山を越え、僕たちの後方に。
P327016200
みんなそれぞれの計画で動いているはずなのに、
最後だけは同じタイミングで行動しているのがおもしろいところ。
こうなると仲間意識を感じずにはいられません。

だけど、この日のいちばんの難関は、最後の最後。
P327016300
激しく波が打ちつける岩礁帯をなんとか歩いていかねばなりませんでした。
これくらい、いまさらもう、なんともないんだけど。

そしてとうとう5泊6日の無人地帯から脱し、船浮の浜に到着。
P327016900
ここはもう海水浴場で、船着場までは15分ほど。
あ~あ、終わっちゃった。

それにしても、西表島は何度行っても面白い!
観光地的な場所ではなく、あくまでも無人地帯のことですけれど。
毎年通う価値があると、僕は心から思うのです。

船とバスを乗り継いで、僕がいつも拠点としている星砂亭キャンプ場へ。
ここは道路から入っていって右と左にキャンプ場が2つあるのですが、
一見しょぼそうに見える右側のキャンプ場のほうが
いろいろな意味で居心地がよいのです。
P327018900
僕たちは近くの商店(といっても往復40分)に行って、
食いたいものを食いたいだけ買い、小規模な宴会。
ああ、これで本格的に旅は終わりだ。

飛行機の便が早いツッチーは翌日の早朝にひとりで島を出て行き、
夕方の便のかさねちゃんは、僕といっしょに石垣島で焼肉を食い、
それから同様にひとりで空港へ。
じつは僕だけはまだ旅が微妙に続いており、
さらに1泊することにしていたので、安いホテルに宿泊。
最終日は日帰りで波照間島に行ってみるつもりでした。

しかし翌日は天候がイマイチで、波照間まで行ったとしても
船が欠航して帰れなく可能性があり、結局のところ断念。
間違いなく日帰りできる範囲の離島から竹富島を選び、
時間つぶし的に行ってみました。10年ぶりだろうか?

別に観光っぽいことをする気もないので、
ビジターセンターで郷土本を細かくチェックしたあとは、
港の反対にあたる島の裏側まで歩いていきました。
すると、わりとよく見える手前の小浜島の後ろに
うっすらとデカい西表島の姿が‥‥。
昨日まではあそこにいたのに、今は竹富島か‥‥。
P329021500
僕はひとり、西表島をいつまでも眺め、
来年に行くときにはどんなことをしてやろうか、妄想にふけるのでした。

このような純粋な遊びは雑誌で書く予定もなく、
その代わりにブログで長々と書いてしまうわけですが、
本当はもっといろいろなことがあって、すばらしく面白いんですよ。
ブログには文字量に制限がないとはいえ、
全部書こうと思うとキリがなくなってしまうので、
大量に逸話を省略したうえで、これにて強制終了いたします。

(やっと終わり)

|

« 『山岳縦走ギアガイド 2013』発売中 | トップページ | 東海自然歩道/静岡県・家山~愛知県・三河大野 »

山(やま)」カテゴリの記事

海(うみ)」カテゴリの記事

コメント

ビーパル一月号見てブログ来ました。十年前にカヤックで通った辺りを苦戦しながら、楽しまれたんだなあとワクワク読みました。雑誌と違い、ブログには忘れ難きエピソード幾らでも書けちゃうし、実際の旅のように右往左往する雰囲気が好きです。今、入院中なんですが年末に退院してしばらく療養は石垣島あたりにしようかなと思いました。程度に応じていろんな島に行って散歩とかシュノーケリングとかできるかなと読み耽りました(ハード過ぎだけど笑)

投稿: 海彦 | 2013年12月12日 (木) 17時24分

海彦さま

おお、ビーパルから!
西表島のことは、ブログですら書ききれないんですよ。
キリがなくなってしまって。
僕は来年も3月に西表島に行く予定です。
もう完全に毎年恒例。

入院されているとのことですが、冬でも暖かい石垣島に行き、
少しでも早く復調するといいですね。

投稿: 庄太郎 | 2013年12月13日 (金) 00時05分

初めまして。
鹿川の情報を集めていたところこちらに辿り着きました。
(南風見田の浜からトーフ岩までは行ったことがあるので、とても面白く記事を拝読しました)

(ところで・・・記事中のユツン川とはウダラ川のことでしょうか??
細かいツッコミ、すみません・・・)

投稿: いるんてぃ | 2016年8月 2日 (火) 17時57分

いるんてぃ様

だいぶ懐かしい記事にコメントをありがとうございます。
これはたしかにユツンではなく、ウダラ川ですね。
当時の僕はどうしてたんでしょう?

それにしても西表島は本当に楽しいので、
ぜひ何度も楽しんでみてください。

投稿: 庄太郎 | 2016年8月 5日 (金) 23時45分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『山岳縦走ギアガイド 2013』発売中 | トップページ | 東海自然歩道/静岡県・家山~愛知県・三河大野 »