川(かわ)

2012年9月14日 (金)

『ビーパル10月号』と 四国での川遊びの話

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今月10日に『ビーパル10月号』が発売されております。
で、僕はこの号ではなにも仕事をしていないのですが、
なぜか創刊から続いているビーパルの看板ともいえる
野田知佑さんの連載『のんびり行こうぜ』には登場しているのです。
というのも、ライター仲間の森山伸也くんたちとともに
このところ毎年、徳島の野田さんの家には遊びに行っており
今回は僕たちが7月末にお邪魔したときのことを取り上げてもらったから。
その内容はビーパルを見ていただきたいとは思いつつ、
野田さんと僕の記憶の違いからか、
僕が妙にいい感じに書かれていて恥ずかしくなります。
いやはや。

と、そんなわけで7月に遊びにいってきたときのことを、
写真多め、文章少なめで紹介いたします。

到着後は、腰を落ち着ける間もなく、野田さん宅の池でひと遊び。
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水は温水のようで、ときどき魚が足にぶつかってきます。

しかし僕は出発までに仕事が終わらなかったので、
野田さんの家のガレージで、ひっそりと作業をする時間も。
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上半身は裸で、ショートパンツは池の水で濡れたまま。

その日のうちに内妻海岸にも遊びに行き、犬たちは大喜び。
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いつか沖にある島までカヤックで行きたいと思いながら、はや数年たちました。

メシのあとは川に出て、テナガエビ撃ち。
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あっという間に夜が更けていくのであります。

翌日は日和佐川へ。
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大胆にも水中にテーブルを配し、昼飯はソーメン。

気持ちがよい風が吹き、野田さんは昼寝。
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その間も僕たちはひたすら遊んでおりました。

さらにその翌日。
野田さんが用事を済ませているあいだ、僕たちだけでまた川へ。
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水に潜ったり、魚を採ったりして遊んでいる僕以外のみんな。

そんなときに、僕がしていたことといえば……。
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まさかの川中での原稿書き。
いや~、こうでもしないと終わらなかったんですよ。
ちなみに、このときに書いていたのは
『PEAKS 9月号』の「両俣~北岳~池山吊尾根」という山行ルポ
これを読んでくださった方がいたとしても、
こんな場所で書いた原稿だとは思いもよらないはず。
夏でも寒い日本第2位の山の話を、
こんな気持ちのよい場所で書いていたとは、我ながら不思議です。

このとき、他のみんなが遊んでいるのが当初は悔しかったのですが、
途中からだんだん、この状況が面白くなってきて、
最後にはむしろいい気分になってしまいました。
その昔、野田さんもユーコン川で、こんな状況で原稿を書いていたことを思い出し、
原稿の質はまったく及ばないながら、
やっていることだけは昔の野田さんに似ているという現在の自分のことが
これまた不思議に思われて。なんだか、お恥ずかしいけれど。

川の中で原稿を書きつつも、セルビンを仕掛けておくことは忘れず、
気分転換がてらカワムツを大量に捕獲。
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こいつらの一部は東京まで持ち帰り、現在、僕の自宅で飼われております。

しかし、そうやって遊んでいると、川のなかに設置したテーブルから
別途作業しなければならなかった紙資料が風で吹き飛ばされ……。
あえなく水中に。オレはこれほどバカなのか……。
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せっかくカラーでプリントアウトした校了紙が無残にも水浸しになり、
あわてて天日に干して乾かしました。
こいつは『山と渓谷9月号』で書いた
「ニュージーランド、ワカティプ湖周辺のトランピング」
のページですね。
原稿といい、校了紙といい、僕がどんなタイミングで、どんな仕事をしていたのかが、
計らずもわかってしまう、何枚かの写真でありました。

夕方には今回の成人男性2人、つまり僕と森山くんとで、
野田さんの家まで続いている未舗装路の補修作業。
大きくえぐれた場所に石とコンクリートを混ぜたものを流し込むというか
上に載せるというか、そんな作業をして、いくらかマシな道にするのが
僕たちのミッションでありました。
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だけど、森山くんがつまらない凡ミス。
水の分量をなんと1桁多く間違えてしまい、
10倍量の水によってコンクリートがユルユルに。
こういう男なので、これから書かれる彼の原稿の内容も、
ときどき10倍くらい薄いものになるかもしれません。

ともあれ、極度に一部とはいえ、道を補修。
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3泊もさせてもらって、わずか2㎡程度の補修しか貢献できない僕たち。
これでいいのかと思いながらも、こうして毎年恒例の四国への旅は終了したのでした。
次回はもっと役立つ男として、徳島に行きたいと思っております。

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2011年12月30日 (金)

男4人と女1人で川の上、北関東/那珂川

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11月終わりの気田川遠征で、僕たちは川を一切下ることなく、
ただ橋の下で2泊もするというすさまじく無為な時を過ごしました。
あまりの無念さに、その帰りのクルマのなかでリベンジとなる計画を立て、
今回は場所を変えて、北関東・茨城県/栃木県の那珂川へ行くことに。

メンツは前回と同じく、
土屋智哉(ツッチー/ハイカーズデポ店主)
・森山伸也(ヤーマン/ライター仲間)
・そして僕(ライター)

ライターの麻生くんはスケジュールの関係で今回はこられなくなり、その代わりに
・大内直紀(オオウチくん/ICI石井スポーツ カヌー&カヤック担当)
・大森千歳(ちーちゃん/ライター兼モデル?)
という2人が加わりました。なので、今回は男4人に女1人という構成に。

余裕がある日にスケジュールを組んでいたはずなのに、
なぜか僕は丸2日も徹夜したあげくに、家を出発。
朦朧を通り越して、むしろハイになりかけているという精神状態でした。

食材を買出し、クルマを下流に配置しておいてから、
烏山市街地の付近でフネを組み立てていきます。
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僕とツッチー、ヤーマンは「パックラフト」。
収納時には一抱えほどの大きさで、重量は2キロ程度と、
超軽量のインフレータブルなボートです。
ツッチーは自艇になりますが、僕とヤーマンは、
日本での取り扱い会社である「サニーエモーション」さんからの借り物。
僕らは来年、このパックラフトを使った面白い遠征を企てており、
そのために試乗して、乗り心地を試そうと思っていたのでした。

その他、ちーちゃんはアルフェックのカヤックに。
ひとりで乗るのは初めてということで、
昨年の気田川のようなドラマが期待できます。
一方、オオウチくんは、僕ならばとても乗りこなせない、小さなプレイボート。
この男はカヤックのインストラクターでもあり、
ホワイトウォーターならともかく、那珂川の中流なんて余裕すぎ。
でも、『カヌーライフ』という雑誌では、本人曰く「ドブ川」のような川を旅する
「あの川紀行」という、ユルい連載も持っており、
どんな川でも面白がれる人なのです。

さて、昼過ぎにやっと出発。
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初めて乗ったパックラフトは予想以上に快調で、
試しに上流方向に逆走してみても、けっこう進めてしまいます。
いつもの細長いカヤックになじんでいると、パドルの操作はちょっと戸惑うのですが。
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那珂川にはほとんど毎年遊びに行っているけれど、
冬になると水は透明度を増し、気分も上々。
一昨年は秋に漕ぎましたが、そのときは鮭が遡上する真っ最中で、
船の下をグイグイ泳いでいるのが見えて、ものすごく面白かった記憶があります。
しかし、さすがに12月になると鮭はほとんど泳いでなくて、たまにあるのは死体くらい。
それでもまだ動いているのを数匹は見つけられました。

パックラフトはカヤックに比べるとスピードは落ち、
気がつくと、ちーちゃんが乗ったカヤックは我々よりもかなり先に。
ゆっくり漕ぐか、ときどき停まってくれればいいのだけど、
よく考えてみれば、初心者過ぎて、そういうこともできなかったのかもしれません。

ともあれ、安全度が高い川とはいえ、初心者なのにひとりで先に行くと危ないよ、
などと説明しなくてはいけなかったのですが‥‥。
漕ぎ始めて30分ほど経ったころ、前方を見ると、なぜかひっくり返ったカヤックが。
それが冒頭の写真なのです。

みんなで追いつき、レスキュー開始。
といいつつも、僕は面白がって写真を撮るばかり。
こういうときは本職のオオウチくんに任せるのが、いちばん安全なのですから。
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小さなプレイボートに、ちーちゃんをつかまらせ、カヤックごと牽引。

そのまま河原まで引っ張っていくオオウチくん。頼りになる男だね。
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この後、無事に上陸。
ちーちゃんはジャケットの下にウェットスーツを着ていたとはいえ、
水温の低さは嫌になるほど。いやはや、気の毒ですね。それも昨年に引き続き。
しかも、こんなブログで紹介されちゃうし。

上陸したのはいいけれど、問題はこれで終わりません。
ちーちゃんは転覆したときにパドルから手を離してしまい、
パドルが行方不明になってしまったんです。
パドルが流れたのではないかと、オオウチくんはひとり下流へ探しにいき、
僕たちはどこかに引っかかっているのではないかと、岸辺をチェックしました。
すると、川の中に倒れこんでいる竹にパドルが引っかかっているのを発見。
流れがけっこうある場所で、竹がフネに引っかかると危ない場所でしたが、
ツッチーがパックラフトで回収に出て行きました。
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右のほうに小さく見える赤いフネを漕いでいるのが、ツッチー。
その姿をヤーマンが眺めています。
ツッチーが失敗したら、次にヤーマンが出て行くために、待機しているのでした。

しかし‥‥。
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パドルはガッチリと竹のなかにはまり込み、
それを力ずくで取ろうとしているしているうちに、ツッチーまで沈。
だから、赤いパックラフトが竹の裏で直立しているんです。
この難しい状況では、失敗も仕方ないですね。

本人は再び乗艇し、僕たちの元へ戻ってきましたが、いまだパドルは川の中。
ヤーマンは取りに出るのをやめてしまい、
僕らはオオウチくんが戻ってくるのを待ちました。
こういうときは、技術が高い人に任せるのが、間違いない方法。
いやホントにいいんですよ、できる男がいると。
だから僕はハナから回収しに出ようなんて思いもせず、ラクをさせてもらいます。

というわけで、オオウチくんがパドル目指して出艇。
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みんなの期待が背中から伝わってきますね。

流れのなか、倒れこんだ竹からパドルを引っこ抜くオオウチくん。
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しかし次の瞬間、あのオオウチくんが、まさかの沈。
一瞬、黄色いカヤックの船底しか見えない状態に。
だけど、そのまま簡単にロールで体勢を立て直し、
なにごともなかったように、再び水面へ。
しかもキッチリ、ちーちゃんのパドルまで手に持っていたのでした。
本人はどういう状況であれ、沈をするのはカッコ悪いと思っているようですが、
ハタから見ていると、「さすが」というしかないカッコよさであります。

気を取り直して、再び出発。
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ツッチー、オオウチくんは水の中に一度は浸かっているけれど、
防水性のウェアをしっかり着ていたので、あまり寒くはない様子。
ウェットのみのちーちゃんもそれほどは凍えていないようで、
僕らはゆったりと遊びながら川を下っていきました。

夕方前に目的地に到着。
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まだ漕ぎ足りなくて、みんな他の人のフネを借りて、
キャンプ地の前でも遊んでいました。
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その後、薪となるものを周囲から集め、
出発地点に置いてきたlクルマを回収し、やっと焚き火で夜メシという時間に。
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写真を撮り忘れたけれど、今回もナベ。
作るのが簡単で、確実に体が温まり、焚き火との相性もよし。
だから、川の料理はいつも同じなんです。
以前の川旅のとき、僕は1週間ずっとナベを食い続けたことがあります。
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ナベを食い終わっても、ベーコンを焙ったり、シシャモを焼いたりして、
酒を飲み続けるのみ。

この日は風もあまりなく、焚き火の熱がしっかりと体に伝わってきました。

しかし、遠くにおいてあったパックラフトを見ると、こんな状態に。
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いつのまにか気温は0℃近くになり、霜が下りてガリガリに。
この場所まで持ってきておいたクルマも真っ白になってしまいました。

2日間徹夜をしていながらも23時くらいまで飲み食いしていた僕は、
さすがに眠気に襲われてきて、みんなよりも先にテントへ。
ダウン入りのマットと分厚い寝袋の心地よさに、そのまま意識を失いました。

翌朝。
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いや、気づくと「昼」。
なんと僕は13時間近くも寝続けていたようで、すでに時間は12時過ぎ。
仕事があるオオウチくんは朝のうちに帰っており、
残りの3人が焚き火を囲んでいました。

僕のせいで出発できず、朝から時間をつぶしていたのだな、と
申し訳なく思っていたのですが、みんなもけっこうゆっくり起きだしていたようで。
パックラフトのお試しも完了したし、この日は天気が下り坂ということもあり、
なんとなく「もうこれで終わりにしてもいいのでは?」という雰囲気に。

そんなわけで2日目は漕ぐこともなく、このまま終了。
なんだか山と比べると、川の旅はいつもダラダラです。
確実に自力で下山しなければならない山の緊張感とは違い、
川は適当なところで切り上げて上陸できるし、人家は近くにあるし、
計画の変更もラクなもの。食糧や装備もたっぷり持てるんですから。
こういうユルい感じがまたいいんです。
いつも山ばかりに行っている反動なのかもしれないけれど。

ともあれ、これで全然漕げなかった気田川の悔しさは一掃され、 かなりの満足感。
山もいいけど、川や海もすばらしいものです。

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2011年12月18日 (日)

男4人で橋の下、気田川&狩野川

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11月の終わり、男4人で天竜川の支流、静岡県の気田川に向かいました。
昨年の同じような時期に下ったときに、
キャンプをしたら気持ちがよさそうな河原を数ヵ所発見しており、
今回は川を下りつつ、焚き火&テント泊の夜を楽しむ計画だったんですね。
いや、まあ、それが、しかし‥‥

ちなみに、今回のメンバー紹介
土屋智哉(ツッチー/ハイカーズデポ店主。著書あり)
麻生弘毅(アソー/ライター。著書あり)
・森山伸也(ヤーマン/ライター。いつもの遊び&仕事仲間)
・そして僕(ライター)

平日でも都合がつけられるカタギの仕事ではない面々です。
いや、自分のお店を持っているツッチーだけはマトモかな。
いずれにせよ仕事ではなく遊びでも、平日に動こうと思えば動ける男ばかり。

どうしてこういうメンツなのかというと、きっかけは四国/石鎚山の山歩き
登山口に行く途中で寄った吉野川を見ているうちに、
ツッチー、ヤーマン、僕のあいだで「川も下りたいね」と盛り上がってしまい、
その場で、アラスカ・マッケンジー川の本を出版したばかりのアソーに電話。
ほとんどその場で日程と場所を決めてしまったのでありました。

さて、こちらは早朝に家を出て、途中で立ち寄ったPAから撮った富士山、
そして右に愛鷹連峰という風景。
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愛鷹連峰は今年の1月にひとりで歩きに行った山ですが、
この時点では、今年はまだ雪が積もっていないようでした。

大量の食材をスーパーで買出し、気田川のさらに支流である熊切川に到着。
しかし‥‥、ものの見事に、川の水は濁流に。
水が透明で美しかった昨年とはえらい違いです。
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じつはここまでクルマで走ってくる途中からも、
このグレーの濁りは目に入っていましたが、
実際に目の当たりにしてしまうと、がっかりもいいところ。
昨年はあんなにきれいだったのに。
なんでも秋の台風で周囲の山や崖がものすごく崩れ、
その影響でこんなに荒れ果ててしまったのだとか。
たしかにここに至る道中でもデカい杉の木が恐ろしいほど倒れていて、
台風のすさまじさを感じました。

呆然としながら、河原を歩く我々。

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仕事でもないので下調べをみんな怠っており、こんな事態になってしまいました。
本当はこの日のうちに漕ぎ出す予定でしたが、
この濁りでは隠れ岩がどこにあるのかすら見当がつかず、
そもそも気持ちがよい川下りなぞできるはずもなく‥‥。
しかし、いまさら計画を変更して違う川に移動するほどの時間もないし、
小雨が降っていたこともあり、この日の行動はさっさと終わりにして、
橋の下にテントを張り、メシでも食いながら明日からの予定を考えることに。
で、冒頭の写真のような味気ないキャンプが行なわれたのでした。

夜になると風が強くなり、ビールの缶が飛ばされて、カランカラン。
物悲しい音が聞こえます。そんな音を聞きながらと眠ると、翌朝。
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晴れてはいますが、濁りが取れるわけもなく、恨めしく川面を眺めるばかり。
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ああ、ホントにドロドロですよ。
やはり僕たちは気田川をあきらめて、どこかへ移動することに。
しかし、僕たちは移動すればいいだけですが、地元の人は大変です。
今年は紀伊半島の熊野川あたりも台風によって被災しましたが、
日本中、荒れてしまった川が多いようです。

それにしても、どこに移動すればいいのか。
天竜川の本流をチェックしたり、長野の川なども考えましたが、
結局思い切って、川ではなく、西伊豆の海に転進することにしました。

東名高速道路にのって、PAで休憩。再び富士山と愛鷹連峰が見えます。
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おや、富士山の様子が昨日とはぜんぜん違うような。
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一晩のうちに雪が積もってしまったようで、このような光景に。
美しさが数倍パワーアップ。
下の写真は昨日の富士山なのですが、ぜんぜん違いますね。Rimg0433a

熊切川の橋の下で強烈に吹いていた風は、海辺に出ても変わらず。
晴れてはいるけれど、強さはもっと増していました。
しかも西伊豆に行こうとしているのに、風をもろに受ける西風。
この風の中でカヤックを漕ぐのは不可能ではないのか?
しかもツッチーは、パックラフトというインフレータブルのフネ。
じつはこのパックラフトを借りて乗ってみることも、この旅の目的だったのですが、
こいつは風にはめっぽう弱いんです。

そこで、アソーが知り合いのシーカヤックガイドさんに電話してみたところ、
「今年いちばんの西風。カヤックでも漕ぐのは無理」という情報が。

この時点で、この日も漕ぎ出せないことを悟った僕たちは、
なんとか海岸でのキャンプだけでも行ないたいと思いました。
だが、これほどの風を避けてキャンプができる海岸は、
西伊豆にはないだろうというのが、ガイドさんの話。
我々はなにをやってもうまくいかず、もう絶望的です。

この時点で昼過ぎなっており、僕たちは沼津漁港に行って、
とりあえずメシを食い、作戦の練り直しをすることにしました。
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強風のなかをウロウロ。
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13時を過ぎており、すでに閉まっているお店ばかりでしたが、
なんとか丼ものを扱っている店に入り、ネギトロ丼なんかをいただきました。

もはや漕ぐどころではなく、とりあえずこの日に寝る場所を探すのが
目先の目的となった我々は、伊豆半島の根本を流れる狩野川へ。
海辺よりも河原のほうが、風を避けやすいという判断でした。
しかし、いったん修善寺あたりまで南下してもよい場所が見つからず、、
再び北上して土手を走ってみるなど迷走を極めます。
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最終的にはクライミングで有名な城山(上の写真)に近い、とある橋の下へ。
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今回、日程は3泊4日を予定していましたが、
この時点で「今回、いまさらもう漕ぐことはないだろう」とみんな思っており、
2泊3日で帰宅することが決定。
1日早く帰るために用意しておいた食材が余り、野菜はともかく
日もちしないものをせっせと食わねばならなくなってしまいました。

3日目の朝。
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気持ちのよい河原でテントを張って過ごす数日になるはすだったのに、
なぜかこの日も目を覚ましたのは、無粋な橋の下。

この日はもう帰るだけなので、いつまでも僕は寝ていましたが、
他のみんなは早めに起きていた模様。
地元のおじさんと話す声や、焚き火で食事を作る音が僕のテントまで聞こえました。
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僕もやっと起きだしてみんなのもとに行くと、
焚き火の上には「食材を食いつくそう」という意思を感じる
たっぷりのうどんと、そしてなぜか鮎の姿が! Rimg0470a
早朝から釣りに来ていた地元のおじさんが
立派な落ち鮎を10匹近く、分けてくれたらしいんです。

見れば、僕たちがテントを張った橋の下の真ん前で、釣りをしている人が数人。
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この後もさらに鮎をいただいてしまい、
僕たちは思いがけないご馳走をたらふく食ってしまいました。

考えてみれば、平日の朝からいい歳をした男が焚き火をしながら
ぼんやりとたたずんでいるのですから、怪しさ満点。
だけど、連日の焚き火で汚れ、かわいそうになるほどみすぼらしく、
せっかく釣った鮎をあげたくなったのかもしれません。
それにしても、狩野川の釣り師は親切ですね。
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僕たちはいただいた鮎を焼きながら、
「酔いがさめてから帰ろうか」と、朝から酒を飲み始め、昼過ぎまでこの河原に滞在。
その後、勢いでホーボージュンさんの家に遊びに行くなどテキトウに行動して、
橋の下に寝泊りした2泊3日のよくわからない旅を終えました。

だけど、おさまりがつかないのが、川を下りたいという気持ち。
なんとか年内にリベンジを果たそうと、新たな計画を立て、
次は1泊2日でよいから、確実に川を下ろうと決めたのでした。
いやはや。

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2011年10月29日 (土)

野田知佑さんと遊んだ、徳島の川と海

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カヌーイスト/作家の野田知佑さんの家へ、仲間たちと遊びに行ってきました。
この四国へのプライベート旅は毎年恒例となっていて、
数えてみたところ、今年で連続7年目。
仕事でお邪魔したときも数えると、もう10回以上、野田さんにはお世話になっています。
いつもありがとうございます!

その様子は昨年もここで紹介しましたが、今年もまた改めて。
いちばん上の写真は、到着してまだ20分程度のとき。
早くも庭で焚き火が始まり、大きな池にカヌーを浮かべて遊んでおります。
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野田家の愛犬、アレックスとハナも、いつものようにカヌーへ。

翌日は朝から、日和佐川の野田さんお気に入りのポイントへ行きました。
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すでに10月に入っていたので水は少なく、水温も冷たくなっていますが、
少し我慢すれば、十分に遊べるくらい。

チェックのシャツを着ているのが野田さんで、その左には写真家の佐藤秀明さん。
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秀明さんは野田さんが若いときから世界中をコンビで旅していて、
ユーコン川などでも何度も撮影を重ねている、アウトドア界の超有名カメラマン。
秀明さんは僕たちと同じ日に、野田さんの家に突然遊びにきたそうで、
夜はいっしょに宴会に。博識なのにバカ話を繰り返し、ものすごく面白かったです。
その大御所お二人が、魚を採るセルビンをいっしょに仕掛けていました。

アレックスとハナの相手をする者はおらず、みんな勝手に遊ぶばかり。
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人間ばかり遊びやがって‥‥と、犬たちはなんだかつまらなさそう。

カヌーに乗った野田さんはカニカゴを仕掛け、
他の者はエビタモでテナガエビを捕獲してみたり。
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シュノーケルをつけて、川の中をのぞいてみたり。Rimg0114a

浅瀬をカヌーで何往復もしてみたり。Rimg0105a

そして野田さんは、念入りにカニカゴを仕掛け続けています。
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ところで、野田さんが徳島の日和佐に移り住んだ大きな理由が、
この日和佐川の美しさ。
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通称・クジラ岩の横の淵も、底まで透き通って見えています。
夏だったら、もっと魚が泳いでいるのだけど、水温が低いので、この日はイマイチ。
だけど、その淵は飛び込んで遊ぶには、秋でも絶好の場所なんですね。
水がきれいなので浅く見えますが、深さはたっぷりあるんです。

で‥‥。
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川に飛び込んでから、浮上するまで数秒。
勢い余って鼻から水が入ったらしく、この後、数十秒はゴホゴホいっておりました。
だけど、笑顔で。

寒さが苦手で、ウェットスーツも持っていかなかった僕は、今回は飛び込まず、
とはいえ腰までは水につかり、エビを採ったり、魚の写真を撮ってみたり。
だけど、浅いところに大きな魚はいないので、撮影できたのはこんな程度で。
そもそも、潜りもしないで、よい写真が撮れるわけないんだけど。
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この魚はカワムツでしょうね。
僕は今回、新しく買った防水カメラ「RICOH PX」を持ってきていて、
その性能を試そうと思っていたのですが、予想以上に写りがよくて満足しました。

翌日も午前中は日和佐川に行き、夕方前からは内妻海岸へ。
この浜にも何度きたことか。
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海岸には少し前の台風の影響で大量の流木が流れついており、
地元の人がわざわざ集めて、海岸で燃やしているくらい。

当然ながら、僕たちも焚き火を開始します。
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火の番をするアレックス。
いや、火の番ではなく、彼は火の粉が舞うのを待っているんですね。
で、火の粉が空中に漂えば、ジャンプしてパクリ。
なんで、ボーダーコリーっていう犬種は、みんな火の粉が好きなんだろう。
アルミホイルで巻いて入れたジャガイモやサツマイモは、後のお楽しみ。

ハーモニカを吹く野田さん。
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この光景、少しするとDVDで見られることになっています。
じつは、この日の夕方にビーパル編集部の編集者が到着し、
12月号「焚き火特集」の付録DVDとなるらしい映像をとっていたのです。
その方は僕たちもよく知っている人ということもあり、
焚き火の前でも、家に帰ってからも、再び気楽な宴会状態に。
この日もバカ話と知的な話とが、随時、交錯しておりました。
昼も夜も、まあ楽しいことばかり。

僕たちはあくまでもプライベートだったので、
この野田さんの焚き火の映像がどのようにまとめられているのかわかりませんが、
きっと面白いものになっているはず。
あと10日ほどで発売されるビーパル12月号が楽しみです。

他にもいろいろと面白いことがあり、そんなこんなで3泊4日。
しかし僕たちの一部はまだ東京には戻らず、四国の旅は続くのでした。

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2010年12月22日 (水)

気田川カヤック旅

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ずっと漕いでみたかった静岡県の気田川に行ってまいりました。
この川は天竜川の支流で、水質とともに風景の美しさでも知られ、
カヤックツーリング好きの者なら一度は下ってみたい場所なのであります。

正確に言えば、下り始めは、気田川のさらに支流の熊切川。
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メンバーは、オレンジ色のドライスーツを着た麻生弘毅(アソーくん)、
ブルーのジャケットを着た森山伸也(ヤーマン)、
そして、ここには写っていませんが、大森千歳(ちーちゃん)、そして僕。
男は全員、雑誌で原稿を書いているライターで、
ちーちゃんも本職ではないけれど、最近PEAKSで記事を書いていたりもします。
本当はさらにホーボージュンさんも来る予定だったし、
とにかく、仕事じゃない遊びなのに、ライターだらけ。
なんなんだろう、このメンツ。誰も働かなくてよいのでしょうか?

初日のキャンプ地からこぎ始めると、すぐにお目当ての気田川に。

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アソーくんが乗っているのは、僕が貸した「ゆず号」。
ちなみに、僕のうちにはこのフェザークラフトの”カフナ”というモデルが2艇あり、
僕自身が乗ったグリーンのものは「エビ号」という名前。
ヤーマンの持っているブルーのカヤックは、名前をつけているのか不明です。
このあたりはまだ人家が見えて、普通の川っぽいですね。
漕ぐのもわりと簡単で、のんびりと下っていきます。

ところが‥‥、なぜかほとんどなんでもない瀬で
一艇のカヤックが沈(転覆すること)し、漕ぎ手は川のなかへ水没。
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引き上げたカヤックとともに、全身が濡れて凍え、呆然とするちーちゃん。
いっしょに漕いでいたヤーマンによれば、
「ちょっと泳ぎたかったんですよ」とのこと。

それもそのはず。
上の写真をズームしていくと、植木で作ったこんな文字が。
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「日本一・きれいな川」なので、12月下旬の冷たい水でも泳ぎたくなるんですね。
さすがだなあ、ヤーマン。

沈したカヤックは大きめだったので、食料をダンボールごと
積んでいましたが、こんな悲惨な状況に。
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でも、大切な超特大魚肉ソーセージが流されていなくてよかった。

この日は、沈のダメージが大きく、さっさと漕ぐのを終了。
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流木を拾ってきて、河原で焚き火をいたします。
夕食のメインは鍋ですが、中央には特大魚肉ソーセージ。
ちーちゃんが念入りに焼いてくれたのですが、
炭火のパワーを持ってしても、あまりおいしくはなく‥‥
僕が買ったものとはいえ、はっきりいってまずかったです。

翌日は、ほとんど人工物が見えない川を進んでいきます。
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さすが、美しいという話を聞かされ続けてきた気田川。
フネでしか行けない河原も多く、そういう場所でキャンプして
もぐったり、魚やエビを獲って食ったら楽しそう。
そう考えると、やっぱり本当は冬ではなく、夏に来るべきなんですよね。

気持ちよさそうに漕いでいるアソーくん。
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彼はアラスカ・マッケンジー川を何十日もかけてカヤックで下った話を
1冊の本にまとめている最中。来年春の刊行予定なので、お楽しみに。

最終キャンプ地は、気田川と天竜川との合流地点。

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ヤーマンは今回、テント本体とポールの組み合わせを間違えるという失態を犯し、
周囲が凍りつく厳寒のなか、カヤック2艇のあいだに
無理やり張ったタープだけを屋根に寝ていたのでした。
あえて12月の川で泳ぐヤツなのですから、まあ平気なのでしょう。

あとはもう帰るのみ、という最後の朝。

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3泊4日にわたって焚き火をし続けたので、
全員のウェアは焚き火くさく、ひどいものになってしまいました。

しかし、楽しかったですよ!
とはいえ、次回は冬ではないときに。
暖かいときなら、僕も川で泳ごうと思います。

そして、この翌日から、僕は雪山へ行くことに。

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2010年11月30日 (火)

野田知佑さんの家へ

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カヌーイスト/作家の野田知佑さんが暮らす徳島の家へ遊びに行ってきました。
僕がひとりでユーコン川を下りに行ったときに
偶然にも野田さんに声をかけられたのが、2003年。
それから5~6年以上続いている、本当に楽しみな秋の恒例行事であります。
昨年はホーボージュンさんがいっしょでしたが、
今年はライター森山くん、編集・増田くんふくめ、総勢6名でお邪魔に。
この旅、立山登山の翌日からの2泊3日だったので、
ようするに森山くん(ヤーマン)と増田くん(マスケン)とは
1週間もいっしょに行動していたわけ。
しかも立山は仕事で、徳島は遊び。なにがなんだかわかりません。

野田さんの自宅ということもあり
プライバシーにかかわる部分もあるので、簡単にご紹介します。

到着時は雨が降っていたのですが、
小雨になると早速、野田さんの自宅敷地内にある巨大な池でカヌーに。
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野田さんの愛犬アレックスが、勝手に乗ってきてジタバタ動き回ります。
あせってパドルは反対に持ったままだし、
漕ぎにくくて仕方ないんだけど、乗り込んでくるとなんだかうれしかったりして。

翌日は近くの海岸へ。
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もっと暖かい時期に遊びに行ったときは、ここで潜りました。

海岸の一角には川が流れ込んでいて、カヌーで行き来できます。Img_0034
海から戻ってきたヤーマンたち。
それぞれ犬を乗せているのがいいですね。
茶色は先ほどのアレックス、黒いのはハナ。どちらもボーダーコリー。

野田さんは、仕掛けておいたカニかごを回収しに。
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その様子を期待して見守るマスケン。

しかし、入っていたのはゴンズイばかり。
こいつらに刺されると、かなり痛いんです。
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この時期、通常はすでにカニ(モクズガニ/ツガニ)は
もうほとんど獲れない時期なので、仕方ないのですが‥‥

夜は野田さんがハーモニカを吹いてくれました。
「ハモニカライブ」というイベントを毎年行っている野田さんの
プライベートライブなのですから、贅沢なものです。
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う~ん、さすがにカッコいい!

カッコいいのだけど、少しひいて見ると、
目を瞑って聞きほれている男が、かなり目障り。
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なんだよ、こいつ~

ともあれ、野田さんは僕らが大尊敬している方であり、
アウトドア界のレジェンドというべき存在。
僕たちのような者をいつもやさしく歓迎してくださり、
感謝しても仕切れません。
そもそも、僕は野田さんに影響されてアウトドアライターになったのですから、
これはもう、人生の師匠というべき人。

自分の人生を変えた人が目の前にいて、しかも親しく接してもらえる幸せ。
大げさでなく、生きていてよかったと思えるのでした。

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2010年8月26日 (木)

北上川と野田知佑さん

東北での夏山合宿取材の帰り、仙台の実家に寄り、翌日は北上川へ。
「ビーパル」で『新日本の川を旅する』を連載している
アウトドア界のレジェンド、野田知佑さんの北上川取材のお手伝いのためでした。
僕の父方のルーツは北上川にあり、
代々、北上川のほとりで農業を営んできたのであります。
そんな旧家の裏の土手を上がると、下のような状態。
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いまや川岸には気が生い茂り、ほとんど川面が見えません。
昔は小石で覆われた川原だったらしいのですが、
いまやトロりと流れるだけの巨大用水路のようです。
じつはここ、正確にいえば「旧北上川」。
数十年前の河川改修によって、今の本流は別の方向へ流れています。

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左が野田さん。北上川でいかだを自作し、
子どもたちを乗せて川下りをしている方に話を聞いています。
その隣の中央は、なんと僕の親父。
この地で育った父に、北上川と縁の深い人を数人紹介してもらい、
通訳を兼ねて同行してもらったのでした。
「通訳」というのは、田舎の方言となまりがすごくて、
現地で育った人でないと、なにを話しているかよくわからないから。
仙台育ちの僕にはまるで外国語のように思えることがあり、
いっしょに話を聞きながら
「このあたりの言葉と英語だったら、どっちのほうが理解できるだろうか?」
などと考えておりました。

僕が以前、カナダのユーコン川をひとりカヤックで下ろうとしていたとき、
現地で「どこまで下るんだ~」と声をかけてくれたのが野田さんで、
それ以来、「高橋~、仕事はあるか? メシは食えているか?」などと
なにかと気にかけていただいています。ありがたいことです。
今回は少しでも野田さんの力になれればと思いましたが、
実際に活躍したのは、ほとんど僕の親父。
お父さん、ありがとう。感謝しております。



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